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写真やイラストを使ってくださった記事

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noteの海に放った写真やイラストたち。それぞれ新たな記事となってまた出会えた嬉しさを集めたマガジンです。使ってくださった皆様に、感謝を込めて。
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2022年1月の記事一覧

果てのうるまのしらはま荘#6ヒージャーの瞳は横長に光る

明日中に東京に帰らなければならなかったので京子さんは同窓会の二次会には参加せず帰り際、貴博くんとだけ携帯番号とメールアドレスを交換した。 今度の金曜食事をしませんか? と貴博くんからメールが来たのは一週間後の1月10日。人生初の異性からの食事のお誘いに京子さんは浮き足立ち、デパートの婦人服売り場で大人のデート向けの服をコーディネートしてもらい、行きつけの美容室で大人女子のディナーでモテる髪型にしてもらい、メイクもお願いした。 貴博くん行きつけだとい老舗のロシア料理のボル

湯けむり夢子はお湯の中  #1 瞑想館 【お話】

 オリオン座がくっきり浮かぶ夜空。水面に揺らめく灯籠の灯り。風に煽られ、走るように目の前を横切る湯けむり。 ♨️  こんばんは、湯川夢子39歳。温泉ではタオルを頭に載せる派です。  今宵は、日帰り温泉『瞑想館』さんにお邪魔しています。  泉質はざっくりとアルカリ性。関節症、筋肉痛、打ち身、リウマチ、冷え性、痔、自律神経失調症、不眠症などに良い…のだと効能書きにあります。  先ほどまで、3階にある岩盤浴にて瞑想めいたポーズをとっていたのですが、一向にモヤモヤが解消しませ

ひとり暮らしが恋しくて

恋人と同棲を始めてから、3年が経った。 もう3年も経つのかぁと思う反面、まだ3年しか一緒に暮らしてなかったっけ?とも思う。それくらい恋人との生活は、新鮮さを保ちながらもしっくりと私に馴染んでいる。 けれど、人というのは矛盾を抱えた生き物。 ふたり暮らしが定着すればするほど、ひとり暮らしの感覚が恋しくなる。ふたり暮らしが当たり前になったからこそ、非日常化したひとり暮らしに憧れてしまうのかなぁ。私の恋人の性格も起因している気がする。あの人は家が好きで、仕事の後もどこにも寄らずに