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【小説】 都会

久しぶりだなー
って神保町にいくの?
うん
美味しいお店があるし

佳世子は
本がたくさんあるから
本もみたいって言った

本好きなの?
うん
古書とか好きだったけど、最近は自己啓発本とか好き

はい
自分に自信がないんですよ
自己肯定感が低いので高くしたいんです

ある友達は言った
かよちゃんは今までずっとみんなより何もしなかったから
外に触れて
自分で感じて、輝いて

そんな生活は今まさに実行しようとしていた
でも、納得のいくまで、わかるまで聞きたいこと
理解したいことがあった

ダメだよ
祐輔は逃げたからね
うん
知ってる
忘れなよ
えー何があったかモヤモヤしているのに
佳世子は新しい友達に聞いた

うん
前を向いて
佳世子応援団つくるから

佳世子は笑っていた
人と繋がること
新しいことが大好きな佳世子

それは小さい時からずっとそうだった
女友達より男友達のほうが多い
それも小学生の頃からそうだった

なんで女子校に行ったのかな
えっ、制服が可愛かったから
ただそれだけ

あそこって坂が大変だったでしょ
うん
毎回、ダッシュでかなりの朝からの運動だったよ

新しい友達、新しい人生
まだ遅くないよね?
佳世子は聞いた

大丈夫。
可愛いから

それって関係じゃないですか

でも、つぶらな瞳で目が赤ちゃんみたい
うーん
顔は小さいっていわれたよー

小さいけど
動物みたいな子だね

友達になってよ
決して祐輔みたいに
縁を切るためにやってこないでね

わかった
かよちゃんと約束だ

佳世子は動くことが大好きだ
じっとお家にいない子
それが本当の佳世子だと気づいた




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