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シャルの短編小説集

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オリジナルの短編小説をまとめています。 すべてひとつの記事で完結しており、それぞれのお話に繋がりはありません。 どこから読んでも楽しめますので、ぜひ気になったものを読んでみてくだ… もっと読む
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『夏の終わり、ちいさな木の記憶』

「夏らしくない夏が好きなんだ」  彼女はそう言った。  白く高い雲が映える、澄み切った青空のもと。  端が見えないほど広く、なだらかな平原の真ん中に、ちいさな木がひとつ。  その木陰に、ひとりの人間と、ひとりの妖精。  木の根元に座り込んで、休憩しているところだった。 「私はさ、暑苦しいのが嫌で嫌で。それに比べて、夏が終わろうとしてるこの時期の、大きな青空とちょっと涼しい風はたまんないよね」  暑いとか寒いとか、わたしにはよくわからない。だから、ご主人さまの気持ちも