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海外駐在の子どもの教育 赴任前から帰国子女受験まで

子連れ海外駐在にあたって、考えなきゃいけないことの一つが子どもの教育のこと。

子どもの年齢、教育方針、行く国などによっていろいろなケースがあるけど、参考までに我が家のケースを記します。

特に帰国子女受験は適切な情報を得るのが大事かつ難しいので、有益なリンクもまとめて紹介します。活用ください。


そもそも連れて行くか、現地の学校はどうするか


我が家の行き先はエルサレム。イスラエルとパレスチナ自治区の境目にある都市。

妻の海外赴任のタイミングは、上のムスコが中1、下のムスメが小3の夏。

現地は、日本の人学校がなく、インターナショナルスクールのみ。

もともと僕は、妻の海外赴任の話が来たら、随伴家族休職制度を使うつもりでいた。

子どもには海外経験をさせたいというのが前からの考え、そして親の介護も夫婦とも問題ないので、予定通り家族全員で行くことに。

ただ、僕に関しては、年齢やその後のライフプランを考えて、予定を変えて早期退職をすることに。

この辺の話は、以前書いたこちらをどうぞ。

海外赴任は仕事柄想定していたけど、日本人学校がないところに行くことはあまり考えていなかった。

全く英語の勉強をしていなかったので、あわてて英会話の塾を探して入れる。

ムスコはマンツーマンがいいと言うので、近所の大手英会話スクールで海外サバイバルパッケージ的なプログラム。ムスメは、地元の英会話学校で、つづりと発音の関連を学ぶフォニックスと、簡単なサバイバル英語を学ぶ。それぞれ2か月ぐらい、とりあえずのやっつけで学んだ。

そんな感じなので、行ったときは、1月から12月、日曜から土曜までも、ちゃんとは覚えていないようなレベルだった。

親として、何を準備していいか分からず、海外子女教育振興財団(JOES)という海外赴任に関する教育のサポートをしてくれるところに、赴任前にレクチャーを聞きにとりあえず行った。

そこで、海外の学校用サバイバル英語のミニブックなどを買った。

【海外子女教育振興財団(JOES)】

https://www.joes.or.jp


帰国子女の受験をどうするか


行ってからは、やはり2人とも英語で苦労し、ムスメは一時学校に行かなくなったりもした。

そこら辺の話は、こちらの電子書籍に詳しく書いたので、今回は割愛して、帰国後の受験の話を書こうと思う。

我が家は、上の子が中1の8月のタイミングで現地に行くことになったので、高校受験を考え現地の2学年がちょうど終わる中3の6月終わりに僕と子どもたちとで帰国することにした。海外から高校受験をすることも考えたけど、情報を取るのも、学校を選ぶのも、現地からだととてもじゃないけど大変そうだったし、長くいて高校になってから編入する手もあったが、学校も限られるし、いつまでいられるかは分からなかったので、その選択もしなかった。僕も2年ぐらいで日本に戻るのが良いとは思っていた。結局それが、コロナで1年7か月と短くなり、2020年3月に父子のみで帰国。上が中3、下が小5になるタイミングだった。


まずは、上の子の高校受験。そして、1年後にムスメの中学受験。

高校は受験しないといけないし、受験勉強どころか、エルサレムでは漢字ぐらいしか日本の勉強はしていなかったので、帰国子女受験が唯一の道だった。エルサレムにいた時から、駐妻仲間の経験者から学校情報やら、帰国子女受験のイロハを教えてもらった。一般受験と違って、聞ける人が限られているから、経験者の話は本当に貴重だった。

ムスメは、公立の中学に入れる選択肢もあったけど、本人は日本に帰ってから周りの影響もあり受験を望んだ。親としても、せっかく身につけた英語の力は、習熟度別のクラスがある学校に行って伸ばす方が良い、というのが受験の大きな理由だった。また、帰国子女受験で中学から中高一貫校に入れれば、一般受験での受験勉強を中高ではやらなくて済む、という思いもあった。


そもそも、帰国子女受験と一般受験は何が違うか


帰国子女受験だと、一般受験用の数国理社のいわゆる受験勉強をしなくてもいい。英語、英語作文、日本語作文、面接などが中心。書類審査だけ、なんてのもある。

数学や国語などがあっても、一般受験とは違って簡単だったりする。と言っても、帰国子女にとっては、海外にいる間に抜けている国語の知識や、日本より簡単な数学しかやっていなかったりするハンディがあるので、それなりに受験勉強は必要だけど。

そして、作文や、面接の勉強はしっかりやる必要はあるけど、そこは海外での経験を振り返り、言語化するような作業でもあり、海外体験を自分にとってどのような意義があったかを振り返る貴重な時間にもなった。


