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子どものお手本にならない絵本

いきなり、とんでもないタイトルにしてしまった。
今回ご紹介するのは

お月さまにげた
作・絵:谷川晃一

まず表紙の書体が好き!
楽しさが伝わってくる。

私も絵本の打ち合わせをする時に、
いろんな書体でタイトルを作ってから見せる。

物語と絵のラフができてきたところで
書体のお話をすると、みなさん「はっ」とした表情になる。

本になるんだ!と意識する瞬間
書体って大事。

めくるとお月さま色の見返し
※見返しとは表紙の中側のこと

この見返しが鮮やかな黄色だったので
「これよ これ〜」と嬉しくなる。
(私は本の見返しが大好き)

中のページも鮮やかな色と大胆な構図で
物語は展開していく

コラージュの技法を使っているところも素敵
じっくり見てしまう。

物語は嵐の夜、酒場にお月さまが
フラッと立ち寄る
っていうところから始まる

酔っぱらって楽しそうで
ちゃっかりしてて
ちょっとずるくって

大人なのでこんな気持ちわかるけど
子どもにしたらどうなんだろ
酔っぱらって帰ってきたお父さんの姿を見ていたら
嫌だなあって思うのか
もうしょうがないなあとか思うのか

うちの父は酔っ払って帰ってくる時
よく歌を歌っていた
お風呂から上がってリビングでテレビを見ていると
遠くから歌声が聞こえてくる。
「そろそろ、お父さん帰ってくるよ。」
なんて母と言い合ったものだ。

物語を作るときに
誰かのためになるもの
って意気込まなくてもいいんじゃないかしら

子どものお手本にならない
楽しいおじさんのお話。

そんな絵本もあっていい。

こちらの絵本を通じて伝えたかったのは
絵本のデザインとお話作り
チャックルでは自費出版絵本を制作しています。
いただいた原稿をそのまま絵本の形にするのではなくて
作りたい人と打ち合わせしながら一緒に作りあげていくのが特徴です。

タイトルの書体
内容と合っていることが重要
もちろん、作家さんと打ち合わせして決めます。

見返しの色
表紙と本文をつなぐところなので
ここから序章と考えていただいてもいいかと思う。
ただ凝りすぎると予算オーバーしちゃうので
考えながら決めたいですね。

実はためにならなくてもいい
読んでいてなんだか楽しくなる
クスッと笑える
そんなお話もいいと思います。

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