2000滋賀で世界宣教FES・アーメンライダーも登場
「グローカル」という言葉がある。地域(ローカル)に根ざしながら世界(グローバル)を視野にという意味だが、正にそれを地で行く大会が、滋賀県の「超教派」のキリスト教界の協力で行われた。
滋賀県のプロテスタント教会は、戦後にできたものはWEC(ウェック、世界福音伝道団)を通して来日した宣教師の働きで「開拓」によるものが10教会に及ぶ。
また戦前から、ヴォーリズ建築やメンタームで知られるウィリアム・メレル・ヴォーリズら近江兄弟社の働きによって発足した教会も多い。
クリスチャン新聞2000年8月6日号「かんさいだより」に載っているのは、滋賀県米原町のホールで開かれた「ジーザシ・フェスティバル2000」。
教派を超えて共に神を礼拝する時を持ち、また互いの親睦を深めた。
グローカルということを冒頭に書いたが、そのことが如実に表れたのが「宣教師体験疑似ツアー」。
これはWECの在日宣教師らが企画した。
何人かのグループで仮想の国に“入国”し、そこで異文化体験をするという趣向だ。
まず入国管理の段階でカルチャーショックに直面する。入国手続きがぐず
ぐずして前に進まない。ここで、わいろを要求されているように察して、前もって「入国セット」として渡されていた中から「紙幣」を握らせて入国するグループもある。
パネルで仕切られた中の部屋では、その国の宗教指導者と対話する場面も。
「なぜ、肌が見えるような服装をしているのか?」と、日本の文化においては思いも寄らない不快感を表明されたりしてショックを受ける。
また、「私はそれでもクリスチャンを尊敬している。なぜならわいろを使わないから」という宗教指導者の言葉に、「実は私、入管でおカネを渡しました」と告白する人がいて、「お前たちの話なんてもう聞きたくない」と言われてしまう。
そんなユーモアのこもった仕掛けに笑いながらもショックを隠しきれず次の部屋へと……。
簡単な世界宣教クイズや、職業人として世界宣教にコミットする場合、どんな分野があるかなどの説明もあって、世界宣教志願者のリクルートのようでもあった。
WECの来日宣教師で、疑似ツアー案内人の一人だった北村イレインさんは来日31年。日本人の夫と結婚している。「日本のクリスチャンも世界宣教に関心を持ってどんどん出かけて欲しい」
子どもたちにももっと楽しんでもらえるようにと「アーメンライダー」という寸劇の上演もあった。これは「超魅力的なゲームソフトを使って世界中の人々を罪に誘おうともくろむ毒麦男爵と主人公が闘うというもの。
他の展示も、名古屋港に入港中のところをかけつけた伝道線「ドゥロス号」の乗組員や、アンテオケ宣教会、アジア福音宣教会など国際色豊か。
海外でイエス様を信じた日本人の若者のグループや、逆に、滋賀県内の教会で共に信仰を守っている在日南米人グループ、また救援活動のなか福音を証しする日本国際飢餓対策機構など、多様な世界宣教の姿を実感させた。
もちろん近江兄弟社からも岩原社長自らブースに入って、来会者と対話していた。
合同礼拝の時間には、さまざまな教派の牧師や信徒が、子ども向きメッセージ、礼拝メッセージ、ゴスペルバンド、タンバリン隊などが活躍し、神をほめたたえた。
滋賀県では1980年のビリー・グラハム国際大会以来、放送伝道、総動員伝道、ベリー・モア集会などいろんなかたちで教会協力が進んでいた。
2000年は特に、祈りのサミット、琵琶湖西岸でのトラクト配布、レーナ・マリアコンサートなどが実行された。