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J-IDEO(ジェイ・イデオ)

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感染症総合誌「J-IDEO」連載記事ごとの購読(一部のみ)が可能です。http://www.chugaiigaku.jp/item/list.php?tag=J-IDEO
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2021年4月の記事一覧

呼吸器感染症よもやま話(25)

[第25回]無限に存在する過敏性肺炎 倉原 優 くらはら ゆう 国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科 (初出:J-IDEO Vol.5 No.2 2021年3月 刊行) 過敏性肺炎の病名は不可思議也 いやー,昨年は過敏性肺炎が多かった気がします.COVID-19のせいでいろいろなニュースが陰に隠れましたが,ガッツリ梅雨っぽかったですからね.何も冠せずに「過敏性肺炎」と書くとき,Trichosporon asahiiによる夏型過敏性肺炎を指すことが一般的ですが,この真菌

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抗菌薬相互作用整理BOX(24)

[第24回]発疹発現ブースター~アンピシリンとアロプリノール~ 山田和範 やまだ かずのり 中村記念病院薬剤部係長/北海道科学大学客員教授 (初出:J-IDEO Vol.5 No.2 2021年3月 刊行) はじめに 先日,カナダのモントリオール心臓研究所(Montreal Heart Institute:MHI)から,痛風発作や家族性地中海熱に使用されるコルヒチンが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療に効果的で合併症のリスクを減少させることが報告されました

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微生物検査 危機一髪!(24)

[第24回]結核菌の塗抹検査って知っていますか? 山本 剛 やまもと ごう 神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部 (初出:J-IDEO Vol.5 No.2 2021年3月 刊行)  結核は全世界で1,000万人以上の感染者があり,年間140万人もの死亡者が発生している.日本では14,460人が新規結核患者として登録があり,統計を取り出した昭和26年に比べると1/40まで減少している.罹患率は11.5となり低蔓延国入りとなる10.0未満も目前となってきた.全死

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泣く子も黙る感染対策(25)

[第25回]新型コロナウイルスの職業感染予防 坂本史衣 さかもと ふみえ 聖路加国際病院感染管理室マネジャー (初出:J-IDEO Vol.5 No.2 2021年3月 刊行) はじめに 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が医療従事者の健康に与える影響について,世界保健機関(WHO)は以下の5つをあげている【1】. ・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染するリスク ・不規則な長時間労働や個人防護具(PPE)を着用しながらの不慣れな作業に従事するこ

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Dr.岸田の 感染症コンサルタントの挑戦(24)

[第24回]日本における感染症へのひとつの形―感染症コンサルタントによるプログラム介入による戦略③― 岸田直樹 きしだ なおき 感染症コンサルタント/北海道科学大学薬学部客員教授 (初出:J-IDEO Vol.5 No.2 2021年3月 刊行) はじめに 前回は,「感染症コンサルタントによるプログラム介入による戦略 ②」として,介入プログラムの具体的な内容を紹介しました.介入の手法としては単一の介入からバンドルアプローチの流れがありましたが,このような各施設の実情にあ

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突破口 感染症診療の「難問」に答えはあるか(5)

[第5回]感染症というキャリア 岩田健太郎 いわた けんたろう 神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学教授 (初出:J-IDEO Vol.5 No.2 2021年3月 刊行)

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呼吸器感染症よもやま話(24)

[第24回]COVID-19におけるPoint-of-Care Ultrasound(POCUS) 倉原 優 くらはら ゆう 国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科 (初出:J-IDEO Vol.5 No.1 2021年1月 刊行) 安全な検査を求めて COVID-19がパンデミックになったとき,聴診器をあてる行為自体が医療従事者への感染リスクになるだけでなく,胸部X線写真やCT写真を撮影することが,放射線科スタッフへの感染リスクになるということで,肺炎の重症度を評価す

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研修医のための微生物レクチャーシリーズ グラム染色所見と培養結果からどう考える?(12)

