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J-IDEO(ジェイ・イデオ)

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2023年12月の記事一覧

呼吸器感染症よもやま話(41)

[第41回]あなどるなかれアミノグリコシドの難聴倉原 優 くらはら ゆう 国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科 (初出:J-IDEO Vol.7 No.6 2023年11月 刊行)  現在も,ここぞというときにアミノグリコシドが使われます.呼吸器内科領域では,結核や肺Mycobacterium abscessus症に対してよく用いられています.  アミノグリコシドは,実臨床においてストレプトマイシン,アミカシン,ゲンタマイシンがよく用いられます.オールドファッションのア

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基礎から臨床につなぐ 薬剤耐性菌のハナシ(41)

[第41回]Acinetobacter属の臨床像と耐性機構④西村 翔 にしむらしょう 兵庫県立はりま姫路総合医療センター感染症内科 (初出:J-IDEO Vol.7 No.6 2023年11月 刊行)  前回は,A. baumanniiの病原因子のなかで,外膜蛋白,繊毛,リポ多糖について解説しました.今回はその続きで,その他の病原因子について議論していきます. 莢膜/菌体外多糖  莢膜および菌体外多糖は,細菌表層の細胞壁/外膜のさらに外側に保護層として形成されています

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微生物検査危機一髪(40)

[第40回]菌量について考える山本 剛 やまもと ごう 大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER) 大阪大学医学部附属病院感染制御部 (初出:J-IDEO Vol.7 No.6 2023年11月 刊行)  微生物検査の結果に“菌量”の表記がありますが,これはなにを表しているのでしょうか? 結果の解釈が難しいので菌量の表記はオブジェ化していたりしないでしょうか.菌量は検出された微生物の横に10³ CFU/mLや(1+)といった文字で記載されており,10³ CFU/mLと1

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抗菌薬選択チェックメイトへの道(30)

[第30回]Queen’s Gambit山田和範 やまだ かずのり 中村記念病院薬剤部係長/北海道科学大学客員教授 (初出:J-IDEO Vol.7 No.6 2023年11月 刊行) 医師 「新型コロナウイルスの濃厚接触で隔離中の患者さん,尿路感染症の疑いでセフトリアキソン(CTRX)を昨日から開始しました.同時に血培も取っています.他によい抗菌薬がありましたら連絡もらえますか?」 薬剤師 「どんな経過でしたか?」 医師 「5日前に左脳梗塞で入院になり,内科的治療をして

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突破口 感染症診療の難問に答えはあるか(21)

[第21回]J–OSLERに科学はあるか岩田健太郎 いわた けんたろう 神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学教授 (初出:J-IDEO Vol.7 No.6 2023年11月 刊行)

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