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自民党 党員と派閥とおカネ

 自民党総裁選が9月17日に告示されました。

 投開票は29日です。

 総裁選は国会議員のほか党員も投票します。

 党の組織や派閥、おカネをビジュアルに解剖します。

1.自民党員は全国に110万人超、党費は年4000円
Q. 自民党員にはどうやってなるのでしょうか。

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 18歳以上の日本国籍を持つ人なら一般党員になれます。

 党費は年4千円で、2020年末に113万6445人います。

 全人口の0.9%にあたります。

 総裁選で投票権を持つ党員は110万4336人です。

 過去最多だった1991年の546万人から約8割減りました。

 民主党政権だった2009年から11年は非公表で、12年は73万人まで落ち込みました。

 政権復帰後に少しずつ増やしています。

 総裁選は党費を2年間払った党員が投票権を得ますが、今回は特例で20年の1年間分だけしか払っていなくても投票できます。

2.派閥は7つ、総裁選で6派閥が支持候補絞れず
Q.国会議員はどれくらいいるのでしょうか。

 総裁選で動きが取り上げられる「派閥」とは何ですか。

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 自民党の国会議員は384人おり、衆院議員が275人、参院議員が109人です。

 総裁選の国会議員票は衆参両院議長を除くため382票になります。

 「派閥」は政治家が集う政策集団のことで、国会議員のうち8割以上が派閥に属しています。

 めざす政策が似ているもの同士で勉強するのが表向きの理由ですが、ポストや資金、情報を得やすくする狙いもあるでしょう。

 最も人数が多い細田派は96人おり、「○○派」と集団を率いるトップの人名が付くのは通称です。

 正式には例えば細田派は「清和政策研究会」という名称です。

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 いまは7つの派閥があります。

 そのうち6派閥が総裁選で支持候補を一本化できませんでした。

 誰が勝つか見通せない中で、強そうな1人の候補に支持が集まる展開にはなっていません。

 選挙の基盤が弱い若手議員にとっては派閥の意向に従うよりも、誰が「選挙の顔」であれば自分が当選できるかが重要です。

 派閥の中で支持は分かれて、若手に「派閥一任」を拒む動きが出ていました。

 1990年代からの政治改革で政党の執行部に公認権や資金が集まるようになり、派閥の団結力が弱ったことも背景にあります。

 総裁選に立候補した河野太郎氏は麻生派、岸田文雄氏は岸田派に属します。

 高市早苗氏と野田聖子氏は派閥に入っていません。




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