【和風TRPGリプレイ】デモンパラサイト異聞 鬼御魂２章「古墳超星ドグウダー」３話

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黒鉄：あ、行き先に心当たりがないか聞いておけばよかったかな。
シロ：心当たりがあったらまず先に探してるんじゃない？　心配してたみたいだし。
ゴリ：凛殿に聞いてみるか？
サスケ：あの調子じゃ何も教えてくれそうにないにゃ。今日も朝潮の家に行くって言ったらすごい顔で睨みつけられたにゃ（笑）。
シロ：あのさー、凛とか芹香の幼馴染で、子供の頃よく一緒に遊んでたんだよね？
GM：そうですね。男勝りな凛とノリのいいレナが一緒に戦隊ごっこやって、芹香がみんな怪我しないかハラハラ見てたって感じで。
シロ：前回防空壕を秘密基地にしてたって言ってたじゃない？　あそこ行ってみない？
サスケ：ああ、なるほど確かに。……マスター？
GM：……いえ、はい。では防空壕に到着。奥に進んでみると、真新しい焚き火の跡があります。
シロ：生活してますやん！
GM：寝袋とかお菓子の袋とか。そして、一冊のノートに目が止まる。タイトルは……「パトロール計画書」
一同：……。
黒鉄：ふふっ……。
GM：……小学生男子か！
サスケ：あんたが言うのか。
GM：誰も突っ込んでくれませんもん！
シロ：いや、凛ちゃんがちょっとかわいそうやなーって思って。
サスケ：凛に悪いことしたにゃ。こいつ確かに男子自由形だにゃ。
ゴリ：とりあえず中身を見てみよう。ペラペラ。
GM：乱暴な文字でページを贅沢に使って色々書いてる。文字やら、イラストやら。「ドグーンは受けがイマイチ」「ドグウセイダー」「◯◯ドグー」……最後の「◯◯ドグー」には二重線が引いてある。
シロ：名前の候補！　ダメ出しもしてる（笑）。
サスケ：イラストの方は、変身後の姿とか？
GM：決めポーズとか。決め台詞についての案もある。
サスケ：にゃっはっは！　人間ってオモロー！　（決めポーズを真似して）こうにゃ？　こうにゃ！？
ゴリ：ではそれを見てニヤリと笑います。これは……スカウトしがいがある。
シロ：その方向性でいいの！？
GM：で、ちょっとしたメモというか……日記的なことも書いてあるんだけど、最初こそ「俺はヒーローになったんだ！」とか「この町の平和は俺が守る！」とか無邪気なことが書いてあるんだけど、どんどん「正義は必ず勝つ。悪は滅ぼさなくてはならない」とか「悪人は皆殺しだ」とか、ちょっと精神状態ヤバくない？な記述が目立ち始める。
サスケ：最後は「かゆ　うま」
GM：いや、最後は「悪即斬……だとちょっとそのまますぎるから、悪即滅」（笑）。
サスケ：よかった、根本的なところは変わってないにゃ（笑）。
黒鉄：そうだ、力を手に入れた時の記述はないのかな？
GM：あるよ。「まさか本当に“力が欲しいか……”と声をかけられるとは思ってなかった」（一同爆笑）
黒鉄：パトロール計画書ってことは、今の時間帯どこにいるとかわかりますか？
GM：それが、最初こそ「この時間からこの時間までは部活で、この時間から夕飯だからパトロールはこの時間だけ」って感じだったのが、だんだん「学校とか家とか言ってられない、俺はヒーローなんだから」って無秩序になって行ってる。
シロ：でも、昨日の晩はここにいたっぽいんだよね？　ぼく、匂いとか辿れないかな？
GM：【知覚】もしくは『感覚』でどうぞ。
シロ：（コロコロ）１０で成功。
GM：外に出たっぽい。
シロ：そんだけ！？
サスケ：これは、振り直して高い達成値を出せってことではないかにゃ？
シロ：じゃ、衝動を駆使して潮を追うよー！
一同：おー！

GM：じゃあ、町中に戻ってきた。
シロ：現役男子高校生の青春の匂いを嗅ぎ続けて鼻が痛いよ。
GM：青臭い匂いがな（笑）。潮くんはすぐわかる。ちょっと天パ入った髪に薄汚れた学生服で肩をいからせて歩いてる。
サスケ：あ、いたにゃ。……さ、ゴリさん、スカウトしてくるかにゃ？
ゴリ：うむ。肩をポンと……
GM：が、その時。君たちの背後から……爆発音が！
シロ：え！？　また！？
GM：振り返る？
シロ：うーん、そりゃまぁ。
GM：潮くんも同様にバッと振り返り、「む！　事件だ！」と言って走り去る！
シロ：走り去る！？　ついていく！
GM：阻止したりはしないね？　じゃあ、交差点の先のMS銀行から煙が上がっている！
黒鉄：またか！
