ドラマみたいな感動的な名場面ではなかったけど、その先には未来があった。
「ねぇ、一緒に死のうよ」
母のことが大好きだった。
ケンカもするけどいつも一緒にいた。
だから最後まで、一緒に。
そう、本気で思っていたのに。
「いやだよ」
「マイが死んでも、お母さんは生きるから」
十五歳。
新しい環境に、新しい高校生活。
慣れることに、こなしていくことに必死で
毎日は止まる暇もなく流れていった。
自分では普通に過ごしているつもりだった。
母はある日唐突に、心療内科へ行こうと言いだした。
母も父も中学生の弟さえも、私のことを変だと言う。
文字通り、