スラムダンクの映画を見た話

戯れに映画スラダンをレンタルしてきた。
ドンピシャ世代だし評判がすごく良かったので公開中に観に行きたかったが行かなかったということはそこまでの情熱がなかったということでレンタルで見るのが妥当だったのだろう。

で、見た結果すごく良かった。
もうホント良かった。

漫画を全巻読んだので山王戦については知っていたはずなのにそれでも見入ってしまったし実際の試合を見ているくらいのテンションで見てしまった。
もうとにかく構図がいい。作者の井上雄彦氏が監督をしただけのことがある。見たい場面が見たい構図でちゃんと見られる。試合の臨場感とスピード感と緊迫感がここまでアニメで表現できるのはすごい。

宮城リョータを主人公にしてドラマを載せたのもちょうどいいチョイスだと思う。
あとリョータは時間が経つにつれてセットされた前髪が落ちてくるのが時間や運動量や汗など色々思わせて良かった。他のキャラではできない芸当だ。他のメンバーは髪のセットなどしてないから。
リョータのドラマパートに関しては、個人的にああいう母親には絶対にならないようにしよう、と思っていた要素全部盛りだったので見ていて辛かった。
しかしああいう弱さを出せるだけ人を無邪気に愛せるのは羨ましい。私は愛情のかけ方も考えてしまうから。

ラスト、リョータがお母さんにソータのリストバンドを渡した時の気持ち、リョータも、お母さんも、どうだったのかな、と思った。私がリョータなら渡さないし、私がお母さんだったらすぐに返してしまうと思うから私には両者の気持ちがまだ分からない。
なんであれあの妹が余計な気を使わずにスクスク育つ家族であってほしい。

あとこれすごく絶妙だと思ったのが流川がすごくきちんとバッチバチにカッコいい役割で表現されている。とにかくアップが多い。そしてそのアップがとにかく美しい。
元々カッコいいキャラではあったけどアニメにしてここまでカッコいいに振り切って描かれてるのは潔いなと思った。

ミッチー、花道、赤木はプレイヤーとしての役割が強めに書かれていた。この三人は原作の方で掘り下げられているからちょうどいい触り方だったのでは。ナイス采配。

そして小暮公延、そう、メガネ君である。

何を隠そう私は小暮くんが好きだ。連載当時ガチ恋レベルで好きだった。オタグッズで名札を持っている。ガチャガチャで小暮くんのマスコットが欲しかったのに4回連続で桜木軍団が出て殺意を覚えたこともある。好きだ。ハムレットのレアティーズくらい好きだ。絶対誰にも伝わらない喩えだということは百も承知で今これを綴っている。

小暮くんの内に秘めた勝利への冷静な欲望が好きだ。地に足のついた赤木の女房役。そこが存分に出ててもう最高だった。練習の時に着ている変なTシャツもいい。後輩になって卒業式に告白したい。

相手方の描き方も良かったと思う。
やはりジャンプ漫画は敵が魅力的であればあるほどストーリーがカッコよくなる。

題材がどうであれやはりバトルなのだ、ジャンプ漫画は全て。きっとあのマサルさんですらも、たぶん。



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