HSP・・・ф(。。)
5年程前、仕事上の対人関係が自分史上最悪だった頃、相手を責めつつも、うまくやれない自分否定が止まらず、ネット上で答えを探し続けた時期がある。そんな時に目に留まったのがHSPだった。何十もあるチェックリストは9割方当てはまった。子どものころから頭の片隅にあった「人と違う違和感」はこれか、と答えを一つ見つけた安心の後に「気質であり病気ではない、治るとかそういうものではない」という一文に、治らないのか・・・と至極残念だったのを覚えている。
ただ、自分は対人に関して内向的であるものの、時折スイッチが入ったように能動的になることがある。音、自然、美しいもの、創造的なもの。一見バラバラなのだが、心を奪われると自分でもスイッチが入ったことに気付くくらい普段との振れ幅が大きい。後に「HSS型HSP」というカテゴリーを知るまで、HSPと自分の矛盾に戸惑うのだが、純粋に対象に魅せられているだけなのに、そこに「人」が入ってくると状況は一変する。
その「人」が自分の世界をよりよくしようと言ってくれた言葉を、邪魔が入ったと、時に攻撃を受けたと認識する。これが、対人関係において最も高いハードルになっている。よりクオリティの高い仕事をしようとすればするほど「人」を遠ざける。頼ることも助けを受け入れることも極端に苦手であり、年を重ねて後輩ができた時、指示を出すことがこの上なく苦痛だった。自分でやった方が楽だし思い通りのものができる。後輩に任せた結果とんでもないものが返ってくることも少なくない。それを見ていちいち傷つくのだが、傷を何度も受ければ次第に怒りに代わる。ただ、見た目の怒りと反して、心は憔悴していく。必要以上の人との絡みだからだと思う。そして、後輩は「怒らせた」「なぜ認めてくれない」と不満をもつようになるのだろう。当然うまくやれるはずがなくて、自分が面倒くさい。うまくやれるようになりたくてたくさん情報を集めたし、本も読んだ。でも、やっぱり、自分をうまく転がしてくれる、自由にさせてくれる人の下で働きたい。自分は人を動かしたいわけではなくて、仕事がしたいだけ。ほんとにそれだけ(笑)
ここまで「わがまま」だと、職場では理解者にほとんど出会わない(笑)とはいえ、転勤するたびに何人か、互いを理解できる(自分が相手を理解し、自分を理解してもらっていると勝手に思っている)友ができる。しかし、なぜか全員非HSP。何人かはHSSだ。私が感じていることを話しても「はぁ?」「えぇ⁉」と驚かれることが多い。けれど、友に共通することは、言葉を濁さないこと。ちゃんと各々の気持ちを伝えてくれること。言いたいことや意見を伝えず「いいですいいです」「そうなんですね」と相槌しか打たない人はとても苦手だ。気持ちが見えないから。見えない・分からないが、自分にとっては大きな敵だ。不安になるから。
今の環境はグレー、一番苦手な色合い。自分の風味も加味されているので、居心地がわるいというよりは、ばつが悪い。だから、ちょっと環境を変えてみようと思った。来年度から新しく踏み出せるように、準備を始めている。自分も相手も存在していい、と学びつつ、自分の好きな場所へ動いてみようと思った。感覚が研ぎ澄まされる場所へ。封じ込まれた感覚を解放できる場所へ。空が好きなのは、そういうことなのかなと思う。