[第12回]グラム陽性球菌編 ⑫ 黒田浩一 くろだ ひろかず 神戸市立医療センター中央市民病院感染症科 (初出:J-IDEO Vol.5 No.1 2021年1月 刊行)  前回の連載では,腸球菌(Enterococcus属)による感染症について説明しました.今回は,腸球菌による感染症の治療について解説します. 腸球菌による感染症の治療1.薬剤感受性  E. faecalisはほぼ100%の株がペニシリンとアンピシリンとバンコマイシンに感性です.一方,E. faeci

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抗菌薬選択チェックメイトへの道(23)

[第23回]Controversialな揺らぎのなかで 山田和範 やまだ かずのり 中村記念病院薬剤部係長 (初出:J-IDEO Vol.5 No.1 2021年1月 刊行) 医師「5日前に腰痛を訴えて入院になった患者さん.入院翌日に血培2セット採取していたのですが,採取5日目の今日,1セットからEnterococcus faecalisが同定され,もう1セットからグラム陽性球菌(GPC)陽性の仮報告がきました.薬剤感受性結果は未着です.推奨抗菌薬はありますか?」 薬剤

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微生物検査 危機一髪!(23)

[第23回]臨床推論と微生物検査の繋がり 山本 剛 やまもと ごう 神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部 (初出:J-IDEO Vol.5 No.1 2021年1月 刊行)  先日,学会企画のなかで「微生物検査と臨床推論」がテーマの企画があり参加しました.そのときに感じた内容を今回ご紹介します. 1.臨床推論とは? 「臨床推論」とは当該患者の訴えた症状から疾病の内容や病態を明らかにし,診断と治療や,または予後を予測しながら問題を解決していく考え方です.推定し

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抗菌薬相互作用整理BOX(23)

[第23回]併用薬で薬効消失!?~CYPの誘導&阻害薬のドラビリンへの影響~ 山田和範 やまだ かずのり 中村記念病院薬剤部係長 (初出:J-IDEO Vol.5 No.1 2020年1月 刊行) はじめに 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)は,世界的に感染者数の増加の勢いがおさまりません.わが国でも散発的にクラスターを発生しながら感染者が報告され,専門家の間で当初から言われていたように長期戦の様相を呈しています.COVID-19

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Dr.岸田の 感染症コンサルタントの挑戦(23)

[第23回]日本における感染症へのひとつの形―感染症コンサルタントによるプログラム介入による戦略②― 岸田直樹 きしだ なおき 感染症コンサルタント/北海道科学大学薬学部客員教授 (初出:J-IDEO Vol.5 No.1 2021年1月 刊行) はじめに 前回は「感染症コンサルタントによるプログラム介入による戦略①」としてそのような介入に至った薬剤耐性菌の日本の現状を把握しました.そのなかで,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)と耐性緑膿菌の2菌種に限定してみても

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泣く子も黙る感染対策(24)

[第24回]新型コロナウイルス感染症対策1年間の経験則 坂本史衣 さかもと ふみえ 聖路加国際病院感染管理室マネジャー (初出:J-IDEO Vol.5 No.1 2021年1月 刊行) はじめに  新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発生して約1年が経過しようとしている.筆者が勤務する病院では1月以降,900名以上の疑似症を含むCOVID-19患者を受け入れてきた.今回はこの1年を振り返りながら,COVID-19対応を行うにあたり「これが役に立った」という(

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突破口 感染症診療の「難問」に答えはあるか(4)

[第4回]ダイヤモンド・プリンセス号の感染拡大問題,revisited 岩田健太郎 いわた けんたろう 神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学教授 (初出:J-IDEO Vol.5 No.1 2021年1月 刊行) 総合内科指導医S「いやー,D先生,J-IDEO,相変わらずおもしろいですねー」 同じく総合内科指導医D「なんじゃ,その露骨なヨイショは.ていうか,どこ向いて言っとるんじゃ」 S「読者さんです.だって,おもしろいんだもん.研修医たちにも強く推して

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