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イタリアのかかと、レッチェにて「ルスティコ(Rustico)」:ローカルなB級ストリートフードを巡る小話

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イタリアのかかと、レッチェに行きました。

バーリから電車で2時間。

南イタリアの電車はまぁ当てにならないので、時刻表も見ないで家を出ました。すっかりイタリア人化してきましたね。笑

(先日、ターラントに行く際に、きっちり5分前からバスを待っていたら、飛んだとばっちりを受けたので、学んだ次第です。笑)

幸い、バーリーレッチェ間の電車は1時間に2本あったので、良い感じの電車に乗り、モノポリを過ぎ、オストゥーニを過ぎ、うとうとしていたらレッチェに!

Zia(イタリア語で’おばさん’)と呼ぶ友人にギュッとハグで出迎えられました。Ciao bella benvenuta。

レッチェの旧市街

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レッチェの旧市街は、16世紀~18世紀にかけて建てられたバロック建築で埋め尽くされています。上の写真のドォーモも17世紀の荘厳な彫刻で飾られています。よく見ると模様が1つ1つ違うから驚きです。

ちなみに、レッチェの石は「レッチェ石(Pietra leccese)」と言われる石灰岩の名産。乳白色で柔らかいので、繊細で複雑な彫刻にピッタリ。イタリアの石の話は、またどこかで。

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古代ローマ時代の円形闘技場も。掘ったら出てくるけど、ゆっくり掘り出している、とのこと(現在25%)。さすが笑

レッチェのストリートフード「ルスティコ(Rustico)」

さて、今回は、食べ物の話です。

レッチェのストリートフード「ルスティコ(Rustico)」を紹介します。

と同時に、ちょっと料理家としてのマニアックな小話をします。

Rusticoとは、’田舎の、素朴な’という意味。名前は「クッチーナ・ポーヴェラ(庶民料理)」。

どんな料理かというと、パイ生地に、中にはペシャメル、トマト、モッツァレラが詰まっています。

明らかに’田舎の、素朴な’ではないですよね。

パイ生地は、王宮=フレンチの流れ、ペシャメルもフレンチです。「クッチーナ・リッカ(貴族料理)」の匂いがします。

でも、トマト、モッツァレラが入っている。

これがレッチェで生まれたなんて不思議な組み合わせ。

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レッチェ出身のZiaにこの料理の生い立ちを聞いたら、良い質問だからカメリエーレに聞こうと。

Ziaがカメリエーレを呼んで「この子が質問があるみたいなの」というと、

他のカメリエーレも集まってきて、私たちのテーブルにみんなの視線が集中。

私「この食べ物はいつ、どうやって生まれたの?」

(2秒の沈黙)

カメリエーレ「昨日生地を仕込んで、今日オーブンに入れたよ」

全員「爆笑」

どうやらカメリエーレも出自は分からないらしい。笑


我々の調べによると、もともと7世紀にレッチェの農民に食べられていた料理がもとになり、フランス王家、ナポリ王国、スペイン王国の影響を受けて18世紀に今の料理になったとのこと。

様々な支配の歴史が重なり合う、レッチェの歴史を反映してますね。


味は、、、とーっても美味しい❢

サクサクのパイに、熱々のペシャメルとモッツァレラが伸びて、トマトの酸味がアクセント。美味しくないわけがない!笑

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ストリートフードですが、散々歩いたので、テラス席に座り、レッチェの地元のロザートと共に楽しみました。

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レッチェの夜

レッチェは、夜が美しい。

Basilica di Santa Croce

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真夜中の12時。月が綺麗ですね。

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Chiesa di San Matteo

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プーリアはやはり、どこまでも魅惑的です。

レッチェの「Rustico」は、その片鱗を見せてくれました。

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