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【絵本レビュー】 ルピナスさん

世の中を、もっとうつくしくするために、なにかしてもらいたいのだよ

ルピナスさん-小さなおばあさんのお話-
バーバラ・クーニ― さく
かけがわ やすこ やく
株式会社ほるぷ出版

ルピナスさんは子どもの頃はアリスと言う名前でした。
なぜこの名前で呼ばれるようになったのかというと・・・。

世界中を旅して、いろんなことを経験したルピナスさんは、世の中を美しくするためにあることを始めます。

私がこの本を知ったきっかけは、ある知人のお話でした。

息子さんが二人いるその方は、毎晩、寝る前に絵本の読み聞かせをしていました。読んでいるうちに眠くなってウトウトして、子どもに起こされたり、どこを読んでいるのかわからなくなったり。

それでも読み聞かせを続けていたのは、子どもと過ごす時間と、文章を声に出して読むことが好きだったから。

何年かたち、今は息子さんは成人しています。

ある日、旅行をしていたらルピナスの花がたくさん咲いているのを見かけました。とても感激したので、写真を撮って

息子さんに
「ルピナスの花がとてもきれいよ」
とLINEを送ったそうです。

そうしたら息子さんから
「そういえば、”ルピナスさん”っていう絵本を読んでくれたことあったよね。あの本すごく好きだった。」
と返ってきたそうです。

そんな絵本を読んであげたことも、読み聞かせをしていたことも、すっかり忘れていたのに、そのメッセージを読んだとたん、息子さんが小さかった時の思い出がすごい勢いで蘇ってきたとおっしゃっていました。

子育てに必死だった時、何かしてあげられないかと思って続けていた絵本の読み聞かせ。

普段は絵本の話なんてしないのに「読んでくれたことあったよね。あの本すごく好きだった。」って言葉が返ってきたことに、すごく驚いたとのことでした。

そのお話を聞いて興味を持ち、探してきたのがこの「ルピナスさん」

1人の女性の人生を静かな語り口でつづっています。
息子さんのお話と相まって私にも忘れられない絵本になりました。

その息子さんは学生の時にシベリア鉄道に乗りたいと、ロシアに行ったのを皮切りにいろんな国を旅するようになったそうです。

この絵本の影響だとしたら、素敵なお話ですね。


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