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イギリス児童文学的 異世界へ行く方法

ファンタジー好きなら、
「異世界に行ってみたい」と夢見たのは一度や二度ではないはず。
stand.fmでイギリス児童文学的異世界へ行く方法について語ってみた。

先日初めてstand.fmに投稿してみた。
そこで、映画『君たちはどう生きるか』の構想のもとになった作品の
『失われたものたちの本』を紹介したのだけれど、
主人公の男の子が異世界に行く方法が
イギリス児童文学あるあるな方法で、
なんだかうれしくなってぜひ語りたいと思ったため。

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(以下は音声で話した内容をだいたい文字起こししたものです)

現代日本の異世界への行き方だと、
トラックに轢かれそうな猫を助けて代わりに轢かれるとか、
過労死寸前まで働いて、目覚めたら異界転生している
という方法が多いかなと思う。
それだとかなり危険なので、
より安全な、イギリス伝統的な方法はこちら。

異世界に行く方法

手順①
イギリスの田舎の洋館に泊まる 。できれば庭つきがベスト。
B&B(Bed and Breakfast)という一泊朝食付きのホテルがおすすめ。

手順②
B&Bのオーナーや村人に、聞き込みを開始する。
不思議な現象はないか、過去に神かくしにあった子供はいないか、など。
本人に会えるとなお良し、詳しくお話を聞く。

手順③
神隠しにあった子供の当時の想いに共感、想いをはせる。
その子と同じような悩みや孤独を抱えていると、
同調して異世界に行きやすくなるため。

手順④
夜中に何か呼びかけがあったら応じる 。
物音がする、呼びかける声がするなど。
多くの場合、入口はクローゼット、古い本、庭の扉などに設定されている。

以上の手順で気づいたら異世界にいるはず。多分。

(※注※)
自己責任でお願いします。
行けなかった
行った先が理想通りじゃなかった
行ったら帰ってこれなかった、などの責任は負いかねます。

『失われたものたちの本』でも上記の手順にしっかりと則っている。
田舎の洋館の庭から異世界につながっているし、
過去に神隠しにあった子供と
同じ悩みや孤独を抱えていたという描写がある。

イギリスファンタジーについて

ファンタジーは
ハイ・ファンタジー(High Fantasy)という完全架空の世界の物語
(例:『指輪物語』 、『ゲド戦記』など)と
ロー・ファンタジー(Low Fantasy)という
現実世界の中にファンタジーがまじりあう物語に大別できる。
(例:『床下の小人たち』など)

『ハリー・ポッター』の魔法界に行く前のパートも、
ロー・ファンタジー的な要素があって面白い。
道を曲がったら魔法使いの村があるのでは?
ポストにホグワーツ魔法学校からの入学案内が届いてないかな?
などのわくわく感があるし、
実在するキングスクロス駅9番目、10番目のホームの間に入口がある
というところもロー・ファンタジーっぽい。

ロー・ファンタジーは別名「everyday magic」とも言い、
(こっちの方が夢の国感があって好き)
現実と非現実の境目が薄くなる、ゆらぐというところが醍醐味。

日本のファンタジーとの共通点

イギリスと日本は島国のため似ているところが多いと思う。
日本は妖怪、イギリスは妖精というように、
この世のものと、この世ならざる者とが隣り合わせに暮らしている感覚が
根付いているように思う。

アメリカのファンタジー児童文学の代表作『オズの魔法使い』では
主人公のドロシーが竜巻で飛ばされるという方法で異世界に行くが、
このことから
異世界は生活圏からかなり遠くにあること
しかし地続きであるということがわかる。

どんどん遠くに行くといつのまにか異世界にたどり着くというところが
大陸っぽいなと感じる。
島国だと、遠いと言っても知れているため、
生活圏の中の、けれどもあの世との境界線が薄いところから迷い込む
という展開になるのだと思われる。

イギリスの家と庭

イギリス児童文学的異世界へ行く方法の特徴のもう一つに、
家やその家の庭がポータルになっているというところが上げられる。

おそらくレンガ造りで耐用年数がかなり長いためで、
耐用年数が少なめの日本の家では少し考えにくい展開と言える。
そのため、日本だと神社などの神的な存在の領域にふいに迷い込む
という方法で異世界探訪が始まることが多い。

イギリス文学あるあるとして、
「家が持ち主を選ぶ」というところがあるところも面白いなと感じる。
血縁や、相続の有無や、書類上の誰がオーナーなのかが関係なく、
家がもつ価値観(=過去に住み、その場所を大切にしていた人物の価値観)と同じ想いを持つ人を引き寄せるというのがあるある展開。

紆余曲折ののち、正当な人が真のオーナーになると、
家や庭がとたんに生き生きしてきたり、
その人自身の身の回りに喜ばしいことが起こり始める。

以上です。
他にも異世界に行く方法を知っている人がおられたら
ぜひコメント欄で教えてください。
安全な方法でお願いします。
他にも「この国ではこんな風に異世界に行けるよ」という情報があれば
ぜひ教えてくださいね^^

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