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Padman(パッドマン 5億人の女性を救った男)

パッドマンは2018年に公開されたヒンディー語の映画。インド国外でも公開され、30億円を超える興行収入を記録した。日本でも「パッドマン 5億人の女性を救った男」という邦題で公開されている。インド国内の映画祭で最優秀作品賞を始めとした数々の賞を受賞した。

あらすじ

ラクシュミはガヤトリという女性と結婚して幸せな生活を送っていた。ラクシュミは妻を深く愛し、妻の幸せになるためならなんでもやるほどであった。ある日、妻のガヤトリが毎月家事をやらずに家の外に出される期間があることを知るもラクシュミは何故なのか理解していなかった。そしてバイクの掃除にも使わないような不衛生な布切れを使っていることを知り、その代わりになるパッドを愛する妻のために自分で作る決心をしたのだった。

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タブーに切り込んでいく勇気

この話は事実に基づく物語だが、このラクシュミのモデルはインド南部のタミル・ナードゥ州のアルナチャラム・ムルガナンタンという男性。当時は世間に生理用ナプキンというものが何かを知る術もなく、そして触れてはいけないトピックだとされていた。男性ともなればなおさらだ。それにもかかわらず愛する妻を幸せにするためにタブーに切り込んでいく姿がとても勇敢。

利益を求めない姿勢

ラクシュミは生理用ナプキンのみならずそれを生産する簡易な生産ラインを自ら作って費用の削減を図る。それを知ったある医学部生の女性はビジネスの勝機を見出して特許の申請を促すが、それではラクシュミが望む「安く安全に女性たちに使ってもらいたい」というミッションに反する。誰もがお金に目が眩んでお金持ちになりたいという欲求がある中で自分が何故その発明をしているのかという真の目標を見失わなかったところも人々が彼を賞賛したポイントと言える。

発明がもたらしたもの

この発明がインドの人々にもたらした利益は三つある。一つ目は当時インドで問題化していた衛生問題に関する啓発。これを機に多くの人が女性の抱える悩みについて知ることになった。そして二つ目はナプキンの販売だけでなく簡単に誰でも生産できる生産ラインそのものを様々な町や村に作ったことによって地域の女性の雇用を生み出した。そして三つ目に女性が働く機会を創出したことで結果的にその女性の子供達の教育の機会を生み出した。下に添付したアルナチャラム・ムルガナンタン本人のインタビューもご覧いただきたい。映画では市場規模の大きさからヒンディー語になっているが、実際はタミル語を話すタミル人なので多少の映画とのギャップがある…。


予告編ビデオ


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