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鳥海山は大変だった その2(長い)


駐車場。あの奥に見えるのが鳥海山・・・!

 登山当日。3時半起床、5時前に登山口到着。快晴だ。広々とした駐車場はまだ数台しか停まっていない。

 鳥海山は、急峻なところは少なく歩きやすいのだが、なにせ長いのだ。コースタイムで往復9時間はかかる。頂上の小屋で一泊すると楽なのだが、私はもう結構いろいろ登っているし、夫は1日おきに15キロ走るーという歳のわりには、動ける人なので日帰り行けるだろうーと踏んだのだった。

 朝陽であたりがキラキラしている中、最初はアスファルトの急登でおののくものの、そのうちに歩きやすく整備された道になり、ゆるゆると登っていく。

花がいろいろ咲いていて楽しい。

鳥海湖。かなり水が少ないらしい。

2時間歩けば眼下に鳥海湖が見える御浜小屋だ。最高な気分。ここからあともお花畑が続く。 

チョウカイアザミ。固有種らしい。

9月でもこんなだから、花のシーズン盛りはすごいんだろうなと、心の目で見る。。

先は長いぜー

道も広々としていて、雲や光の感じも良く大変に気持ち良かった。

この新山というのが山頂ね
手前の斜面を急降下し、雪渓のところまで行く。雪渓を渡って、ずうううっと谷沿いに登っていく。

 さらに1時間歩くと、谷を行くコースと外輪山を行くコースに分かれる。ここは谷を行って頂上に着き、外輪山を下山に使うーという下調べでオススメされていたコースで行こうとなる。快晴は続いていて、見晴らしは大変に良い。が、谷への下りはものすごい急坂であった。おおお。これは下りた分また登るのね、、、。夢中で下り、小さな雪渓を渡り、登りとなる。


谷筋を上がっていく

ここがなかなか消耗した。長いんだもの。
 

谷をはさんで向こう側の外輪山コース。帰りはあの稜線を行く。

 途中で先を行く夫がデジカメを拾う。上から下りてくる人に尋ねながら(こちらから登りました?デジカメ落としませんでした?)歩くと、やや気が紛れる。すると、"上で、デジカメがないーと言って探している人がいましたよ、緑色のザックの人です"という若い人が現れた。おお。でも私たちの足で追いつける訳はなく、頂上直下の神社の人に訳を話し、預けることにする。

 そう、なんとかコースタイムから遅れること30分で、頂上直下の鳥海山大物忌神社のある御室に着いたのだった。ぜーぜー。

 宿の人が作ってくれたお弁当を広げる。うまーーーい。塩おにぎり二つと卵焼きと小ぶりのフランクフルトとたくあんと。さてお次は頂上までの岩登りだ。

 これはなかなか怖かった。しっかりゆっくり上がっていく。先の夫がすれ違う人に声をかけている。緑のザックを持っていたから、デジカメの事聞いてみたらしい。そうしたら、まさに落としたその人で、大変に喜んでいた。大変に不安定な岩の上だったけど。いい事していい気分。だが、岩岩は続く。。。


   11時20分なんとか頂上!やったね。雲が出ているものの青空もあって、切り立った岩がとてもかっこいい。しばし空を眺めて、長い長い下山に取り掛かる。


外輪山に乗るまでこんなとこもあり
外輪山に乗ると谷をはさんで、さっきお弁当食べた神社が見える。後ろの山頂のラスボス感・・

  外輪山コースは谷を歩くのとは違い、稜線歩きなので眼下に山並みが見え、アップダウンはあるものの基本下り基調なので、楽しい道であった。


動画を撮った私をオットが撮った
帰りの鳥海湖

が、このあたりで結構な疲労が溜まってきていた。加えて西日をまともに浴び続けていて、消耗する。このあとは黙々とひたすら歩き、写真はない。

 ほぼコースタイムで下り切ったのだが、下山の後半は夫はかなりふらふらとなってしまった。私は疲れているものの、ふらふらはせず歩けていた。やはり登山の足とランニングの足は違うのだ。決して急かしはしなかったが、もっとたくさん休んで、もっとゆっくり行けば良かったと反省しきり。荷物も彼の疲れが見えた時点で私が持つべきだった。普段は何かと頼りきりの私だが、ふらふらでもこぼす事なく歩を進める夫を励ましながら、10歳年上の彼がいつか倒れたり動けなくなる日がくるかもしれないーちゃんとできる限りの事はしようーなどと考え、勝手に胸熱になってしまったりしていた。疲れのあまり情緒がおかしい。

 駐車場に着いたのは16時くらいか。頑張ったねー。自販機に走り、夫所望のコーラを買う。うまいねー。そこから車ですぐの今日の宿"太平山荘"へ。

 着いてすぐご飯を食べ、お風呂(宿の水不足でお風呂に入れず、30分林道を車で下りたところで)に入り、早めにお布団に潜り、疲労回復に励んだのでした。オットはビールを美味しそうに飲み、ご飯もしっかり食べ、時間が経つにつれて元気を回復していた。終始私が労りまくるという、いつもとは立場が逆転していて、それはなかなか新鮮なものだった。

 翌日はリフトを使って往復4時間くらいの月山に行こうとしていたのだけど、もうお腹いっぱいって事で観光することにした。臨機応変・身の程を知る・夫婦漫才(いや違う)が大事。

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