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3_3『ティンカークリークのほとりで』

アニー・ディラード (著), 金坂 留美子 (翻訳), くぼた のぞみ (翻訳) / めるくまーる / 1991年

勤めていた設計事務所を辞めてこれから独立しようとしている時、持て余した時間をつかって読んだ。
この本は著者が都会を離れ小川のほとりに住みながら、 延々と自然を見つめ、その奥深い世界を描写した随筆なのだが、葉から落ちる水の滴りすら見逃さない著者の眼差しに、今僕たちが身を置く環境の中にも微小な変化や、複雑なディテール、多様な世界があることに気づかされた。
目に見えない脅威、溢れる情報、複雑になりすぎた人間関係に気持ちが落ちつかない今こそ、改めて見落としてきた日々の差異、細やかな自然のルールを自分の目で見つめなおす時ではないかと思う。

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推薦者:藤木俊大(PEAKSTUDIO
1983年 福岡県生まれ
2008年 東北大学大学院工学研究科都市建築学専攻修了
2008-2013年 山本理顕設計工場勤務
2014年 PEAKSTUDIO設立(2015年法人化)
代表作に「南三陸町役場庁舎」(日本建築学会作品選集新人賞ほか)

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