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「みんなでつくる中国山地」運営チーム、はじめてオンラインフォーラムにチャレンジ!(運営うらばなし)


土曜の午後に4時間弱という長丁場。加えて「見る」が中心の第1部はウェビナー、「話す」が中心の第2部はブレイクアウトルーム。同じZoomとはいえ、似て非なる2つのやり方で運営する。こんな難題に立ち向かうことに、スタッフ皆が気づいたのは、募集がはじまってからでした、実は(笑い)。

初めてのオンラインイベントなのに、大丈夫か?裏方スタッフとして、オンラインイベントにはやや過剰とも思える「進行タイムライン」と「イベントの運営の手引き」をまとめ、“困ったらこれを見たらいい”というものをギリギリまで確認・修正しながら準備していました。

そのペーパーを作っていたのは私、中国山地のほぼ最東端、岡山県西粟倉村(にしあわくらそん)で地域おこし協力隊をやっています、猪田有弥です。1月に島根県邑南町で開催された「狼煙の会」のパワーにただただ圧倒され、創刊号の書き手としてのご縁をいただく中で、今回裏方を任されておりました。

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金八ミーティングで、距離感は縮まってきたのだけど…

『みんなでつくる中国山地』の会議には、「金八ミーティング」と呼ばれるものがあります。創刊号の編集に向けて、また、今後の活動をより充実させていくために、定期的に交流と情報交換を深めながら決めていこうという趣旨で、毎週金曜日20:00にオンライン上に“集合”しています。オンラインフォーラム時、総合司会の肥後さんから「われわれも会議がオンラインになったから、逆に全体で顔を合わせる機会が増えた」という話がありました。みんなが持てるスキルと時間を出し合って進めやすくなっていることをメンバーの皆が実感しています。
とはいえ、実際に各論の調整ごとを解決していくには、それぞれのゴールイメージや経験に差があり時間が少なすぎる、という悩みがつづいていました。


「システム担当」「運営担当」「登壇者」を“つなぐ”資料が必要だ!

もともと新聞社で読者イベントの運営経験をしていたり、各種アンケート調査で回答者の疑問をなくす「調査のしおり」を数多く作ってきたりした経験から、「質問ゼロ」を目指すマニュアルづくり、というかなりニッチな(?)スキルが私(猪田)には蓄積されていました。そこで、裏方の資料づくりを買って出ました。トラブルになりそうな事象を、できる限り事前に場合分けして漏れなく整理するという視点で、今回のオンラインフォーラムを何度もシミュレーションしながら整理していきました。

もちろんなりゆきという部分も沢山あっていいので、すべてガチガチにはしませんでしたが、ローカルビジネスのITシステム化の専門家檜谷邦茂 (ひのっきー)さんに、Zoomでできることを教えてもらいながら、整理していきました。(個別打ち合わせの時のやりとり、とても勉強になりました!)


オンラインイベントの「進行表(タイムライン)」は、“参加者から画面がどう見えているか”がキモ!

リアルなイベントの進行表や台本を作るときは、会場の中がどうなっているか(舞台上の配置や照明、動線等)にかなり気を配るのですが、オンライン上には控室も動線ありません。あたり前のことですが、参加者は画面しか見ていません。そこで「参加者からどう見えているか」に特化して、進行表を作りました。例えば顔が出るときには顔の絵文字をいれたりして、画面共有と区別したりしました。これは結果的に「すごくわかりやすい」「こうやって作ればいいんだ」と、皆さんからも好評でしたし、運用上も分かりやすく整理できたと思っています。

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(いわゆるタイムラインです!)

そして当日

リハーサルは10日ほど前の金八ミーティングで一度やっていたのですが、パネリスト含め全員がそろったのは、開演1時間前。通しリハを始めると意外と時間が経って、本番開始前なのにガチでタイムキープをする羽目に。
本番開始後も、第1部の最後のあたりは当日リハーサルが間に合わず、どうなるのか私も内心冷や冷やだったのですが、途中の質問タイムをひとつ飛ばすという運用をしながら、振られた登壇者がスムーズに対応して、第1部はほぼ時間ジャストで終わるという快挙
鳥取大学サテライト会場もまさかの「電話対応」でやり切れたのは、リアルの中継っぽい感じがでて、手作り感がありました。サテライト会場の学生さんにまで、最後頭を下げさせてしまって、こちらこそすみませんでした!!


