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生活保護引き下げ訴訟で原告敗訴、京都地裁判決

 国が生活保護費を2013~15年に引き下げたのは生存権を保障した憲法に違反しているなどとして、京都府内の受給者約40人が国と自治体に減額処分の取り消しなどを求めた訴訟の判決で、京都地裁は14日、原告の請求を退けた。

 原告弁護団によると、同種訴訟は全国29カ所で起こされており、京都地裁判決は5件目。

 これまでの4件のうち、21年2月の大阪地裁判決は減額決定を違法と判断し、処分を取り消した。

 これに対し、3地裁は原告の請求を退けており、司法判断が割れている。

 国は13~15年に生活保護費のうち食費や光熱費に充てる「生活扶助費」について物価の下落などを反映させる形で平均6.5%、最大10%引き下げた。

 引き下げ総額は約670億円に上る。訴訟の最大の争点は、生活保護基準の改定に関する厚生労働相の判断において裁量権の逸脱があったかどうかだった。

 原告側は生活保護費の引き下げは裁量権を逸脱し、憲法25条に定める「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利が侵害された」とも主張。

 これに対し、国側は裁量権の範囲内などと反論していた。

 そこで、生活保護についての憲法25条の考えは、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するため、生活保護法で規定された公的扶助制度である。

 食費・光熱費などの「生活扶助」や医療費を全額公費負担とする「医療扶助」、アパートの家賃などの「住宅扶助」などがある。という考えである。

 国は一般的な国民の消費水準を踏まえて受給額を定期的に見直している。という国側は裁量権の範囲内などと反論したということになるが、これからそういった話しが増えてきそうだ。

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