『殺戮にいたる病: 我孫子武丸』を読んだ

最初に思ったのは、女性は読まないほうがいいかもしれないということ。

殺人のシーン(犯人にとっては真実の愛だが)の描写は、言葉は悪いが胸糞悪いものだった。あまりにもリアルすぎる。女性を象徴する乳房を切り取る行為が行われており、身震いした。
自分の腕で自分の体の温かさを確認して、生を実感しながらでないとページを読み進められないくらいに。それぐらい恐ろしかった。

また犯行を繰り返すうちに、より愛を求めて、行動しているのが気持ち悪い。乳房や子宮を持ち帰ったり、ビデオに撮って思い返せるようにしたり。満たされない愛を埋めるために行動している描写が読んでいて辛かった。苦しい。

最後の最後で、今まで見てきた物語の構造をひっくり返された。世界を崩された。呆然としたまま終わった。そのまままた最初のページに戻って、世界に入り直さないと気が済まなかった。

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