「オンラインフォーラム」進化に向けて。今回チームで心がけたこと

アンケートや、私が知人の参加者から直接聞けたコメントでも、運営面はとてもスムーズだったと高評価をいただけました。これは、「裏方冥利」につきるものです。本当にありがとうございます。そんな中、「みんなでつくる」という観点で、今回心がけていたことはこんなことです。

■オンラインイベントとはいえ「2本部制」でやってみよう!
今回技術的なオペレーションをする人(Zoomのメインホスト)と、総合司会者が分かれていることに加え、私(猪田)が西粟倉から遠隔ですべての指示だしができるか自信がなかったこと。総合的に考えて、「益田(システム統括)」「松江(運営統括)」と2本部でやることを私から提案し、私は松江に赴きました

2本部の間は別の常時接続の音声回線を一つ用意し(カメラ付きMessenger)、互いの確認事項は、基本この回線を用いて、声(対面)で確実にやることに統一しました。その他、本部にいない人たちとは、メッセンジャーやZoomのダイレクトコメント、電話等、受け手が一番わかりやすいと思う方法でやり取りをしました。
結果的に本番中であっても「確認できる人が常に目の前にいる」「互いがバックアップになりうる形でつながっている」という安心感を保ちながら運用すると、とてもスムーズにいくということが実証できました!


リアルっぽさと、オンラインらしさをうまく混ぜていこう!

リアルイベントの場合は、「担当」を決めてやっていきますが、オンラインの場合、なんでもパソコン上で出来ちゃう。やることが過度に増えると一部の人たちの負担になりかねないし、忘れたときや間違えたときのショックも大きくなる。なので、できるだけ、全体の方針として役割を決めてやっていこうというスタンスを取りました。第2部の年代別座談会で「ファシリテーター」と「書記」を2人置くことにしたり、「カメラマン」が各グループを飛び回って写真(という名のスクリーンショット)を撮ったり。特定スタッフの負担を減らしながらも、リアルっぽいイベントに近づけるという意味でやってみてよかったと思うことの一つです。

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(なので、こういうチームごとの写真も撮り忘れることなく残るのです!)

■「オンライン版プログラム」的なものを作って活用してみよう!

参加者と事務局とのやり取りを一元化する試みとして、「オンライン版プログラム」を作ろう、という提案は、システム担当檜谷邦茂 (ひのっきー)さんのアイデア。1部と2部で異なるアクセス先へのURL、パネリストのプロフィール、接続がうまくいかない場合の緊急連絡先を記載したWEBページをイベントのポータル的に活用しました。終了後も、当日の投影資料や世代別ディスカッションのキーワードをアップロードするなどして、活用しています。今回は、簡単なものでしたが、これ自体見やすく使いやすい形でデザイン・編集するのも面白いし価値をプラスできるなと可能性を感じました!

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(第1部・第2部のZoomアクセス先や、接続が切れたときなどの緊急連絡先が記載されている“まとめページ”のURLをを前日メールにて送り、参加者に事前に確認してもらいました。これは、今も当日資料やアンケート結果などを入れて随時更新しています!)


■ラジオでコメントが取り上げれた時のような嬉しさで、場を共鳴させよう!
第1部はウェビナー形式なので、会場のようにマイクを持って「質問」することができないのですが、リアルタイムで「副音声」のようにチャットで盛り上がると面白いセミナーや講演会が最近増えてきていることに着目。今回、ローカルジャーナリストの田中輝美さんが自ら“チャット芸人”として、どんどん発言が出るように盛り上げてくれました。また、“チャット受け“の島根県立大学豊田知世さんがすき間時間を活用して見事に拾ってくれました。チャット内で参加者同士がコミュニケーションが図られるという嬉しいできごとも起こり、オンラインならではの交流の場が作れたと思っています。


最後に

とはいえ、一番の功労者は今回のイベントに参加してくださった参加者の方々なのは言うまでもありません。ほんとうにありがとうございます。(特にアンケートでフィードバックをいただけた方、重ねてありがとうございます。)
「何があっても催しを中止にしないしくみをつくる」ことが、コロナとともに生きる社会では求められています。裏方話とはいえ、地域でオンラインイベントを考えている方に、少しでも参考になることがあれば、と思ってまとめてみました。ぜひ、お互いのノウハウを共有していきながら、つながっていければと思っています!

(文:猪田有弥 中国山地のほぼ最東端、岡山県西粟倉村で地域おこし協力隊3年目、地域福祉×モビリティの新しい仕組みづくりを研究してます。)


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(テクニカルディレクターひのっきーさんと。実はまだリアルにお会いしたことないんです/笑)


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