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盲目のメロディ 〜インド式殺人狂騒曲〜 (Andhadhun)

こちらもヒンディー語のボリウッド映画。インドのマハラシュトラ州のプネを舞台にしたブラックコメディ。主演を"アーユシュマーン・クラーナー"、そしてパッドマンでも妻役を演じた"ラーディカー・アープテー"が務めた。

あらすじ

アカシュは盲目のピアニストとして一人で生活していた。しかし、そんな彼には誰にも言えない秘密があった。実は目が見えているのだ。ある日、演奏の依頼を受けて訪れた邸宅で殺人現場を「目撃」してしまうが、盲目であるはずの彼の証言は信じてもらえないはず。その後アカシュがとった行動とは?

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劇中の音楽

主人公のアカシュがピアニストということもあり、物語では状況に合わせたピアノの音色が流れている。基本的にインドの映画ではその作品の言語で歌われた歌や楽器の演奏が使用されている。しかしこの盲目のピアニストはベートーベンの曲など「インドっぽくない曲」が多く、他のインド映画と異なるヨーロッパっぽい雰囲気を与えるのが独特である。

何が本当で何が嘘なのか

物語の状況が目まぐるしく変わっていくのもこの作品の特徴。冒頭のシーンではアカシュが盲目の人として登場するが、その後にそれは音楽活動のための設定であることが明らかになる。殺人犯はアカシュを疑うが、観ているこちらまで何が本当で何が嘘なのか混乱してしまう。同様にこの殺人事件を巡ってアカシュにとって誰が味方で誰が敵なのか、特にクライマックスは掲示板上で多くのインドの方々が議論をしており最後の最後まで見逃せない。

日本語版タイトルについて

インド映画にはなぜか謎の日本語タイトルがつく。これだけで一つの記事が書けそうなので詳細は省くとして、この作品を観終わった後にタイトルを見直すとどうもマッチしていないように思える。元々のタイトルは"Andhadhun"といい、これはこの映画のためのヒンディー語の造語で本来の単語は"AndhaaDhund"。Andhaa(अंधा)は盲目, dhund(धुंद)は昏迷に影響される人/ものという意味になるらしい。当然、個人的にはオリジナルのタイトルの方が物語に合っていると思うので、余計な日本語の副題は不要であると思う。

予告編リンク


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