オフラインのゲーム大会で積極的にフリー対戦(野試合)をしてもらうために

スマブラ界隈では「フリー対戦」、格ゲー界隈では「野試合」とかタイトルによって呼び方は異なりますが、オフイベントの開始前とか、トーナメントが進んできて空いてきた台でその辺の人と対戦するやつ、あるじゃないですか。

あれって、特に運営サイドから「何戦で交代です」とか「2本先取で席変わってください」みたいな指定をしない限り、同じ相手と同じ台を使ってずっとやると思うんです。

じゃあ試合数指定してやれば解決かというと割とそうでもなく、実際は指定してても明らかに長くやってんなって人も見かけます。
運営側としては指定していることは守ってほしいし、声掛けもするんですが、運営はトーナメントなり配信なりを注視しているため「対戦台の一部を誰がずっと使ってる」とか全て見張って注意するのは正直無理です。

ということで、「フリー対戦を積極的に回させるにはどうするべきか」という点を考えてみます。


なぜフリー対戦の環境を良くしたいか

自分の大会で観測できる範囲では、「3戦交代」など浸透してきている(多分)ので、最近は見られないですが、イベント終わった後で「あの大会はフリー対戦できない。身内が固まっていて台が空かないし、新規に優しくない、つまらない」みたいなことを言う人が過去に出てきたことがあります。

実際8年前とかはアンケートでそういう指摘がきていたり、Twitterで大会名指しで過去のこのイベントはこうだったからオススメしない(意訳)、のような発言をされるようなこともありました。

正直どこのイベントで起きてもおかしくない問題ですし、現在進行形で似たような問題を抱えているところもあると思います。自身も試行錯誤しながら改善は尽くしていました。

特に「イベントが少なく、定期開催されていない地域やタイトル」に関しては、参加者が慣れてないことも多いので、事前のアナウンスや空き時間での交代の声掛けをやっていてもそのまま対戦続けちゃうとか、「他も台交代してなさそうで待ってる人もいないし、そのまま連戦しちゃお」みたいなことになるのも想像に難くないので、運営側はある程度工夫はした方がいいのかな、と思ってます。

対戦しやすい環境とは

オフのイベントに慣れてる人はトナメ敗退しても、知り合い見つけて対戦なり雑談なり、知り合いの応援をしたり、対戦台が空いてなくとも時間潰しは比較的楽だと思います。

対戦台が空いてなくて困るのって、知り合いも少なく、勝手も良くわからないから対戦したいけど声もかけづらい、みたいな方が大半です。
そのため、初心者をどう動かしていくか、また慣れてる人にもアシストしてもらうにはどうするか、という点がメインになると思っています。

自分も経験ありますが、周りが知らない人だらけの場合に全く知らない人にいきなり話しかけるのはなかなか難しいし、オフ行きたての頃って周りがみんな強く見えるんで萎縮しちゃうんですよね。


なので、「初心者でも対戦しやすい環境」≒「積極的に対戦が回せている環境」になるというのが持論です。

「対戦できない!」に対して「対戦したいなら自分から声かけたら?」という意見も見かけます。
受け姿勢のままでは知り合いも増えないし、現状から変わらない。それはそう。
でもそういう人ばかりでもないので、最初の一歩を踏み出す手伝いは運営側として協力してあげたいと思ってます。

新規は大事に!

新規を大事にするコミュニティはいいコミュニティで、世代交代がやりやすく継続しやすいと思ってます。
人がいないと引継ぎもできず…みたいなのはコミュニティも会社も同じです。

よりよい界隈にするには、界隈人口ピラミッドの下の層は特に大事にして、できる範囲で増やしていく方が絶えることがなくて良いです。

これは人口ピラミッドがかなり逆三角寄りで歪になってしまっている界隈(スマブラDX)出身の自分だから危機意識を持っているんですけど、新規がいないと運営陣が高齢化します。
高齢化すると社会の闇に囚われ戻ってこれなくなる運営陣が増えます。
運営がいなくなると盛り上がりに欠け、イベントが消えていきます。

