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低所得者・年金生活世帯向けに秋にも追加給付金か?住民税非課税世帯「10万円給付」年収要件や申請締め切り日は?

お買い物の時に「いつも買っていたものが手の届かない価格になっている…」「電気代やガス代は上がっていくから年金だけでは生活が苦しくなっている」

物価高騰は日々の暮らしに直接影響し、特に経済的余裕がない人たちにとっては大きな負担となっているでしょう。

そんな中、政府は新たに2024年度に住民税非課税世帯に対する10万円給付が進めています。
※2023年度に給付金を受け取った人(対象となったが辞退した人・未申請の人も含む)は対象外。

一見、生活の手助けとなりそうなものですが、果たして効果的と言えるのでしょうか。
ないよりはあったほうがいいのはもちろんですが、焼け石に水といった意見もあります。

では、この住民税非課税世帯への給付はどういった方が受け取れるのでしょうか。

住民税非課税世帯等「10万円給付」対象は?
申請期限も
2024年度に新たに住民税非課税世帯に該当した方々に、10万円の給付が行われています。
ただし、2023年度に同様の給付を受けた方は今回対象外です。

世帯全員の2024年度住民税均等割が非課税である世帯

世帯全員が2024年度住民税均等割のみ課税者である世帯

2024年度住民税均等割のみ課税者と住民税均等割非課税者で構成される世帯


特に、公金受取口座を登録済みの方は、既に支給が始まっている場合もありますが、まだの方は8月以降に順次進められます。

例えば東京都杉並区の場合、以下のとおり案内しています。

令和6年7月25日(木曜日)から順次、世帯主宛に「支給のお知らせ」を送付し、8月中旬以降、公金受取口座(令和6年7月1日時点で登録済のもの)へ振り込みます。
申請手続きは不要ですが、支給要件及び振込先口座を必ずご確認ください。

なお、次のいずれかに該当する場合は令和6年8月2日(金曜日)(消印有効)までに書類の提出をお願いします。

給付金の支給要件を満たさない場合、受給を辞退する場合または既に他自治体で令和6年度新たな住民税非課税世帯等を対象とした給付金(10万円)を受給している場合は、「辞退届」の提出をお願いします。

振込先口座を変更する場合は、「口座変更届」の提出をお願いします。

引用:杉並区「令和6年度新たな住民税非課税世帯等に対する物価高騰対策支援給付金(10万円)の支給(6年7月23日更新)」

杉並区の場合、期限は10月31日としています。

他の自治体でも締め切りが9月~10月に設定されていることが多いので、お住まいの地域の情報を必ず確認しましょう。

では「住民税非課税世帯」って具体的にどんな条件で該当するのか見ていきましょう。

「住民税非課税世帯」の所得目安は?
東京23区の例
前年の所得が一定以下の場合、住民税非課税世帯に該当します。

住民税非課税世帯になる条件は自治体によって変わります。
東京23区内の条件を参考までに見てみましょう。

東京都23区内で「住民税非課税世帯」に該当する条件(所得等)
(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方

同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下

同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下

世帯全員の住民税が非課税のとき、その世帯は「住民税非課税世帯」となり、給付や助成の対象となりえます。

「同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合」の目安所得は45万円以下ですが、「所得」は「年収」と異なるため、目安となる収入換算もここからチェックしていきます。

「住民税非課税世帯」年収目安を確認

住民税非課税世帯の具体的な年収条件を見てみましょう。

住民税非課税世帯に該当する年収(港区のケース)
東京都港区では、住民税非課税世帯に該当する年収として以下の通り提示しています。

港区における住民税非課税世帯の年収条件。
次の写真では「年代別の住民税非課税世帯の割合」を一覧表で比較

出所:港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」

アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下


不動産収入等所得がある人は、収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下(令和2年度まで35万円以下)、住民税が非課税になる年収の目安は、給与収入だと約100万円。年金収入の場合は、65歳以上なら約155万円、65歳未満だと約105万円です。

