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中心市街地活性化の取り組みと未来

中心市街地とは、多くの人が住むところであり、商店等が集積するところであり、多くの人が働くところであり、さまざまな公共施設が集積しているところであり、広域から人が集まるところであり、情報を発信するところであり、歴史や文化があるところ。

平成30年度から中心市街地活性化事業に取り組み、寄居駅南口が生まれ変わりつつある寄居町。今年度が計画の最終年度となり、ハード整備が終了します。

寄居町の中心市街地の歴史

寄居町の中心市街地は、かつての秩父往還の街道筋にあり、江戸時代から物資の集散地として栄えた荒川左岸の既成の市街地です。昭和初期には、中心市街地南側の玉淀河原は、荒川が造り出した奇岩・絶景の景勝地として、多くの客で賑わうとともに、玉淀河原周辺の荒川沿いには、著名人の別邸・邸宅が建てられました。その名残で現在も寄居駅から玉淀河原までの道筋には、飲食店や邸宅跡を利用した和風旅館が立地し、昭和初期に建築された建物が残るなど、風情のある歴史的景観や雰囲気が残っています。このように、市街地が先に形成されていたため、明治34年に秩父鉄道線(旧上武鉄道)、大正14年に東武東上線、昭和8年にJR八高線が開通した寄居駅は、既成の市街地の北側に設けられた経緯があります。

昭和40年代の寄居駅

寄居駅南口の課題と現状

寄居駅の南口については、市街地の本通り線から寄居駅への進入路(都市計画道路中央通り線)が一方通行で狭かったため、拡幅しようという動きは古くからあり、面的な整備を含め、さまざまな手法(事業)が検討されてきました。しかしながら、事業の実施には至らず、約半世紀もの時間が経過し、この間、市街地の人口は減り続け、後継者不足等の問題もあり、商店の店舗数も減少し、徐々に賑わいが失われ、道路の問題だけではなく、市街地の賑わいの創出そのものが課題となりました。

拡幅前の中央通り線(平成16年頃)

寄居駅南側の中心市街地は、寄居町の効果的・効率的な町民サービスと広域からのアクセスに対応した玄関として、寄居駅北側の公共施設群とともに、その役割を担い、寄居町における観光の主要な起点となっていましたが、市街地の人口減少や国道140号バイパスや国道254号への大規模小売店などの立地等の影響により、中心市街地では、次第に活力や賑わいが失われてきており、中心商業地としての再生が望まれるようになりました。

昭和40年代の市街地本通り
昭和54年に制作された商店街マップ

中心市街地活性化事業に着手

このような状況で、さまざまな課題が浮き彫りとなる中、約半世紀にわたる懸案事項に対応するため、町では、『中心市街地の活性化に関する法律』に基づき、『寄居町中心市街地活性化基本計画』を作成し、平成30年に全国の町では初めてとなる事業認可を受け、平成30年度に事業に着手しました。この事業は、内閣総理大臣が認定する事業で、国から様々な支援を受け、“歩きたくなる・歩いてお得なまち”を目指し、事業を進め、今年度、計画の最終年度を迎えています。
この間、主にハード事業について集中的に整備を行い、中央通り線の拡幅や、駅前広場の整備、寄居駅南口駅前拠点の新設など、関係各位のご協力のもと、事業が着実に進んでいます。

整備が進む寄居駅南口

ハード事業以外の重要性

中央通り線の整備により、一方通行が解消され、寄居駅へのアクセスルートの利便性が高まりました。また、南口駅前には、ラウンドアバウトを整備し、駅前拠点施設・広場の整備も順調に進んでおり、寄居駅南口は目に見えて変化しつつあります。
しかしながら、このように順調に進むハード事業ですが、今後はソフト事業が非常に重要となります。整備した様々なハードを最大限に活用したまちづくりを展開していくことが、本来の意味での“賑わいの創出”につながっていきます。そのためには、官民連携により、まちづくりに取り組む必要があります。今後も、地元住民はもちろん、多くの関係者、関係団体と連携し今後の事業展開を図ります。

官民連携によるまちづくり

株式会社まちづくり寄居

中心市街地活性化事業は、事業認可の要件として、①「都市機能の増進を総合的に推進する組織」、②「経済活力の向上を総合的に推進する組織」で組織する中心市街地活性化協議会の設置が義務づけられており、このうち、まちづくり会社は①に該当します。このため、寄居町も出資し、株式会社まちづくり寄居を設立し、事業を推進しています。まちづくり会社は、官民連携により事業推進を図る中心市街地活性化事業の中心的役割を担っています。

まちづくり寄居が発行する情報紙

NPO法人との連携 街路樹づくりプロジェクト

相互通行が可能となり、車道部が開通した中央通り線は、現在歩道部分の整備を行っています。この歩道部分の街路樹は維持管理について、町では、NPO法人寄居の緑と空間を楽しむ会と「寄居都市計画道路中央通り線における街路樹維持管理協定」を締結しました。協定では、緑の会が街路樹の点検や落ち葉の清掃、剪定などの日常的な維持管理作業を実施し、町では清掃用具等を貸し出すなどの必要な支援を行う、官民が連携した全国的にも珍しい取り組みとなります。

10年後の中央通り線のイメージ

このように、様々な団体や人が参画してこそ、この事業が成り立ち、賑わいの創出につながります。繰り返しになりますが、今年度、すべてのハード事業が完了し、来春には、新たに寄居駅南口が生まれ変わります。
寄居駅南口の新たなシンボルとして、様々な機能を兼ね備えた寄居駅南口駅前拠点「Yotteco」が来春オープンします。この施設は、町の観光拠点、情報発信の拠点として、観光案内、移住定住案内、待合スペース、物販・飲食スペース、多目的室の他、コワーキングや学習にも対応可能なスペースを設け、まちなか回遊の拠点となる施設です。賑わいを創出するため、多くの方々に気軽に利活用していただける施設を目指しています。

整備が進む寄居駅南口駅前拠点施設 Yotteco
完成イメージ
1階イメージ
2階イメージ

今後の取り組み

中心市街地活性化事業は、計画期間で区切る事業ではありません。計画期間は今年度で終了となりますが、ここからが本当の意味でのスタートと捉え、未来に向かって、官民連携によるまちづくりに継続性を持って取り組んでいくことが何よりも重要となりますので、多くの方々に参画していただき、新たな寄居町をともに創っていきたいと思います。

寄居駅南口全体整備図

問い合わせ 中心市街地活性化推進室


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