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おめぇのあだま、ベゴみでだでー😊 【訳】君の頭は、まるで牛🐂のようだね😊

 50年前、高校に入学して1ヶ月半ほど過ぎたちょうど今ごろ、ようやくクラス全員の様子も分かってきた頃のことだった。
 その日の数学の授業だったと思うが、珍しく先生が教室に来るのが遅れ、教室内に「先生が授業を忘れていればいーなー」というムードが広がり、あちらこちらで少しずつ話声が聞こえ始めた時だった。
 突如、オイラの後頭部が、手のひらでスリスリされる感触に襲われた。
 背筋がざわっとして後ろの席を振り返ると、M君がニコニコしてこちらを見ている。
オイラ「おめよー、何すんのよ? やめでけろ😓」 
【訳】おまえなー、何をするんだ? やめてくれよ😓
M「おめのあだま、ベゴみでだでー😊」
【訳】君の頭(の手触り)は、まるで牛🐂のようだね😊

 Mは我が町から20kmほど離れた山奥の中学校出身で、当時、高校には下宿から通っていた。
 Mの話では、その田舎(って、オイラの町も東北地方の相当な田舎だけど)の自宅では、牛🐂を数頭飼っており、Mは家の手伝いとして、その世話をしていたらしい。
 そして、その頃のオイラはサッカー部だったため、頭は丸刈りに近かった。
 どうやらMは、そのオイラの頭を毎日、後ろの席から眺めているうちに、直(じか)に触ってみたい願望がムクムクと湧き上がり、ついにその日、その欲求を抑え切れず、オイラの後頭部を手のひらでスリスリしたらしい。そして、その手触りは自分の予想どおり牛の毛並みにかなり近かったらしく、彼は実に満足げな表情を浮かべていた。

 その話を聞いて、
オイラ「わがったで。んで、許す。😓」
【訳】わかった。じゃ、(触るのを)許してあげる。😓

 それ以降、次の席替えまで、Mは授業中でも、先生の目を盗んでは、たびたびオイラの後頭部を手のひらでスリスリしてきた。
 オイラが中学校の時には、下宿から通学する生徒はおらず、下宿生と話をする経験もなかったことから、「やはり、親元を離れて、初めて下宿したら、寂しいんだろうな😔」と思ってみたりした。
 ちなみに、繰り返し後頭部をスリスリされていると、その感触に、まんざらでもない自分になっていた。今、思うと、夏休み後、席替えがあって本当に良かった。もし、あのまま席替えがなければ、オイラは今と異なる人生を歩んでいたかもしれない。😱

 蛇足ながら、Mもオイラと同じサッカー部に入った。⚽
 彼は同級生の誰よりもリフティングが上手かった。しかし、相手がいるプレーに慣れるまでには、かなりの期間を要した。
 なぜなら、彼は中学の頃からサッカーが大好きで、ボールを買ってもらって遊んでいたが、いかんせん、生徒数わずかの彼の中学校には、一緒にサッカーをしてくれる相手がいなかったらしい。もちろん、彼は体育の授業でもサッカーをしたことがないと言っていた。(もらい泣き🥺)
 


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