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息子の腹痛をアセスメントする

先週末頃から腹痛を訴えるようになった。珍しいことである。
昨年までは腹痛などほとんどなく、日本にいたときは皆無である。
聞けば下痢をしてるという。1日の回数は1〜3回程度。

痛い場所は右下腹部。
右下腹部痛といえば、虫垂炎・・・
とはいえ、いろんな原因で腹痛は生じるので、必ずしも虫垂炎とは言えない。発熱なし、吐き気なし、腹部膨満なし、反跳痛なし、グル亢進なし。コロナ陰性。
「ストレスか、寝不足じゃないのー?」

肉の食べすぎかもしれん・・・(魚がとても高い+食べざかりなので大量に肉やご飯を食べている)また、毎日ヨーグルトを大量に食べていた。

万が一腹膜炎など起こした場合のことを考えて、エマージェンシー受診も考慮するが行っても数時間待ちらしいので、動けないぐらい腹痛がひどいときにエマージェンシー行くぐらいなら救急車を呼んだほうが早いだろう。オンライン受診は、数週間待ち+X-rayや血液検査は別の場所に出向いて撮らなければならないため緊急時には使えない。結局、自分でアセスメントして受診するか決めなければならない。

腹痛と下痢ならstomach fluの可能性が一番高そうだ。ストレス性もあるかもしれない。最近勉強のほうが大変になってきた(ようだ)。IBSほどトイレは近くない。だいたい、日本ではこのぐらいの年齢の子が腹痛で受診しても整腸剤処方されて様子見ましょうといわれるのがおちだ。じゃあ、整腸剤だ。
今まで、お腹壊したこともない息子なので持参なし。仕方なく、薬局でプロバイオティックス(乳酸菌)購入。詳しい内容と量はよくわからんが、胃腸の健康をサポートすると書いてある!

プロバイオティクス

私「お兄さん、これ胃腸風邪のときに飲んでもいいよね?息子が下痢してて」
薬剤師「1日何回?何歳?」
私「15歳で、1日1回から3回」
薬剤師「それでいいよ」

念の為ヨーグルトも、いつも買ってる一番安いやつから乳酸菌多めに入ってるやつに変更。肉、牛乳はストップ、食事は消化の良いおかゆやうどん、いももちにする。

IBD病棟で働いていた私にとって、10代男子、腹痛といえばまずクローン病か潰瘍性大腸炎を想像してしまう。もし、そうだったら本当に厄介だ。なかなか診断がつかない。コンスタントに下血でもしない限り、そんな若い子にめったに大腸カメラなどやらないからだ。しかも、ここカナダはよほどの大事じゃないと病院に行けない。コロナにかかっても自分で検査して在宅療養なのだ。でも、カナダのIBDの有病率は日本の10倍以上とある。(世界でもIBDが多い地域)もしかしたら、10代の男子が腹痛で下痢してたらIBDを疑う土壌があるのかもしれない。2週間腹痛が続いたらとりあえず、オンライン受診だ。いきなり胃腸科には診てもらえない。IBDの原因は未だ解明されておらず完全に治す治療法も確立されていない(進歩はしているが)。だが、ストレスや欧米風の食生活が発症に関係あるとされている。カナダに来てからも、できるだけ和食を取り入れるようにはしてきたけど、日本にいたときに比べると肉の量が半端ない。乳製品も大量に食べている。しかも、うちは北海道出身。日本でもIBDが多い地域なのだ。思い当たる節はおおありだ。

カナダのIBD有病率


<まとめ>

 ・主訴:腹痛(主に右下腹部)、食後の下痢(1−3回/日)
 発熱、嘔気、腹部膨満、反跳痛なし、腸動音正常範囲
 

 ・可能性
1.胃腸風邪
2.ストレス性の腹痛
3.食中毒
4.虫垂炎
5.IBS(過敏性腸症候群)
6.IBDなど
7.その他の疾患

 ・対処
1.消化の良いものを食べさせる
2.油の使用を減らす
3.乳酸菌サプリを飲ませる
4.脱水がないように水分や電解質摂取を促す
5.お腹を冷やさないようにする
6.改善みられなければ、症状の重篤さに応じて受診

<結果>
11/4 症状始まってから約1週間で、下痢、腹痛消失。
やっぱり胃腸風邪だったようだ。
油っぽい食事を減らして様子を見る。
豚肉、牛肉→ターキー
うどん、豆腐の味噌汁など

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