年金生活のほうが非課税になりやすいことがわかります。

参考までに、次章では年代別の住民税非課税世帯の割合も確認していきます。


年代別に見る住民税非課税世帯の割合

続いて、実際に何歳くらいから非課税世帯が増えてくるのか、見てみましょう。

2023年7月5日に厚生労働省が公表した「令和5年国民生活基礎調査」によると、高齢になるほど非課税世帯の割合が高いことがわかります。

住民税非課税世帯の年代別割合

出所:厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成

30歳代:12.0%
40歳代:10.0%
50歳代:13.6%
60歳代:21.7%
70歳代:35.9%
80歳代:52.5%


65歳以上(再掲):38.1%
75歳以上(再掲):49.1%


住民税非課税世帯は高齢者が多い実態がわかります。

年金生活に入ると現役時代より収入が減るうえに、住民税非課税の基準である「所得45万円」を年収換算すると、給与収入よりも年金収入の方が基準をクリアしやすいんです。

さらに、遺族年金が非課税になることも一因でしょう。

つまり、高齢者になるほど住民税がかからなくなる人が増えてくるわけです。

年金世・低所得者世帯への追加給付金、秋ごろに実施か?

記者会見において、岸田総理は「物価高の中で食費の高騰などに苦しんでおられる年金(生活)世帯や低所得者世帯を対象として、追加の給付金で支援することを検討いたします。」と明言しました。

支援の実施は秋ごろを予定しているので、これからの発表に注目ですね。

さらに、8月から10月にかけて、電気やガス料金の補助として「酷暑乗り切り緊急支援」も行われる予定です。以下の支援も進められています。

学校給食費等の保護者負担の軽減

飼料高騰などの影響を受ける酪農経営などの農林水産業、中小企業、医療・介護、保育、学校施設、公衆浴場、地域公共交通、物流、地域観光業等に対する物価高騰への幅広い支援

よく話題になる「住民税非課税世帯への給付金」ですが、「非課税世帯がうらやましい」と思う人もいるかもしれません。
でも、実際には給付があるからといって生活がずっと楽になるわけではありません。


老後の備えは何が必要なのか?
今回は住民税非課税世帯にフォーカスしてみましたが、老後に向けての備えは住民税非課税世帯に限らず必要と言えるでしょう。

物価上昇や医療費問題など、将来の生活費が高くなることは共通のリスクと言えます。

老後資金の準備として、まずは収入と支出の見直しをしましょう。
固定費の見直しや支出の削減などできることから始めてみると、案外見落としている気づきもあるかもしれません。

次に、国や会社の制度の有効活用をすることです。

国民年金や企業年金の繰り下げ受給で受取額を大きくすることやiDeCoやNISAといった制度の優遇がある資産運用も検討してみるといいでしょう。
貯金だけでは間に合わない部分を補填できるかもしれません。

しかし、資産運用にはリスクも伴います。ご自身のリスク許容度に合わせて資産運用を選択することが必要です。

ただ漠然と始めるのではなく、知ることから始めてみるのもいいでしょう。

住民税非課税世帯には、高齢者が多いことがよくわかりました。

仕事を引退して年金生活に入ると、収入がガクッと減る人が多いでしょう。

現役のうちにしっかり準備しておかないと、老後に「こんなはずじゃなかった…」なんてことになりかねません。

そして、最近の物価高騰で、これからますます高齢者の生活が厳しくなるかもしれません。

ただ、老後の生活設計は本当に人それぞれ。

年金の受取額も違えば、住んでいる場所や生活スタイルだって違いますよね。

だからこそ、早めに自分のライフスタイルや目標に合わせた準備を始めることが大事です。

「老後生活が始まってから考えればいいや」と思っていると、手遅れになるかもしれません。

少しでも早く、できることから始めてみましょう。

低所得者・年金生活世帯向けに秋にも追加給付金か?住民税非課税世帯「10万円給付」年収要件や申請締め切り日について、解説をしました。

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