ちなみに、英検は受験にとっても大事で、ぜひ帰国したら早いタイミングで受験することを勧める。

英検を取得していると、英語の試験が免除になったり、資格として加算してくれたりする。

それに、英検を受けると、英語学習の頑張りが結果として見える化され、子どもたちの自信にもなる。

うちの子どもたちは、インターナショナルスクールでは、英語に対して劣等感を感じていたが、帰国して英検を受け出してから、自信を持ち始めた。

「意外とできるじゃん、頑張ってきたじゃん」って自分を肯定できるようになった気がする。

今は、コンピューターでやるSCBTは、東京では毎週やっていて、1日でスピーキングまでまとめて受験できるので、とても便利だ。


受験校選び、塾選び


帰国子女には資格要件があって、これをクリアできるかが大事なポイント。

中高の私立は「海外在住1年以上、帰国後3年以内を対象」とするところが多い。

学校によって条件は異なり、在住2~3年以上とするところもある。

都立高校は「在住2年以上、帰国1年以内、3年以上2年以内、4年以上3年以内」。

都立中学は「在住2年以上、帰国2年以内」といった感じ。

年度によっても異なるので、各学校のHPで最新情報をチェックすることが大事。


ちなみに、私立は帰国子女の語学力や経験を評価してくれて、期間があわなくても個別に資格要件の相談に応じてくれるところもあるらしい。

また最近は、海外に住んでいたかに関係なく英語力を活かした受験ができる学校も増えてきている。


受験は、何より学校選びが大変。行きたい学校が見つかれば、勉強のモチベーションも上がるが、それもないと子供もやる気が出ない。じゃあ、帰国子女受験をしていて、帰国生にとっても居心地の良い環境の学校ってどこなの、そこは子どものレベルからしてどうなの、っていうのが良く分からない。

そんな中、まずは帰国子女受験をしている学校はどこ?という情報としては、コチラのリンクが役に立った。


【帰国子女受験塾のJOBAによる帰国子女受入れ中高の一覧リスト】

https://www.jolnet.com/crossmedia/


【帰国子女向けオンライン家庭教師のEDUBALのサイトにあるおススメ中高のランキング】

https://www.edubal.net/edublog/b20211001-13656/#3

https://www.edubal.net/edublog/b20211201-13686/


そして、帰国子女受験の詳しい最新情報を得るためには、帰国子女向けの塾に入って、そこで聞くのが一番手っ取り早かった。

過去問題も、本屋で売ってるものには帰国子女受験の問題は載っていないが、専門の塾に行けば手に入る。

帰国子女受験は偏差値では分からないが、塾に相談すると、大体の勘所が見えてくる。


東京にある帰国子女受験向けの塾は、僕知る限りでは、この2つが双璧という感じ。

【JOBA(洗足池、たまプラーザ、海外校)】

https://www.jolnet.com/

【ena国際部(渋谷、東京(茅場町)、あざみ野、西船橋、海外校)】

http://www.ena-kikoku.com/


あと、英語に特化した学校で、こんなところもあった。ただレベルが高い。

【帰国子女アカデミー(英語のみ、東京、千葉に計8校)】

https://www.kikokushijoacademy.com/


学校を選ぶためには、各学校の説明会や見学会に行くのが有効。一度行って、説明を受けたり、生徒の様子を見たりすると、ぐっとイメージが湧き、子どもも、ここには行きたい、行きたくない、という気持ちが出てくる。

ただ、コロナで学校に行く機会は少なく、人数制限もあるから、予約申込が実は大変なことになっていた。

申込開始から5分ぐらいで、満席になってしまうのだ。まるで、大物タレントのコンサートチケットを取るように、申込開始時刻にWEBで申し込んでも、もう満席です、なんてこともあったりして、親の競争がし烈だった。

オンラインは、そこまでは厳しくない。そして、各学校で行うのとは別に、合同で行うものもある。具体的には、こんなのもある。


【海外子女教育振興財団(JOES)学校説明会】

https://www.joes.or.jp/kojin/kokunai_setsumeikai

【JOBAオンライン学校説明会】

https://www.jolnet.com/fair/session/

【シンガライフオンライン学校説明会】

https://singalife.com/category/37402/

【帰国便利帳 学校説明会】

https://www.kikoku-benricho.com/online-school-information-session-4/


最後に

以上、ざっと僕ら家族の体験をもとに書いた。家族によって教育に対する考えは違うし、行く時期、期間、現地での学校の種類、子どもの性格、住んでいる場所などによって、状況は様々だ。

あくまで一例として、お役にたてば、と思う。

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