見出し画像

2_2「生物から見た世界」

ユクスキュル, クリサート/ 日高 敏隆, 羽田 節子訳 / 岩波書店 / 2005

コロナウイルスの脅威に晒される昨今。人間活動が大きく制限されることで、世界中で空気や水が美しさを取り戻しているとも聞く。誰かにとっての世界の姿形は、他者にとっては全く違うものとして存在している。「生物から見た世界」でユクスキュルは、「環世界」という概念を用いて、生物の種の数だけ異なる世界が存在することを示した。私たちはこの本を通じて、他者が知覚している世界と、それに応答する行動に思いをはせることがきる。人類にとって未曾有の時代だからこそ、地球上に暮らす他者への理解を深めることもできるはずだ。

---------------------
推薦者:藤野高志氏(生物建築舎 代表)
2000 年東北大学大学院博士前期課程修了。清水建設、はりゅ うウッドスタジオを経て、2006 年生物建築舎設立。東北大、 前橋工科大、武蔵野大、東洋大で非常勤講師。2013 年「天 神山のアトリエ」で日本建築学会作品選集新人賞。2017 年「鹿 手袋の保育園」で SD レビュー朝倉賞。2017 年はローマ MAXXI、ロンドンバービカンセンター、ポンピドゥーセン ターメス、シチリア島 Farm Cultural Park などで作品展示。 国内外での展覧会、芸術祭、講演、絵本、動画制作など、 建築に軸足を置きながら多岐にわたる活動を行う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?