稀にバーサーカーみたいなイベント運営もいますが、それは極端な人口低下で発生した突然変異なので、そこに頼っていると急に立ち消えることもありえます。人は多いほうが良いです。

数あるゲームの中でスマブラDXを選んで、わざわざ足を運んでイベントに来てくれたのに「最速敗退してやることないなった、声掛けづらいし馴染めないかも…」で終わらせてしまったらとても勿体ないです。
20年以上前のタイトルのイベントに足を運んでくれているだけでも奇跡に近いので、出会いを大事にしたいと常日頃から思ってます。

そういう場で初見の人が来たら、まずは対戦という名のコミュニケーションから。殴り合えばもう知り合いです。
その後、SNSで繋がったりで親睦を深めましょう。

界隈に長くいても、新規は優しくしていきたいですね。

対戦できない問題対策あれこれ

では、どういう風に対戦台を回すか(初心者も入りやすい仕組みを作るか)ということなんですけど、

  1. 「3戦交代」「規定数対戦が終わったら一度席を立つ」などのルールを設ける

  2. 「順番待ち席」を設け、前の人が規定数対戦終わったら次の人に交代させる

  3. システムを介入させる

概ねこんなところだと思います。

ちなみに、九州のスマブラ大会である九龍のスタイルでは、「B,C,Dトナメ」などを設け、予選落ちしたプレイヤーにもトーナメントを用意し、フリー対戦とは別のところで満足してもらうという手もあります。
が、運営への負荷は高いので、慣れてる運営陣でないと導入が難しいところはあります。


案1は一番簡単で、プレイヤーに声掛けをして「フリー対戦のルール」に従ってもらう方式。参加者の善意に依るところも大きいですが、これで対戦台がうまく回るのであればこれでいいです。
ただ、声をかけづらいと思っているような初心者が入っていくには難易度高いかもしれません。

案2は、関西のスマブラ大会、スマバトで実施されていた方式です。実際自分はスマバトに行ったことはないんで今も続いているか定かではないのですが(九龍×スマバトには行きました)、こちらもうまく回っていたようです。
対戦者は待ってる人がわかりますし、並ぶ側にも「あとどのくらいで対戦できる」を可視化できるのが良いと思ってます。並んでたら対戦できるので、とりあえず対戦したければ並べばいいですしね。

デメリットとしては、待ち列を用意して並ばせるためには会場にそれなりのスペースが必要になってくる点でしょうか。

フリー対戦にシステムを介入させる

案3のシステム導入とはなんぞや、というところですが、具体的にいうとスマブラ勢では皆さんご存知「スマフリ」が上がってくると思います。

スマフリ(SmashFreaks)

知らない人向けに簡単に言うと「オフラインでレート戦」ができるツールです。

対戦したい人が登録し、試合待ちにするとマッチングされて「〇番台で△△さんと対戦です」と表示されるので、対戦を済ませて結果入力をする、というのをやってくれます。

運営側としての使い方はひかりさんの記事を参考に。開発者はぽんさんなので、実際に使いたいという方はぽんさんまでお声がけください。

ぽんさんTwitter
https://twitter.com/GanoPon

対戦したい人が声をかけなくても、自動でマッチングされるので便利です。2本先取、3本先取などでプレイヤー側が勝手に対戦してくれるので、運営的にはすごく楽で、積極的に参加しやすいものになると言えます。
実際自身のイベントや、他のイベントの協力時に触っているので、簡単な手助けはこちらからでもできると思います。

デメリットとしては、対戦台の番号を設定として割り振っておくなどの若干の前準備が必要であること、参加者側へのシステム自体の認知が必要になること、
そして参加者各自のスマホが必須になってくるため、スマホがない小学生など一部参加者にとってはイベント自体への参加が困難になってしまうことが挙げられます。

