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【小説】 知らなかったゴールデンウィーク

季節はゴールデンウィークにまできていたとはわからなくなっていた
佳世子は騙されていた
そうわかった
ゴールデンウィーク初日
近くのスーパーに行くとあまり人がいなかった

ゴールデンウィークとは知らなかった
佳世子は今日は空いているなー
って思った
薬は父に取りに行ってもらっていた
話して聞いてもらっても仕方ないからだ

薬局の待合室で
急に涙がでてきた
目を閉じたわけでもないのに
たくさん涙が溢れてきた

ユウの奥さんは
息子の受験で少し病んだと聞いた
ユウが言っていた
佳世子も病んでいたよね
そうユウに言われた
私は実験台でもないし
人、1人の人権があるものだと
思って生きてきた

実験台にされた上
たくさんの示談書や確認書を書かされて
頭がおかしくなったままだった
関わりたくないと
詐欺をはたらいた人は逃げたけど
佳世子の心は崩壊した

老いた両親のかわりに犬の散歩にいった
川では今日もたくさんの魚がはねていた
なんでだろう

ひだりの顔も
どんどんおかしくなってきたが
罰か知らないの一点張りだから
もう放置した

どうかどうか
犯罪に巻き込まれない
社会であってほしいと
切に願う

さようなら
みんな

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