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【フランス】国土の95%はGendarmerieが守っている

6月に入ってもフランスはまだ寒い。朝は7℃だったりする。
午後になって急に20℃越え。こんな天気がしばらく続くらしい。

週末、今住んでいるアリエ県のGendarmerie(ジョンダルムリー)のオープン見学デーに行って来た。

ジョンダルムリーは「国家憲兵隊」といういかめしい名前で訳されるけれど、実際は「ほぼほぼフランス全土を守る警察」。

警察と訳されるPolice(ポリス)は、国土の5%をカバーしているだけなのだ。もっとも人口比では、PoliceとGendarmerieの守備範囲は半々。つまりフランスは国土の5%に50%の人口が住んでいるんですね。

ジョンダルムリーは田舎の生活に密着していて、人々に頼りにされ、愛される存在だ。

「Le gendarme」(ジョンダルムリー隊員)という映画も作られ、名喜劇俳優ルイ・ド・フュネスが愛すべきジョンダルムを演じている。日本でも「サントロペ大混戦」「ニューヨーク大混戦」「憲兵隊の大混戦」などという名前で公開されたらしいけれど、現在日本からはYouTubeなどで見られる程度(フランスではDVDが販売されています)。

アリエ県の県庁所在地ムーラン市のはずれに、ジョンダルムリーの駐屯所がある。

車ですぐのところにあり、家族連れで訪れやすい。
のどかな雰囲気。

イベントの地図

バイクやピストルなどのシミュレーションもできる。
ジョンダルムに親しみを持ってもらい、子供や若者には未来のジョンダルムになってほしいというねらいもある。

ジョンダルムは家庭内での暴力に介入することもある。

操作に使われる検査薬などの展示も。

建物内ではジョンダルムのイメージ模型が展示されている。

下は、デモ対応の車両。

フランスは各地で頻繁にデモがあり、駐屯所にもデモ用の車両が用意されている。

ただし、この車両たちは、駐屯区域のデモには使用されない。出動するのは、別の県のデモだ。地元住民との関係が密接だから地元には介入しないのだろう。

マスコットさん。
ドローンで撮影されている映像。
遠くからでもはっきり映っている。

バイクや年代物のジョンダルムリー車も展示されていた。


食べ物のスタンドもあって、一日楽しめる。
未来のジョンダルム希望者がたくさん出ますように。

ジョンダルムリーとポリスは守備範囲が違うけれど、どちらも現在は内務省の管轄にあり、フランスの国内法に基づいて犯罪をとりしまる。

イベントはのどかな雰囲気であったけれど、ジョンダルムの任務はときに命懸けだ。
銃が使われる夫婦の争いに介入することもあるし、爆発に巻き込まれることもある。
アリエ県でも去年は凄惨な事件があった。精神病院から自宅に戻ったばかりの男性が自分の介護者を殺害すると予告し、急遽向かったジョンダルムたちを自宅に招き入れた。そのとき男はおとなしくジョンダルムを迎えたというのだが、扉を閉めた直後ジョンダルムたちの目の前で自爆した。爆発と火災に3人が巻き込まれ、一人は亡くなった。
亡くなった隊員は27歳でその妻も隊員。はじめての子供を妊娠していたという。

普段のジョンダルム達は、穏やかでのんきにも見える。だけれどいざという時には命を懸けてフランスを守る英雄だ。

ジョンダルムがのんきでいてくれる平凡な日常がいいのだ。







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