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腕時計ブログ【機械式時計の醍醐味!複雑機構のご紹介】

マリー・アントワネットも機械式時計の虜だった?


時計の本来の役割は『正確な時刻』を知らせることですが、16世紀に機械式時計の基礎が完成されてから、複雑機構やオーバースペックのモデルが次々と生まれ、時計の進化は日進月歩し、どの時代もユーザーを虜にしています。普段使用しない機能に対価を払えることこそがラグジュアリーであり、かのマリー・アントワネットも天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲに当時の世界最高の複雑機構時計を依頼したとか。しかし、その時計を手にする前に、断首台の露と消えてしまいました。

今回は、創業当初より‘世界初’の傑作時計を数々発表し、唯一無二なブランドとして時計愛好家から支持を集めているクロノスイスの複雑機構を搭載したモデルも交えてご紹介していきます。

●機械式とデジタル表示の融合「ジャンピングアワー」
時刻の表示は大きく分けて2種類(12時間の針表示or数字による表示)が主流ですが、実はもうひとつあります。それが「ジャンピングアワー」です。文字盤に設けられた小窓に、 デジタルの数字で時刻を表示する機構。表示窓の数字が1時間ごとに切り替わり、時刻を表す数字がジャンプして瞬間的に切り替わるため、ジャンピングアワーと呼ばれています。

クロノスイス「DELPHIS ORACLE(デルフィス オラクル)」


40 周年を記念した2023年の新作モデル。ジャンピングアワーとレトログラードミニッツを搭載した1996 年発表のアイコニックピース「デルフィス」をまったく新しく再定義。美しいファイヤーエナメルとユニークにカーブしたギョーシェ文字盤を備えました。

●通好みな視覚的な面白さ「レトログラード」
「レトログラード」と聞くと、まず‘レトロ’という言葉にフォーカスするのではないでしょうか。‘レトロ’とは、“回顧”や“昔の”という意味を持っているので、古くからある機構のようにとらえる方もいるかもしれませんが、一般的にこの機構が搭載されるようになったのは30年程度前からのようです。
「レトログラード」とは、フランス語で“元に戻る” “さかのぼる”という意味。
時計の針は通常右回りに円運動を繰り返しますが、レトログラードは「扇形に運針」するように設計されており、特殊な動きを見せます。
レトログラード セコンドの特長は、0~30秒を往復運動する秒針が軌道に沿って進み、30に達すると針はジャンプして再びスタート地点の0に戻ります。30秒ごとにこの動きを繰り返して時計の針が一瞬止まり、また反復するという通常の時計では見られない動きをします。思わず見入ってしまい、時を忘れさせてくれるのが魅力です。

クロノスイス「OPEN GEAR RESEC (オープンギア レセック)」


レギュレーター式ダイヤルとレトログラードセコンドを組み合わせたモデル。従来6時位置にセットされていた1周360度のスモールセコンドの代わりに、120度の扇形の中を往復運針するレトログラード秒針が配置されています。
 
●澄んだ鐘の音が響く「クオーターリピーター」

クロノスイスは、腕時計に初めてクオーター リピーターを搭載した「Répétition à quarts」を2003年に発表しました。
時刻を知りたいときにケースサイドに設けられたプッシュボタンを押すと、時計に組み込まれたハンマーが鐘を叩くという仕組み。 15分の単位で知らせるものをクォーターリピーターと呼びます。


●世界三大複雑機構の一つ!「パーペチュアルカレンダー」
パーペチュアルカレンダーは、音で時刻を知らせるミニッツリピーターや重力を分散させるトゥールビヨンと並ぶ世界三大複雑機構のひとつ。パーペ チュアルカレンダー(万年カレンダー)は、閏月(うるうづき)の調整も自動でおこなうカレンダーであり、約100年間日付の調整が不要な時計。
電子部品を使わずに数十年先までのカレンダーを歯車の噛み合いだけで計算&組み上げられたそれは、緻密な計算を要します。
100年に一度の“例外”を除いて、時計が止まることがないロマンあふれるタイムピースです。


なくても困らないけどあればより楽しいオーバースペックな時計。日々の生活のエッセンスとしてそれを楽しむ余裕をもちたいですね。


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