知苑ヒロ

広告、旅、生活と文化、歌人。人の気持ちや思いをすくい上げる言葉を日々考える。

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最近の記事

月をみる 短歌

満月ときいて夜空へ出るときの無垢な一歩をまだもっている 知苑ヒロ

    • 心の呼吸器官としての服

      美しい服や装いを見ると 心に立っていた角がすーっと波に攫われ消えていくようだ。 何事もなかったように滑らかに光る波打ち際だけが残る。 外出自粛するようになって気づいたことだが 私は好きな服を見ることで癒され、身に纏うことで自信をつけていたのだと思う。 コーディネートは心の調整であり自分らしさの試練でもある。 「今日の気分は?」と自分の内に耳を傾け、それに合った服をチョイスする。 気分と装いがシンクロすると心と身体が一致したような居心地よさが完成する。 (上手く行かない日は1

      • 消費者と酪農の距離、そして「エシカル」は誰の視点か。

        酪農と聞いて思い出すのは小学校の頃に体験学習で行った牧場だった。 牧草と獣の匂いが入り混じった独特な空気。 乳搾りした時の柔らかい感触と「本当に牛乳が出てくる」という事実に驚いたあの記憶。 牧場見学したことある人ならきっと多くが持っているであろう。 しかしその多くは体験見学をメインにしたサービス施設であって、一次産業を担う牧場を見たことある人は多くないのではないだろうか。 あるいは、酪農はじめ畜産に対し「非人道的な動物への搾取」というイメージを抱いている人もいると思う。

        • 生き物と食材の境を見たくて、道東で漁師を訪ねた。

          雪がまだ残る北の大地に降り立った頃、私は漁師に興味津々だった。 きっかけはテレビで船上に立った芸能人が獲れたての海の幸を食べている姿を見てふと頭に浮かんだ、 「自分は普段食べる食材の、生きていた姿を考えているだろうか?」という疑問。 スーパーで綺麗に並べられる、切り分けられた肉や魚が元々生きている存在の一部だったことは、頭ではわかっているつもりである。 でも私が見たことある生きた魚は水族館のイメージがほとんどで、ことさらスーパーに並ぶ魚たちが海で生きていた姿を生で見たこと

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