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240607◇デ・キリコ展へ

東京都美術館で行われている特別展『デ・キリコ展』へ行った話。

インスタとかTwitterとかで広告を見かけてから、ずっと気になっていた。何この赤いやつは。人のようで人でないもの。美術にはまったく明るくないので、衝撃的な出会いだったと思う。写実的なものとは違い、意図が分からないとその良さも分からないままになるなあと思って現地に赴いた。

ちなみに、音声ガイドにムロツヨシが起用されていて、それもまた行きたくなるきっかけだったと思う。バラエティもできるのに、シリアスなドラマもできてすごい俳優だよね。声が良い。

◎感想

・「とりわけ必要なのは優れた感受性だ。世界の全てを謎として見ること。不思議なものでいっぱいの巨大な博物館のような世界に生きることだ。」

音声ガイドから流れるセリフ。展示を見終わってから改めて考えると、この文章にはデ・キリコとはなんたるかが詰まっているように感じた。

・自画像のタッチが力強く、自我の強さを描いているように感じた。幼き頃から美術を学ぶのに恵まれた環境にいたのか。それだけでなく、哲学も学んでいたらしい。思考が絵に結びついたのかな?どの自画像も派手だ。

・「謎以外に、一体何を愛せようか」

・絵画との距離感難しい。どの距離から見るのがベストなんですか?近くで見ると油絵の筆の乗り方が感じられて素敵だったが、離れて見ることで全体を把握するのも良かった。

・形而上絵画
あらゆるものを初めてみているかのような不思議な感覚に陥るという経験をしたデ・キリコ。「よく知っているはずの日常が非日常に見える、現実の奥に非現実が見える」ということらしい。最初に見た自画像たちに比べて、明らかに画風が変わった。写実的ではなく、目の前の事象のコアだけを描いているというか、なんというか、リアル・現実ではなくなっているなと。語彙が無くてな。

・自分の過去作すらも糧にして新しいものを作っていく。新しい作品に昔の作品のモチーフや絵画そのものが存在していて面白かったな。

・自画像や肖像画から、 形而上絵画、西洋絵画の伝統に回帰した作品、晩年の新形而上絵画にいたるまで多くの作品が並んでいた。彫刻や舞台芸術、挿絵など幅広く活動していたらしい。

・2時間ほど、ガイドを聞きながら、ゆっくり歩いて楽しんできた。私も衝撃的な啓示と出会えるのだろうか。物事の見方が変われば世界も変わるのかも。

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