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間違った保険の見直し

はじめに


 「得する保険」はありませんが、「損する保険」はあります。
 保険料のムダを削る、足りない保障をつけ足す、新しい保険に入り直す…最適なカタチにするため、保険の見直しは大切です。
 しかし、やり方を間違えると、改善どころか大損につながりかねません。
 気をつけるべきポイントをしっかりおさえておきましょう。

保険は不幸なことから立ち直る手段

 数々の保険商品が出回っていますが、この世に「得する保険」はありません。
 保険本来の役割とは、「滅多に起こらないけれど、もしそれが起きたときは経済的損失が大きいものへの備え」です。
 端的にいって保険はお金ですから、経済的な立ち直りにはとても役立ちます。「お金がもらえるならやっぱり得だ!」と思った方、それはまったくの間違いです。
 保険金や給付金を受け取ったということは、死亡や病気、介護など何らかのトラブルに見舞われたことを意味します。
 そう、不幸なできごとが起きないと、保険からお金は出ないのです。
 これで得したとは言えません。
 わかりやすく伝えるため、つい「お得な保険」などと表現してしまいますが、正しくは「良い保険」となります。
 「良い保険」と「悪い保険」はたしかに存在します。
 「良い保険」とは、「コストパフォーマンスがいい」「もしものときに保障がしっかりしている」「受け取るときの条件がいい」など、総合的な観点から判断しています。
 逆に、「保障の割に保険料が高すぎる」「必要な保障が入っていない、または足りない」「給付を受ける際の条件が悪い」といった要素は減点ポイントであり、要するに顧客の方を向いていない設計になっているわけです。
 こういう商品は、「悪い保険」だと言えるでしょう。

「損をする入り方」していませんか?

 契約者の側にも、気をつけて欲しい点があります。
 商品自体はよくても、「損をする入り方」をしている場合もあるからです。
 必要のない保障をつけていたり、見直しをせずにずっと同じ保険に入っていたりする人は、ムダな保険料を払っているかもしれません。
 誰に相談するかで、どんな保険に入るかも変わってきます。
 同じような保障だとしても、保険料に大きな差が出ることだってありうるのです。
 月に1000円程度の違いなら、さほど気にはならないでしょう。
 でも、保険は20年・30年と続きますから、24万~36万円の差が出ます。
 保険料の総額で考えると、ときには数百万円の差がつくことも…。
 どこから情報を得るか、誰に相談するかなどは、「良い保険」に出会えるかどうかのカギになります。
 また、保険の契約の仕方によって、損につながることもあります。

失敗したと思った時には手遅れ!

 職業や家族構成に変化があったり、保険への加入から一定の期間がたつと、保険の見直しは必須。年齢が上がると、必要保障額や状況が変化しているからです。
 あるいは、よい保障の商品がより安く発売されることや、長寿化に伴って、生命保険の保険料が引き下げられた可能性もあります。
 ただし、保険を見直すときに気をつけないと、思わぬ「落とし穴」にはまってしまう場合もあるのです。

◎落とし穴その①:空白期間を作らない

 新しい保険を申込んだあとすぐに、今の保険を解約した場合、新しい保険の保障が始まるまでに空白期間が生じる可能性があります。
 新しい保険に加入したときは、古い保険と両方の保険料を支払うと空白期間が発生しません。
 二重に保険料を払うのが「もったいない」と思う人は、古い保険の保険料の引き落としを銀行で止めてください。
 猶予期間があるため、保障を翌月末まで引き延ばすことができます。新しい保障がスタートしたら、古いほうを解約しましょう。
 クレジットカード払いの人は、この裏技を使うことはできません。

落とし穴その①空白期間を作らない

◎落とし穴その②:がん保険の待ち期間

 がん保険の場合、新しい保険に加入したあと、3ヵ月間は保障がないばかりか、この間にがんと診断されたら、保険は無効になります。
 がん検診の直前ではなく、余裕を持って加入しましょう。
 がん保険において二重に保険料を払う期間は3ヵ月以上になります。
 「保険料がもったいない」と思いがちですが、ここは保険料を二重に払うと覚悟を決めてください。

落とし穴その②がん保険の待ち期間

◎落とし穴その③:転換は損をする

 転換とは、大手保険会社の商品に加入中に同じ保険会社の別の商品に乗り換えることをいいます。
 必ず、新しい保険の保険料のほうが割高なので損につながります。

落とし穴その③転換は損をする

◎落とし穴その④:お宝保険とは?

 「転換で必ず損をする」のは、予定利率が低くなるからです。
 予定利率は保険料を割り引いてくれる率をいいます。
 予定利率の高い保険は、割引率が高い保険です。
 私たちにとっては、保険料が安くなります。
 予定利率の高い保険を「お宝保険」と呼んでいます。
 うっかり手放さないように。

落とし穴その④お宝保険とは?


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