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犬と一緒に祈る教会

ずっと思っていた。
シラノも一緒に入れる教会があったらいいのにと。

その願いが突然叶った。

犬も一緒に過ごせる教会は存在する。

アリエ川を見下ろす絶景を誇るシャトレ・ド・ノーヴル村の高台にある聖ローラン教会。

土台は2000年前のガロ・ローマ時代のもの。主な建設は9世紀にはじまる。

高台から見下ろす絶景が素晴らしくて立ち寄るようになったところだけれど、長年の夢を叶えてくれるところになるとは。

曇り空から少し太陽がのぞく天候で出かけたのに、途中で大雨に降られた。
今日はドライブに向いていなかったなあと思いつつ車を走らせたけれど、なにが幸いするかわからない。

車から降りる頃にちょうど雨がやみかけ、歩きはじめたところで教会の鐘の音が鳴り響いた。運命の前奏曲。
絶景を楽しみながら外側を一周する。下の方に羊たちが見える。

教会正面に着いたあたりで、教会の前に住んでいる方がこれから外出するところに出会った。車から降りて「教会は開いているわよ」と教えてくださる。

「雨でも、扉が閉まっていても教会は開いているのよ」と。
近寄って行ったシラノをなでながら、「なんて可愛い犬なの。この教会はね、犬や猫も入れるのよ。一緒に祈ることができるの」。
なんと。 犬も入れる教会があるなんて。
それだけでも、わたしにとってはものすごく価値がある教会だ。
今日ここに来てよかった。

教会内部は見たことがあったけれど、せっかくなのでシラノを連れて入る。
まずはリードに繋いで。
教会の空気がシラノと一緒の方が柔らかい感じがする。

他に人がいないので、シラノを自由にする。

前回内部は丁寧に見たので、今日はシラノと一緒の雰囲気を楽しむ。

村の人が犬も一緒に集う教会。
素朴な中にも温かさが感じられる。
神の前だからと気取らず、素の自分で神や信仰心と向き合える場所。

せっかくだからシラノを足元に呼んで座る。
日常に教会があり、祈りがある感覚。

戦没者の慰霊碑もあり、村民の心と信仰を支え、村民と共に存在してきた身近さを感じられる。

教会内にシラノと一緒に入ることができ、シラノも神に祝福していただいた気持ちがした。

また一緒に来ようね。

シラノは外の方がのびのびできる様子ではあるけれど。

羊やロバも飼育されている農場がすぐ隣だ。

アリエ県、シャテル・ド・ヌーヴル村のサン・ローラン教会。

絶景だけでなく、犬と一緒に祈れる教会として記憶しておきたい。


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