たけうちちひろ×ふわはね スペシャルトークライブ 『作家とつなぎ手 ~絵本の向こうに見えるもの~』
朝から雪がちらちら降っている中、奈良にできたEHON HOTELに行ってまいりました~
たけうち ちひろさん と ふわはねさんの
スペシャルトークライブに参加するためです。
たけうち ちひろさんは、切り絵を使った作品が特徴的な絵本作家さん。
ふわはねさんは「絵本のつなぎ手」として活動されています。
このお二人のトークライブと聞いて、すぐさま申し込みました。
近鉄電車の学園前駅を降りた時には、雪の粒は大きくなってきていました。
そこからバスに乗り換えます。
雨粒より雪の方が落ちるスピードがゆっくりなのは、結晶が傘みたいに開いてフワフワ落ちるからかしら。そういえば傘を忘れてきた。そんなことを考えている間にもバスは、いくつも丘を越えていきます。
たけうちさんは歯車のギザギザや骨を切り絵にするのだから、雪の結晶も好きかもしれない。着いたら質問してみよう。
10分ほどで終点の赤膚山。主催のチェルビアット絵本店の四方(よも)さんから届いたメールを頼りにバス停からEHON HOTELまでを歩きます。
集まっていたのは、全員女性。
たけうちさんとふわはねさんが、目を見合わせて「何を話そうかな~」と言うのを皮切りに、ふんわりした雰囲気の中でトークライブが始まりました。
たけうちさんはイタリアのボローニャ国際絵本原画展に2回入選されています。まず海外で絵本を出版されてから、日本での刊行となりました。
その中でも「ぼくのつくりかた」の制作を例にお話が続きます。
この絵本は国によって判型とサイズが違います。日本で出版した絵本にならって海外でも同じ判型とサイズで制作するのかと思っていたのですが、そうではないとのこと。たけうちさんが個々の国の担当者と直接お話をされていると聞いて驚きました。それはすごいエネルギーのいる作業だと思います。
それぞれの国によって、表現の仕方や物語の内容も少しづつ違うということもお話されました。
例えば、この絵本の面白さはいろんなものが組み合わさって、いろんな生き物が出来上がるところ。
りんごやかぶとむし・・・きょうりゅうなどが組み合わさってできたのは
ぼく(男の子)なのですが。
イタリア版ではトランスジェンダーのことを考慮して、最初に出来上がったのはわたし(女の子)
なんですって。
男の子はこういうものが好き。
女の子はこういうものが好き。
というのも、決めつけないとのこと。
女の子でもアクティブに動いているというところを表現したいから、カイトを入れて欲しいとか、男の子もぬいぐるみを抱いて寝るでしょ?という主張からテディベアが入っていたり。
アメリカ版は肌の色に厳しくって子どもの肌の色は5色使って欲しいと言われたそう。多人種国家らしい考えです。
お話したあとで、海外版と日本版を見比べてみました。
色合いはほぼ同じですが、使っている紙が全然違います。日本はコート紙を使っていて、海外はマット調。
そして判型が違うということは、もしかして・・・
なんと!センターに顔がかかっています。日本じゃありえないかも。
海外は表現方法はこだわるけど、本の仕上がりにはそこまで考慮しないのかもしれませんね。
著作権のことを考慮して写真は撮らなかったので、私のつたないイラストで失礼します。
面白いなあ。こういうところも受け入れてしまうたけうちさんのおおらかさが素敵だと思いました。
トークライブのあとで、奈良のイタリアンPizzeria Icaro(ピッツェリア・イーカロ)のピッツァをいただきながら、参加された方々と絵本の話を繰り広げました。
お話は尽きません。
絵本の好きな方々と、このイベントでつながりを持ったことで、新しいことが始まりそう。
ワクワクしてきました。
ふわはねさんの言葉で印象に残ったものを記します。
絵本は世界とか文化の扉。知ると見えてくる。
もう少し、ゆっくりお話をしていたかったのですが。
会社に戻らなくては。。。
うしろ髪を引かれる思いでEHON HOTELをあとにしました。
帰り道で雪の結晶のことをたけうちさんに聞くの忘れてたのを思い出しました。
また今度お聞きしたいと思います。
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