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クレーマーが必ず口にする言葉とその対処法。

はじめに

 私は、サラリーマン時代の経験から個人事業の方で今も企業調査業とビジネス交渉の立会い業をしている経験からここでは、皆さんにもクレーマー対策法を紹介したいと思います。
 「なぜクレームにここまでエネルギーを使えるのだろう?」「よくこんなに怒れるな」「もしかして、この人にとってはクレームを言うことがレジャーなのだろうか?」思わずそんな風に思ってしまう人に遭遇した経験はありませんか。
 そんなに怒る必要があるのだろうかという場面で、熱量をあげてしまう人は冷静に見れば滑稽です。
 しかし、勢いがあるため、雰囲気にのまれて混乱してしまう人もいます。
 冷静に対処するためにも「ちょっと滑稽だな」という視点で相手を観察するようにしてみてください。
 大声を出されてパニックにならないよう、どんなことを言われやすいのか、どのように対処すればいいのか、典型的な例を事前に確認しておきましょう。

クレーマーの口癖(1)「動かないんだけど」

 電化製品などの場合、電源や電池の入れ忘れに気づかず、不良品扱いで怒ってくるケースがあります。
 このような場合には、いかに丁寧にミスに気づいてもらうかがポイントとなります。
 強く出てしまって、引っ込みがつかない相手が、一歩下がりやすいように畳みかけましょう。
 スムーズに矛を収めてもらえるよう話しましょう。

「動かないんだけど」への対応例
 「おまえのとこは平気で不良品を売るのか! わざわざ買いに行ったのに、動かないとはどういうことやねん!!  どんな商売をしてんねん‼  こっちは金だけじゃなくて、時間も使ってるんや!!」
「不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。 動かないなんて、とんでもないことですね。……あの……もしかして……電源は入っていますか」 
 「あっ、動いたけど……」
「動かし方がわかりにくくて申し訳ありません。 動いたとのことで、本当に良かったです」
 「電源を入れていますか?」だと、ミスを非難されたように感じる人もいるので「入っていますか?」というフレーズを使うのがポイントです。
 「もしかして」を枕詞に使うことで、電源の入れ忘れでなかった場合にも「そうですよねぇ」と次の可能性に言及することができます。

クレーマーの口癖(2)「責任者を出せ」

 「おまえじゃ話にならへんねん‼ 責任者を出せ‼」というのも、クレーマーが要求しがちな言葉ですね。
 わざわざ責任者に連絡する訳にはいかないという気持ちから、自分で何とか対応しようとすると疲弊してしまいます。
 悪質なクレームの場合、人や場所を変えるというのは一般的な対処法です。
 現実的に責任者が不在のこともありますし、わざわざ依頼できないことが多いと思います。
 とりあえず、自分よりも少し上の人に代わってもらうようにすると良いでしょう。
 「下っ端と話してもらちが明かない」という、謎の上から目線の人の場合、それだけで満足度が上がるケースもあるのです。

「責任者を出せ」への対応例
 「こんなことをして、無料(タダ)にならんのかい! おまえじゃ、話にならへんねん!  店長、いや、このショッピングモールの責任者を出せ!!」
「意に沿えず、不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。 お怒りはごもっともですよね。 え----------それでは、上の者に代わりますので、お待ちください」
 「責任者に」と言ってしまうと嘘になってしまうので「上の者に」というのがポイントです。
 スラッと担当者に繋ぐよりも、タメや間を使いながら、考えている表情、苦しんでいる様子を表現してあげてください。
 「自分の主張が通った」という満足度が上がります。
 この対処法なら、怒鳴られたり、大きな声を出されたりするとパニックになりやすい人も実行しやすいと思います。
 あえて間をとる戦略を覚えておきましょう。

クレーマーの口癖(3)「誠意を見せろ」

 金銭や過剰なサービスを要求するクレーマーもいますが、度が過ぎる要求を押し通せば警察対応事案にもなりかねません。
 「自分がされたことは大変なことだ」「それに対して〇〇するのはあたりまえ」という気持ちがあるのに、具体的に「〇〇しろ」とは言わず「誠意」という言葉を使う人は、どこか後ろめたさを感じている可能性があります。
 丁寧に対応しつつ、自分のやっていることが恐喝になりそうだと気づいてもらうように話してみましょう。

「誠意を見せろ」への対応例
 「すいませんじゃ、済まへんねん!  こっちはこんなに時間をとられているのに、タダで帰すんかい! 誠意を見せろよ!!」
「大変申し訳ありません。誠意を持って対応しているつもりなのですが……。 もしかすると、お客様の考える誠意とは少しズレているのかもしれません。 担当の者とも相談しなければならないかと思いますので、もう少し具体的に教えていただいてもよいでしょうか」
 「具体的に」と働きかけることで、恐喝じみた行為に気づいてもらえる効果が期待できます。
 名前を知っている場合には、会話に相手の名前を入れるようにすると、エスカレートするのを抑制できます。
 上の人が出る、代わりの申し出をするなど、「引っ込みがつかない」状況を打破する申し出は、思っているよりも少し遅めのタイミングにすると効果的です。

