3.11を振り返って、ペットの防災を考えた。
多くの命が犠牲になった東日本大震災から今日で10年たちました。
私は3.11の1年前まで仙台に住んでいました。学生時代から長く親しんでいたあの場所で起きた大地震はとても衝撃的な出来事でした。
知人の中で命を失った方はいなかったのですが、学生時代に過ごした思い出の場所が無くなってしまったり、友人たちが住まいを奪われ住み慣れた地を離れたりしました。
毎年この頃になると、当時の喪失感がよみがえって心の奥が痛みますし、改めて防災に対する意識を見直す機会になっています。
特にペットを飼うようになってからは、自分の命のことだけでなくペットの命も守らないといけなくなったので、災害の備えに対して真面目に考えないといけないと思うようになりました。
今後30年以内に起こると予測されている南海トラフ地震や、毎年恒例になりつつある大型台風などの自然災害に加え、今はコロナ禍もあり感染症対策も考慮した新しい避難のあり方を意識して災害に備える必要があります。
心配するとキリがないし、全てを完全に備えることは難しいですが、それでもいざという時のためにある程度の備えはしておきたい...
今月4日、ペット保険のアイペット(東京都港区)はペットのための防災対策に対するアンケート調査結果を発表しました。
このアンケート結果は、私自身が読んでとても勉強になったので、NEWSSALTの記事にもしました。
アンケートは全国の犬・猫飼育者1041名を対象にインターネットで行われたものです。
ペットのための防災対策をしている飼い主は2割程度に止まっていますが、前年と比較するとペット用防災グッズを準備したり、ペットのための防災対策として自宅の環境を整えるなどの対策を取っている方が大きく増えているようです。
マイクロチップの装着率は全体の25.4%で、昨年にくらべて増加。2022年の義務化施行を前に販売元等での対応も進んでいるようです。
東日本大震災ではペットが飼い主とはぐれてしまい、そのまま行方不明になってしまったケースも多く報告されていました。マイクロチップの装着は既に飼育している方については努力義務となっていますが、飼い主と離れ離れになってしまった際に連絡先がわかる工夫はしておいたほうが良さそうです。
また、私は今回このアンケートを見て、「同行避難」と「同伴避難」の違いをはじめてちゃんと理解しました。
「同行避難」というのは、ペットと共に安全な場所まで避難すること。一方で「同伴避難」は、ペットと一緒に避難し、かつ避難所で一緒に過ごすことを指します。
「動物愛護管理法」の「災害時におけるペットの救護対策ガイドラインの概要」では「災害時は原則として、飼い主とペットは同行避難を行う」と明記し、自治体に対して避難所や仮設住宅へのペットの受け入れの配慮を求めています。
飼い主にとっては「同伴避難」が理想ですが、自治体によっては「同行避難」すら受け入れていない場合もあり、飼い主は事前に避難場所の受け入れ状況を確認しておく必要があります。
こうやってペットとの災害対策を考えてみると、準備するべきものが少なくないことに気付かされます。ペット飼育者が増えている日本の状況で、ペットと共に避難する人たちへの自治体の配慮を求めたい一方、まずは飼い主がペットの管理に責任を持つことが大切です。
巨大地震から10年経って、あの経験を風化させないために自分は何をしたのか、これから何をしたらいいのか、そんなことを深く考えた1日になりました。
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