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ジンバブエの精霊に出会う旅 vol.7

グレイトスピリットたちの話が終わると、

再びムビラ演奏がはじまり、人々が踊り始めました。


そうして夜がふけていくと、庵にいる儀式の参加者たちに憑依がはじまりました。


体が震えだし、うめき声を上げたかと思うと、

タガが外れたように、笑ったり、泣いたり、怒ったりして、

感情を表現する人たち。

動物のように四つん這いになってお椀なかの聖なる酒を飲み、

叫んだりする人までいました。


感情をそのままに人前で表現することに慣れていない私からすると、

それらの行動に一瞬びっくりしてしまいます。


普段の生活で抑圧してしまった感情を開放させ

心を平和に保たせる

そんな役割が儀式にはあるのかもしれない。


日本での日常とかけ離れた不思議な光景の中に、自分が存在している。

その現実に、私は体と心がふわふわしていました。


そして、ムビラの演奏を聞いていると、頭のてっぺんから自分の境界線がなくなっていくような、周囲に溶け込んでいくような感覚にもなりました。

私には、憑依現象は起こらなかったけれど、

なんとなく個人の意識・自我が薄れる感覚を味わうことができました。


憑依されるときには、自我を捨てて体を明け渡さないと苦しむのだとか。

その体を明け渡す感覚には、慣れが必要なのだそう。

そのせいか日本からの参加者には憑依は起こりませんでした(ちょっと残念…)。


儀式の間、私は

自我やエゴから離れた視点(感覚)を持つことの大切さ

感情を素直に表現することの大切さ

それを否定しないことの大切さ

それら感じとっていました。


日本からの参加者4人は、ひとりふたりと眠気に負けて儀式を抜け、

仮眠をとりに別の小屋に向かいました。

私は朝方3時か4時頃まで粘ったけど、最後は寝ることにしました。

現地の人々とムビラの先生は聖なる庵にのこり、儀式は夜通し行われたようです。


朝7時ころ、周囲が明るくなって日本からの参加者は、
みんなで一緒に起きました。

空は晴れ渡り、とても気持ちよい朝の空気。

朝、井戸水をくんでいるところ


再び聖なる庵に呼ばれ、儀式の続きに参加することができました。


今度は、ビリナガニレが私たち日本からの参加者ひとりひとりに、

手をとって何かを話してくれました。

このときは通訳はなく(なぜしてくれなかったんだろう)、

個別のメッセージはわからずじまい。


ビリナガニレは、手をとり、しっかり目をみて、

そして優しい微笑みを浮かべて、熱心に語りかけてくれました。


ひとりひとりへの語りかけが終わると

最後はムビラ演奏にあわせて、みんなでステップを踏み、踊りました。


その場にいたジンバブエ人も日本人も一体となった空気感があり、

同じく祈りをともにした仲間

という感覚になっていました。


たった一晩のできごとだったけれど、

最後は庵のなかで別れを惜しみ、ハグを交わします。



みんなで記念写真を撮っているとき、

私はたまたまビリナガニレの隣になりました。


すると、ビリナガニレが私のほうを向き、

しっかりとした言葉で何かを伝えてくれました。


たぶん、英語ではなくショナ語だと思います。

英語もわからないけど、ショナ語はもっとわからない。


私がきょとんとしていると、再びその言葉を私に向かって言ってくれました。


意味はわからなかったけど、その確かな表情と温かい雰囲気からは、

「安心して生きろ」と言われているようでした。


そんな風に感じとり

私は笑顔で頷き、ビリナガニレも笑顔を返してくれました。


こうして、私たちは聖地での儀式を体験して宿へと帰りました。


あのぎゅうぎゅう詰めのハイエースに乗って。


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