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J-IDEO(ジェイ・イデオ)

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2023年8月の記事一覧

基礎から臨床につなぐ薬剤耐性菌のハナシ(39)

[第39回]Acinetobacter属の臨床像と耐性機構② 西村 翔 にしむらしょう 兵庫県立はりま姫路総合医療センター感染症内科 (初出:J-IDEO Vol.7 No.4 2023年7月 刊行)  前回は,Acinetobacter属の同定とその疫学について議論していきました.今回は引き続き,A. baumannii感染症の臨床像について解説します. A. baumannii感染症の臨床像 疫学に次いで,Acinetobacter属による感染症の臨床像をみていき

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(22)

[第22回]グラム陽性桿菌編⑦ 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.7 No.4 2023年7月 刊行)  前回の連載では,時々血液培養で検出される偏性嫌気性菌であるClostridium属について説明しました.今回と次回の連載では,有名かつ特徴的な形態をした(しかし,めったに出会うことのない)グラム陽性桿菌であるNocardia属について解説します.今回はNocardia属の微生物学的特徴とノカルジア症(

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呼吸器感染症よもやま話(39)

[第39回]アスペルギルス属はなぜアゾール耐性になるのか?倉原 優 くらはら ゆう 国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科 (初出:J-IDEO Vol.7 No.4 2023年7月 刊行) アゾール耐性の時代  アスペルギルス症の治療薬としてアゾール系抗真菌薬が用いられています.アゾールがないと正直やっていけないレベルなので,アゾール耐性の症例が増えているという論文を読むたび,ガクブルしています.  2007年に,アゾール耐性侵襲性アスペルギルス症9例のうち4例がアゾ

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微生物検査 危機一髪!(37)

[第38回]グラム染色のよもやま話~いろいろな相談~山本 剛 やまもと ごう 大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER) 大阪大学医学部附属病院感染制御部 (初出:J-IDEO Vol.7 No.4 2023年7月 刊行) 1)肺結核と細菌性肺炎の区別をしたいので喀痰グラム染色を実施することがあります.もし,肺結核であれば感染性があり心配です.何に気をつければよいでしょうか?❶肺結核塗抹陽性率は10.6%  2021年の結核登録者情報調査年報集計結果【1】によると,全

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抗菌薬選択チェックメイトへの道(29)

[第29回]バッテリー~集中突破~山田和範 やまだ かずのり 中村記念病院薬剤部係長/北海道科学大学客員教授 (初出:J-IDEO Vol.7 No.4 2023年7月 刊行) 医師「昨日夜に頭蓋内の硬膜外膿瘍で紹介入院となった患者さんがいます.早速本日ドレナージ術を施行予定です.すぐに抗菌薬治療を開始したいのですがメロペネム(MEPM)でよいですかね?」 薬剤師「硬膜外膿瘍ですか.患者さんの様子はいかがですか?」 医師「入院時のバイタルは収縮期血圧111 mmHg,拡張

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突破口 感染症診療の「難問」に答えはあるか(19)

第19回:私はこう治療している岩田健太郎 いわた けんたろう 神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学教授 (初出:J-IDEO Vol.7 No.4 2023年7月 刊行)

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