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【絵本レビュー】うし

ついつい言葉に出したくなる。

うしうしうしうしうしうしうしうし
牛がいっぱいだ

ページをめくるたびに、子どもがキャッキャと喜びそうなテンポの言葉が並ぶ。読み終わったあとで「もういっかい!」と言われること、間違いなし。

うし
内田麟太郎/詩
高畑純/絵
アリス館

5歳くらいの思い出。
親戚のおじちゃんの所に遊びにいった時。
「牛乳買ってきて。」
と言われ500円と大きなガラスの瓶を渡された。

多分、これが初めてのおつかい。

「行けばわかるから」とお店の場所を教えてもらい。
両手で瓶を抱えて、えっちらおっちら歩いていくと、石鹸や線香、タオル、アイスが並ぶお店の入り口に1頭の牛が繋がれていた。

初めて見る牛にビビりながら、小さい声で「牛乳ください。」というと。

奥から、まん丸な顔のおばちゃんが出てきて、牛のおっぱいにキュポキュポと何やらホースみたいなものをとりつけた。

「瓶をちょうだい。」と渡すと、瓶に漏斗をとりつける。
何だろう?と見ていると反対側のホースから真っ白な牛乳が出てきて、みるみるうちに瓶にたまっていく。

あたりは甘ったるい匂いであふれていた。
その間、牛はこちらを見ようともしない。

ずっしりと重くなった瓶を抱えて、おじちゃんの家へと戻ると、大鍋に牛乳を入れて火にかけた。

温まったミルクをコップに入れてもらい、飲んだ。
「ほう」
甘くて濃い味がした。

これが私と牛との出会いの話。
覚えているのは白に黒の模様、そしてミルク。
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