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「ひとりで暮らす老後」に備える豆知識

無料サービスを使い倒す

 両親に兄弟姉妹、友達に同僚、そして生涯の伴侶に、かけがえのない子どもや孫たちなどがあります。

 自分の人生は果たして、悔いのない最後を迎えられるだろうかと考え利事があると言います。

 手塩にかけた子はいい大人になり、長年連れ添った妻、夫には先立たれているかもしれない…。

 心細くても人は誰もが、たったひとりで自らの幕引きに備える必要があります。

 とはいえ、何から準備を始めればいいのかと途方に暮れる人も多いことでしょう。

 跡を濁さぬように種々の手続きをこなすうえで、まずすべての礎となるのは健康な体ではないでしょうか。

 「長引くコロナ禍、最近の世界情勢不安で気持ちが塞ぎ、外に出るのも億劫になってしまった人が多いでしょう。

 そうした方は、近くの地域包括支援センターが提供する(1)フレイル予防教室を利用してみましょう。

 フレイルとは英語で「衰え」を意味し、最近食欲が落ちて体重が減った、疲れやすく歩く速度がゆっくりになった、という人は要注意です。

 フレイル予防教室では、理学療法士に生活のアドバイスを受けたり、正しいストレッチやトレーニングを教えてもらえます。

自治体が無料で提供している(2)口腔機能維持向上健康診査(名称は異同あり)も受診しましよう。

 口の健康が損なわれると、その悪影響は全身に及ぶから、早めに対策することをお勧めします。

 前より身支度に時間がかかる、膝や腰が痛くて家の中でもしんどい。

 すでにそうした自覚がある人は、迷わず、ご自身で(4)要支援認定を申請してみる手があります

「要介護」認定を受けないと介護保険サービスは受けられないのでは、という思い込みは、大きな間違いです。

要支援認定を受ければ、自宅での入浴介護や生活介護、また施設に出向いてのデイケアやショートステイと、要介護者と遜色ないサービスを2割負担で受けられる

 「地域包括支援センターに一度は相談に行き、要支援認定を受けると担当のケアマネジャーが付きますが、ケアマネにも介護職系の人、病院での勤務経験がある人、看護師資格を持っている人などいろんな背景があるので、会って自分に合ったサービスや担当者を選ぶのが大切です。

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 ひとりになると掃除や洗濯、炊事も自力でこなさなければならないが、負担が重すぎて、身動きが取れなくなる人も後を絶たないのです。

 「セルフネグレクト(自己放任)」という状態で、ゴミ屋敷化や孤独死を招く根本原因です。

 大事なのは、全てを背負い込まないことです。

民間業者の(5)家事援助サービスは1時間あたり3000円程度からとなかなか高額だが、社会福祉協議会のサービスなら30分350円ほどで非常に安価でサービスを利用できます。。

 要介護認定を受けた人向けに布団・寝具のクリーニングやゴミの訪問収集サービスを無料で提供している自治体も多いあります。

 心のケアにも気を配りたい。毎日孤独に過ごしていると、気持ちを緩める機会も失ってしまうのです。

 「まずは『火曜日は近所の喫茶店でコーヒーを飲む』というふうに、日時を決めて外出の習慣を作る(10)大学のシニア向け講座を受講すれば気力や体力もつき、さらに脳も活性化となり、そのうえ友達も作れるかもしれません。

「子供に頼る」それがそもそもの間違い

 もしひとり暮らし(独居)でボケてしまったら、不安に苛まれている人もいるかもしれません。

 認知症になると預金口座が凍結され、引き出せなくなる危険がある。

信頼できる親類と銀行に出向いて(12)代理人カードを申請するのは最低限、必要な手続きです。

 それが済んだら、不安な事柄ごとに対策するのがいいでしょう。

通帳や印鑑、保険証券などの管理に自信がない人には、預けられる(19)書類管理サービスがあります。

 地域の社会福祉協議会に相談すれば、月々1000円前後から利用できます。

 意外な落とし穴が、病気で入院するときの身元保証人です。

 ひとり身で相談する人がいない、子どもになるべく心配をかけたくないという人は、(26)保証人NPOに代行してもらうこともできますが、多くの場合数十万円以上の費用がかかるので、まず役所やケアマネに相談してからの方が安心できます。

 ひとりになっても自宅に住み続けるには、屋根や壁の修繕、手すりの設置などリフォームが必要になる可能性は大でしょう。

 費用が嵩むのではないかと尻込みしているなら、(28)こどもみらい住宅支援事業の補助金をもらうことです。

 子育て世帯向けの制度だが、実はリフォームの場合は年齢制限がなく、誰でも45万円まで受け取れますが、事業に登録している業者に工事を頼まなければ適用されないので、依頼する際に必ず確認するべきです。

 この先も自動車の運転を続けられるのか、不安な人も多いと思いますが、地方でのひとり暮らしでは運転をやめる訳にもいかないと思います。

 衝突警報機能や自動ブレーキがついた「サポカー」に買い替えるには、まとまったお金が必要になります。

 実は、今乗っている車に(32)踏み間違い防止装置や自動ブレーキを取り付けることもできます

 費用も前者が4万円ほど、後者は15万円ほどだから、クルマごと買い替えるより経済的です。

 自動車販売店ではなく、大手カー用品店や自動車整備工場に相談しましよう。

 ひとりで相続の準備をするのは怖いという人も、最低限、この2つだけは手続きをしましょう。

自宅の(36)固定資産税評価額を確認し、(34)遺言書を用意することです。

 預貯金などの資産と自宅不動産の評価額が、「3000万円+600万円×法定相続人の数」を下回れば、相続税は課されない。

 たとえば子供が2人なら、4200万円がボーダーライン。あれこれ悩む前に、これに引っかかるかどうかをまず確認しないと始まらない。

 そのうえで、遺言書を書くときには(35)付言事項をよく考えてみる

 遺産分割の内容とは別に、「なぜそう分けるのか」を説明をする。

 相続させる割合に差をつける場合や、子どもと疎遠な場合、ここで素直な気持ちを伝えましょう。

 自分は周りに迷惑をかけず、美しく去ることができただろうか。

 それを死後、知る術はないので、だからこそ、葬儀は事前の準備が全てになってきます。

 「簡素に済ませて欲しい」と家族と口約束を交わしても、その結局守ってもらえないかもしれない。

 近年では(41)葬儀の事前見積もりをとるだけでなく、(44)前金を払って葬儀を事前予約するのも普通になっています。

 家族に任せる場合も、不本意な葬儀にならないように(42)呼ぶべき人の一覧表と(43)遺影に使う写真だけでも自分で用意しておきたい

 誰しもチューブだらけ、薬漬けで逝きたくはないでしょう。

人生の幕引きにあたって台本となる(48)事前指示書を作り、ひとりの手続きを締めくくり、最後の日々を自宅で過ごしたいまたは、終末期を迎えたとき、人工呼吸器や胃ろうを使った延命を受けたいかなどチェックマークをつけたら、親類に託すか、かかりつけ医にコピーを渡すことが、笑顔で旅立つ準備は万全だと思われる方が、増えている様です。

 愛するペットも忘れてはいけないのは、犬や猫の預かりサービスを行う(46)老犬・老猫ホームと契約すれば、自分の死後に信頼できる飼い主へ託す「ペット信託」が利用できます

 難しく考える必要はなく、誰にも相談できなかった素朴な疑問や不安にも、必ず解決策はあり、そしてひとつひとつ準備を進めれば、安心はその分だけ確実に手に入ります。



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