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知識のない人が産地でオリジナルのアイテムを作ろうと思ったらまずぶつかる壁の越え方

みなさん「毛七(けしち)」ってご存知ですか?
これで「知ってる!」ってなった方は…繊維関係でお勤めの方でしょうか。
ご存知の方はさら〜っと冒頭部分は読み飛ばしていただければと。

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私は正直、尾州のカレントの活動をお手伝いするまで知りませんでした。毛七というのは尾州で伝統的に行われている「羊毛再生=リサイクルウール」で作られたテキスタイルブランドの名前なんです。気になった方は詳しくはこちらで読んでみてください。
上の写真でみなさんが着ているトップスがまさに「毛七」を使ったそれです。とっても柔らかいしリサイクルされたものとは思えない手触りです。

って急に何だよ!宣伝?!ってなりますよね〜笑
違うんです!違うんです!今回私が作っている尾州生まれの「ひつじのくつした」を作ろうとなって相談した、力を貸してくれた人のお仕事がまさにこの「毛七」を扱うことだったのでまずはこちらをご紹介したのでした。
では早速、私の強い味方をご紹介したいと思います!どうぞ〜!

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はい!どーーーん!って急に楽しい画像出してしまいました!笑。塚本さん、ごめんなさい!!でもこの写真好きなんです、、、
こちらが私の強い味方!大鹿株式会社の塚本将太さんです。


大鹿株式会社とは、1922年創業の生地作りから縫製まで幅広いもの作りを手がけるメーカー。近年ではその経験を活かしたコートブランド"blanket"、ウールカットソーブランド"糸と色"、再生ウールテキスタイルブランド"毛七"を立ち上げ、さらに2021年には尾州の産直ショップ「新見本工場」をオープン。

塚本さんは普段、テキスタイルブランド「毛七」の担当者として生地の販売や別注の生地を作るために企画したり、糸を発注したり、生産工程や納期管理を行うのはもちろん、前職で習得したアパレルのOEMのノウハウを活かして毛七の生地を使った洋服作りも担当されていて、デザイナーさんの意図やイメージを具体的に形にすることを意識してお仕事されています。洋服を作る時には、素材の提案やボタンなどの資材の手配を行なったりと幅広い知識が必要なお仕事をされておりいわば、作りたい人と作り手を繋ぐ洋服作りのプロなんです。

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ちなみに塚本さんは絵もとっても上手なんです!Bテレのフリップのイラストも!優しくてスポーツマンな塚本さんは尾州のカレントの癒し系。いつもにこにこ温和で聞き上手!そんな塚本さんならこの素人な私にもきっと付き合ってくれるに違いない…!と直感を信じて(笑)相談したのでした。

そもそも、私のようなアパレルのアの字も分からない人が急に「産地で何か作りたい!」と思い立った時に、どこに何を訪ねればいいか分からない壁にぶち当たると思うんです。その点は身近に聞ける人がいた時点でラッキーでした笑

「会社で『尾州でつくった』何かを作れないかな〜って話が出たんだけど何を作るのがいいと思う?私たちものづくりの素人が現実的に作れる物って何かあるのかな…?」

なんてかなり雑なパスを私に投げられた洋服づくりのプロ塚本さんは過去の経験や知識から「Tシャツとか靴下とかはどうですか?」と優しいパスを返してくれました。今年の夏に新見本工場からリリースされたウール100%の「ひつじTシャツ」がとっても良くてこんなの作れたらな〜とか頭をよぎったのですが「でもTシャツはサイズもありますしね〜」ああ、そうだ確かにS・M・Lだけでも3つもある。(新見本工場のTシャツに関しては5サイズもあった!)しかも色まで変えたら。。嗚呼、しかもアパレルのアイテムって一度に何千枚とか作らないとだめだよね?と、オリジナルアイテムを作る=何千〜ってイメージがあった私は恐る恐る聞き返したのです。

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「そんなことないですよ、何百レベルでいけますよ!前に靴下を総数300足で作ったこともあります!」

えー!そうなんだ!!!「それにアソートで大丈夫でしたし」と!!え?!?どゆこと?アソート??なになになに?!?!「靴下なので2サイズで色も変えて選んで総数300足になれば大丈夫です!」
えええ?!?
靴下大好きな私にとって、300という数量が、靴下というサイズは2つ(メンズとレディス)しかないということが急に現実的なものとなり具体的に進めたい!となりテンションが上がりまくったのでした。そんな私に詰め寄られる塚本さん…今思えば気の毒すぎますね(笑)ここで鼻息荒めな私を一旦落ち着かせるべく「一度、靴下工場に300でやれるか改めて聞いてみますね。あとどんなのが作れるかとか。どんな靴下が作りたいとかあったら画像とか集めておいてください。」と優しく頼れる塚本さん。

ということで、タイトルの答えは『知識のない人の相談にも丁寧にこたえてくれる人を見つける』ということでした!…とはいえ、業界違いの人からすると、どこからどう探せばいいのか分からないものですよね。尾州のカレント活動を通じてこうした頼れる洋服のプロが身の回りにいる状態になったということで「ど」素人な私がものづくりの一歩を踏み出すことができたのでした。そして「ひつじのくつした」の第一歩はまさにここ。この時はまだ2021年5月下旬、半年後に形になるその日まで振り返っていきたいと思います。

ちょっと長くなっちゃいましたね。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。

ではでは、また。

【 おまけ 】
塚本さんは自社のコートブランドblanketでモデルもされてます!
とっても似合ってるし雰囲気いい〜!ぜひチェックしてみてください。

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