クレーマーの口癖(4)「対応が悪い」

 「きちんと謝罪して対応してくれれば、こんなに怒らないのに」と、初期対応が意に添わなかったことを理由に、横暴な怒りをぶつけることを正当化する人たちもいます。
 真摯な対応をすることはクレーム対応の基本ですが、エスパー並みに気持ちに寄り添うというのは難しいものです。
 こういう状態にある相手に「申し訳ございません」と謝っても、「わかっていない」「申し訳ないでごまかすな」などとヒートアップさせてしまうのです。
 言い分が理解されたと思ってもらうために、相手の言ったことを繰り返して使ってみてください。
 「規定」という言葉を使って、自分の主観による対応ではないと伝えるのもよい方法です。

「対応が悪い」への対応例
 「食べたんだから、商品がないのもあたりまえだろう!!  こんな店だとは知らずに使ったんだからレシートなんかとっておけへんやろ!  不良品なのに交換できないのは、おかしいやんけ!!  こっちはお前の対応が悪いから、こんなにイライラさせられてんのがわからんのかぁ!  血圧があがって病気にでもなったらお前に損害賠償するからなぁ!!」
「大変申し訳ありません。 不良品を持ってきていただかないと、交換できないという規定で不愉快な思いをさせてしまったようですね。 それどころか、こんなに不快な思いをさせてしまって……。 血圧まであがってしまうとは……」

 対処について上司に相談する必要がある場合でも、まずは不快にしてしまったことだけに絞って謝罪すると怒りが静まりやすくなるので、その後の対処がしやすくなります。

クレーマーの口癖(5)「普通はあり得ない」

 「自分はこんなにもあり得ないことをされた」「怒るのもあたりまえ」「かなり得をするような対応をされないと納得できない」といった気持ちの人が使いやすい言葉です。
 特に「あり得ない」→「経営が悪い」→「日本も終わりだ」など、どんどん話の抽象的な部分が上がっていく場合は自分がされたことを大げさに伝えたい状況だと思ってよいだろう。
 このような相手は、普通にあり得るミスも、奇跡を見たかのように主張してきます。
 話を聞くときには「えっ…そんな…」と驚く表情を交えながら聞きましょう。
 残念ながら世の中には、「なにか事情があったのかもしれない???」という想像力や、「この人も大変なのだろう…」といった共感力が極端に低い人もいます。
 上司やお客様には想像力や共感力を発揮できるのに、自分が消費者になると横柄になる人もいます。
 そんな人に主張が通じたとわかってもらうためには、少し大げさな共感が必要です。

「普通はあり得ない」への対応例
 「空箱が送られてくるなんて、ありえないだろう! どんな経営の仕方をしているんだよ!!  食材が届かないってのは、命にも関わることやろう!!」
「空箱だなんて……。 確かに、驚いてしまいますね。 私も空箱を送られたら、びっくりすると思います。 本当になんとお詫びしたらよいか……。 経営に疑問を抱かれるのも、もっともだと思います。 よりによって食材が届かないというのは、大変なご迷惑をおかけしたと思います。 私もそんなことがあったら困ると思いました」
 こちらが冷静な見方をしていると、さらに怒って重大性を主張されますので、早い段階で「相手の考える重要さ」に共感しているように振る舞ってみてください。
 「この人を攻撃しても仕方ないのかな」と思ってもらえると、解決に導きやすくなります。

最後に

 最近は、皆さんにストレスが溜まっているのですかね?
 以前にも増して限度を超えた酷いクレームが多くなっています。
 あえてその限度を超えた酷いクレームの内容をSNSで紹介するとそれを見たクレーマーが悪用する可能性もあるかもしれないので、あえて紹介を差し控えさせてもらいました。
 文句やクレームを言うことをゲームのようにしている人もいるのかもしれません。
 対応する人は少なからず、エネルギーを消費しますし、ストレスを抱えてしますので、必ず「切り替えの時間をとる」「気分がよくなることをする」など、自分の心のケアを忘れないようにしてください。
 店員、店長、クレーム対応担当者など、役割にふさわしい振る舞いをする「感情労働」は、燃え尽きなどの原因としても知られています。
 思っているよりダメージが蓄積するということを忘れずに、長く続けられるような仕組みを職場でも考える必要があるでしょう。
 どうしようもないクレームなどがあった場合は、ビジネスとしてご相談ください。



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