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感情論だけでない、動物愛護のはなし。

近年、ペットを家族として迎え入れる家庭が増え、各地では動物愛護の取り組みも盛んになっています。

ペットや動物をめぐる様々な問題は、もしかしたら、ペットを飼っていない方や動物が苦手な方にとっては、遠い話のように聞こえたり、動物に対する感覚にギャップを感じることもあるかもしれません。

動物愛護の話はしばしは感情論として捉えられる事も多いですが、実は動物のQOLを考えることは、人間が動物から恩恵を受けるために無視できない事でもあるのです。

どうしてそのように言えるのか。
その根拠の一つに「原始の血説」というものがあります。

「原始の血説」とは,人間は他の動物がリラックスしている姿をみることで周囲に危険がないと考え自らもリラックスすることができ、逆にストレスがかかった動物を見ると自分にも危険が及ぶ前兆を感じ、不安を感じたり落ち着かなくなってしまうという説です。

当たり前の話のようですが、この説は人間と動物の関係を語るのに忘れてはならない基本の考え方です。

この説を一般家庭で買われているペットにあてはめると、私たちがペットから癒しを受けるためには、まずその動物がストレスを感じることない質の良い生活環境を与えられていることが前提になります。もし、ペットがストレスを感じているようであれば、それを見ている人間たちも無意識のうちにストレスを感じてしまいます。介護施設等でのアニマルセラピーも同様のことが言えます。

つまり、動物が安定した幸せな状態でいられるように適切に管理してあげてこそ、その対価として、人間は動物から恩恵を受けることができるのです。

人間は「万物の霊長」と言われます。腕力の弱い人間は脳を発達させることで、他の動物を治める力を持つようになりました。しかし、残念ながらこれまで人間たちは、その発達した脳を使って、他の動物たちから沢山のものを奪ってばかりいたように思います。

万物の霊長である人間が、他の動物には無い発達した脳を賢く使って、動物たちを相応しく管理してこそ、人間も動物もwinwinの関わりを持続させることが出来るのです。「動物の福祉」は「人間の福祉」と繋がっているのです。

動物好きの方もそうでない方も、この事を覚えて、動物愛護について考えていただけたらと思っています。

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