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救急医の視点(6)

救急医の視点(6)
[第6章]危機的出血への対応
田北無門 聖マリアンナ医科大学病院
救命救急センター
北野夕佳 聖マリアンナ医科大学
横浜市西部病院救命救急センター

救急科領域のクリティカルな疾患・症候について,基本事項をコンパクトにわかりやすくお伝えします!


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Take Home Message

● 根本治療は「輸血」と「止血」!
● 全身管理のポイントを押さえて効果的な治療を行おう!

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はじめに

 緊急介入がなければ命を落としてしまう危機的出血への根本治療をきわめてシンプルに言ってしまうと「輸血」と「止血」です.「止血」は外科医・内視鏡医・放射線治療医へ応援要請をすることになるでしょう.止血を担当しない医師は,必然的に「輸血」を担当することになります.今回は,危機的出血に遭遇し,自分が止血を担当せずに全身管理をする側になったとき,心得ておきたい内容を紹介していきます.


●今回の流れ

1.Massive Transfusion Protocol(MTP)について
2.危機的出血時のバイタル管理
3.トラネキサム酸投与
4.抗凝固薬(ワルファリン,ダビガトラン)を内服していないか→拮抗薬あり
5.止血
6.大量輸血の副作用への対応

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