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ハラスメントと会話術

最近、会社の中でハラスメントについて
グループで話をするという機会がありました 。
私が新入社員の時は「セクハラ」という言葉自体は
よく聞く言葉になっていたのですけれども
まだ誰もあまり気にしていないという状態でした。
地方の古参の企業だとどうしてもそうなってしまうのかなと思います。
新人歓迎会などは若干無法地帯で
女性の先輩方に守ってもらったという感じでした。
場がしらけないけれどもピシッと
やめさせることをやめさせるという会話術に
すごい なと感じたのを覚えています。

昨今のハラスメント問題というのは
「確かにそれはダメでしょう」と思うものもあれば
「それは ちょっと過剰反応では?」と思うものもあります。

基本的に他者に干渉しないという風潮が強まっているので
やりすぎている人がいたら
ちょっと間に入って場を収めるということを
あまりやらなくなってきたということがあるのかなと思います。
何かトラブルが起きているなぁと感じても
止めるというよりも遠ざかる方を選びます。
逆ギレして殺傷事件が起きるということが報じられることがあるため
身を守るためには当然のことかなと思います。

したがって法律(ルール)によって
自分の身を守るしかなくなってくるのですが
ルールというのはどうしても曖昧さというのを許さなかったり
融通の効かなさがあるなと感じます。

私が先輩方からしてもらったように
私が若い子を何かの魔の手から
会話術で守って あげるということは
しかし。とても難しいように感じています。

というのも。こういうのは
コミュニケーション能力に長けた人でないとできないからです。

双方がどこまでなら許容できてどこからが許せないのか
笑って済ませられるところとそうでないところの
線引きを見極めながら
エスカレーションしている相手に
ユーモアを交えながら「それはダメなことだ」と伝え
嫌な雰囲気にならずにその場の会話の流れを変えるというような
非常に高等なことをやってのけないといけないからです。

話は戻しまして
新入社員を迎えるにあたって改めて
気をつけようねというディスカッションの場でした。
私の所属している会社では4月から6月まで集合研修をしていて
7月から本格的に新人の配属が始まるからです。

その中で
「若い子に話しかけたら何を言っても
 パワハラかセクハラになる気がして怖い」というふうな意見があって
非常に共感しました。

血液型を聞くのも
ある種のレッテル貼りになるからダメという話を聞きます。
最近は出生時に血液型を調べないことも多く
若い方は特に過去に血液検査をしない限り
自分の血液型を知らないというケースもあるそうです。
血液型を聞くのがダメならきっと
何座生まれというのを聞くのをダメだろうということで
何なら質問していいんだろうと怖くなってしまいました。
「イケメン」というのも
ルッキズムとかセクハラになりかねないとのことで
「年配の先輩社員からは何を言われたって
 若い社員にとってはパワハラにしか聞こえないんだから気をつけないと」というふうに言われてしまってショックでした。

その会話の中できのこの山、たけのこの里というお菓子がありますが
どっちが好きですか?というふうな話になりました。
私はきのこの山派なのですが
その場にいた他の全員がたけのこの里派だったということに驚きました。
まさかマイノリティだったとは…

気になって後で調べてみたところ
確かに若干たけのこの里の方が売れ行きがよく
若年層ほどたけのこの里を好む傾向はあるとのことでした。
その時に
「きのこの山が好きとか嘘だろう?」というふうに言われてしまいました。
(笑い話なんですけれども)

帰りにきのこの山とたけのこの里を買って
食べ比べてみ たんですけれども
明らかに味が違ってきのこはプレッシル…ザクザクして噛み応えがある
一方でたけのこはクッキー…
例えばチョコチップクッキーのような食感でした。

ホームページを見てみたら
きのこの山、たけのこの里のチョコレートは
土台部分に合うように若干味を変えてあるとのことです。

またきのこの方が少しチョコの量が多く
たけのこ里よりも4年ほど早く販売を開始しているそうです。
今回食べ比べてみて改めて私はきのこ党だなぁと決意を新たにしました。

先ほど「きのこの山が好きなんて嘘だろう?」というふうに言われた時
私とその人の関係性というのもあるのですが
全く嫌ではなかったし
むしろマイノリティであることを誇りに感じました。
(この程度のマイノリティで傷つくということはないのですけれども…)

お笑い芸人さん
特にマツコ・デラックスさんや鶴瓶さんは
相手がいじられて嬉しいラインを踏むのが
さすがにお上手だなと感じます。

「マツコの知らない世界」ではその道の専門家ではあるものの
芸能人ではない方をゲストに迎えてトークをします。
言い方によっては否定されたと感じるような内容でも
マツコさんにそう言ってもらってなんだか嬉しく
「それ違う」「それ変よ」「ええー?何で」
というふうに言われる場面でさえ
逆に、その人が自分を特別な存在に感じられるというような
不思議な現象が起きます。

鶴瓶さんは「家族に乾杯」という番組で
本当にそのあたりの道を歩いている一般人相手に
それをやっていたりします。
なので見ていてすごく勉強になるなと感じます。
フランクに話しているようでかなり
気を配って話しておられるなと思います。

何々ハラスメントじゃないかっていうふうに恐れるのではなくて
そういう会話術というのを
身につけられるようになっていきたいなと感じます。

カバー写真:UnsplashのPriscilla Du Preez 🇨🇦が撮影した写真

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