実際あった話で、日本語が通じない海外勢にこれがなにをするものなのかうまく伝わらず、スマホでこれを登録して〜と、仕組みとやり方を説明するのは難易度高かったです。

また、レート戦で勝者が決まるものなので、ある程度勝ったら試合しない人も出てきた事例もあるとのこと。ここはレート戦という仕組み上難しいところですが…。

スマッシュサバイバル

もうひとつ、オススメしたいのが「スマッシュサバイバル」です。
なんだそれはという方が大半だと思いますが、筆者、クロマキバレット自身が開催するスマブラオフ大会「クロブラ」でフリー対戦に採用している形式です。

自分で思いついた形式ですが、運営としては楽だし試合もちゃんと回るのが利点です。

運営サイドのやることは簡単で、紙を印刷してプレイヤーに配るだけ。

それだけで、
・勝手に空き台で対戦をやってくれる
・2本先取で決着をつけて必ず席を立たせる
・慣れてる人が初心者を誘って対戦しやすい形を作る

というのが実現できます。

スマッシュサバイバルの用紙

ルールとしては、

  1. 紙とペンを参加者に渡しておく

  2. 紙を持ってる人=「対戦待ちの人」となるので、参加者同士で声をかけて対戦相手を決めてもらう

  3. 適当な空いてる台で対戦(BO3)をしてもらう

  4. BO3の結果に応じてスコアを得る(2-0なら4点、0-2なら1点)

  5. 得点の高い人が勝ち

というものです。

対戦相手を探すのは参加者に任せることになるのですが、ただただフリー対戦をするのではなく、「試合後に負けてもポイントが貰える」という動機を作ってあげるところがキモです。

対戦を重ねれば得点が加算されるので、対戦やったもん勝ち。
いろんな人と対戦をするようになりますし、対戦をやりたい人ほど実力関係なく片っ端から対戦をするという流れを生み出せます
紙を持っていれば対戦相手になりうるので、「紙を持ってる人に声をかければいい」という判断ができますし、声をかけやすくなります。
また声をかけれず立ったままでいても、ポイントが欲しい人、オフイベントに慣れてる人から声をかけてくるという状態を作れます。負けてもポイントは増えるので、「負けると得点が下がるから対戦しない」という人はでないでしょう。

ルール的にも初心者に優しく、とりあえず紙さえ渡しておけば特段することもないのでトーナメントの裏でやってもらうには便利です。

デメリットとしては、「試合時間短いキャラが有利」という点から、過去にはガノンドロフやアイクなどパワーキャラが全てを破壊して上位に食い込んできているってのもあるんですが、あくまでも対戦数増やして交流するのがメインなので、そこまで重要視してません。(もちろん普通にポイント落とさず2-0で勝ち続けたほうが強いです)
あとは結果をちゃんと出す場合は集計がちょっと手間、というのはあります。

デメリットを踏まえても、メリットの方が大きいので、積極的に対戦してもらうにはどうすればいいかわからないという方には是非採用していただきたい方式です。

まとめ

ということで今回は「スマッシュサバイバルをみんな使ってみてね」というのが記事の本題になります。

あくまでも「こういう形式ならオフイベントの対戦周りを改善できるよ」というものなので、「スマッシュサバイバル」という名前を使わなくてもいいですし、ルール改変して自由にやってもらってもいいです。

他大会の取り組みも軽く触れましたが、コミュニティ大会の独自色を出すのが一番良いと思いますので、「全ての大会でこれが最適解!」というものはないです。
あくまでも参考として扱ってもらえれば幸いです。


ここで大会の告知です。
2024/9/23(月祝)に横浜市技能文化会館多目的ホールにて、
スマブラSPとスマブラDXのイベント「クロブラ43」
を開催します。
スマブラSP 192人、スマブラDX 32人規模のイベントです。

現在参加申請受付中!


参加申請はこちらから!
スマッシュサバイバルもやりますので、対戦したい方、お待ちしています!


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