GM：潮くんは背中のリュックから土偶を取り出し、「……装着！」と言って変身ポーズをとる！（と言って本当に変身ポーズをとる）（一同爆笑）
黒鉄：えらいもんを見てしまった……
シロ：爆発より衝撃的や。
サスケ：むしろ通常運転にゃ♪
ゴリ：あの変身ポーズ……改善の余地ありだな。
GM：動物たちが好き勝手言ってる合間に、土偶を纏って潮くんが走っていく。
シロ：銀行の方に走っていくんですよね？　僕たちも追います。
サスケ：《空間遮断》使っといたほうがいいかにゃ？
GM：その前に。潮くんが走りながら叫びます。「人払いサイレン・オン！」通常の人には聞こえない音波が発せられ、催眠状態に陥ってその場から去っていく。サスケの《空間遮断》の亜種ですね。
ゴリ：ネーミングセンスがなぁ……。
GM：もちょっと頑張れーという感じですが。で、銀行にたどり着くと……もうもうと上がった煙の中から、埴輪が登場。対峙する潮＠土偶！
シロ：埴輪対土偶の対決！？
サスケ：B級特撮の世界……
GM：「まて悪党ぅ！」と決め切った声で潮くんが叫ぶと、埴輪はギョッとしたように体を強張らせるが……カチッ！　ボシュウッ！　逃亡にかかります。
サスケ：また逃げるにゃ！　追いかけるにゃ！
GM：バシュウウウウウ！　昨日のように空に飛び上がる。「待て！　逃げるな！」と言って潮くんもジャンプする。常人の２、３倍は高く飛び上がりますが、当然届かない。「くそう、超古代戦士ドグウXには飛行能力はついてないんだ！」と悔しがる。
サスケ：なんか名前が伸びとるにゃ。ドグウXじゃなくてスカイドグーにしておくべきだったにゃ……
GM：「むっ！　僕の人払いサイレンが効かないとは……さてはお前たちも、悪の超人だな！」
黒鉄：こちらは任せた。変身してさらに《光羽招来》。埴輪を追います。
ゴリ：任された。我は潮の前にぬうと進み出て……
サスケ：力で分からせるにゃ？
ゴリ：ビシッと指差して言います。ネーミングが悪い！
GM：「ぐぅっ！？」
ゴリ：センスのかけらもない！　お前はそれで満足なのか！
シロ：心から折っていくタイプだ。
GM：「くそう……痛いところを！　人間本当のことを言われるのが一番腹が立つんだぞぅ！　そーいうのは悪だ！　お前は悪だぁあ！」とちょっと涙目で殴りかかってきます。
ゴリ：お灸を据えてやろう。数珠を掲げて……我々も変身だ。
シロ：うん、変身するけどさ……端から見たらどう考えてもゴリさんの方が悪役だよねー。
GM：じゃ、戦闘開始。敵の能力を知りたかったら《知識：荒神憑き》なんだけど普通は。こいつは荒御魂ではないので、マイナス３の修正でどうぞ。ない人は『知識』で振っていいよ。
ゴリ：成功。
GM：さっきも言ったけど、こいつの能力値は「アサルトスーツ」のデータを代用してます。なので行動値１３。肉弾攻撃に特化してるのがわかるね。あと、拳や足の先あたりにビリビリと火花のようなものが散ってる。当たると痺れそう。
ゴリ：肉弾攻撃。スカウトするにはもってこいではないか。では早速《鉄壁》で肉弾攻撃ダメージをー５しておくぞ。衝動が溜まったので（コロコロ）４。
GM：「哄笑　突如として精神が高揚し、狂ったように笑う」（一同爆笑）
シロ：完璧な悪役じゃないかー！（笑）
GM：うわははははははは！と、効果が発生したターンの終了時まで行動不能になりました。
サスケ：友野さんのリアル高笑いいただきましたー（笑）。
ゴリ：ふはははは、見せてみろお前の力を！
GM：鉄壁を発動させて高笑い……どう考えてもそこ殴るなー！　「この化け物め、正義のパンチを受けてみろ！」
ゴリ：それはあえて受けときましょう。
GM：（コロコロ）お、高い。超必殺技やな。甘く見るなよ？「エックスパーンチ！」ドゴォ！　とゴリさんをがれきの山に叩きつける！
ゴリ：１４点通った。なぁに、まだまだ。ではそのがれきの砂煙の向こうから……ふはははは！と仁王立ちで現れる。
GM：「なんだとぅ……！？　効いてないのか！！　僕のパンチで倒れないなんて……」あ、でもゴリさん、次のラウンドから、体が痺れて判定に−３喰らいます。
サスケ：次は私。《妖眼》を使うにゃ。ガツン。29。
GM：そりゃあたる！　何でそんな……そうだ、あなた……ひどいデータやった……
サスケ：２２点ダメージ！
GM：痛って！
サスケ：《妖眼》＋《魅了の妖眼》＋凛からもらった鈴の力にゃ！　そんな姿、凛が見ても喜ばないにゃよ！？
GM：「なにい！？　くそう、俺の好きな人を人質に取ろうっていうんだな！？」
サスケ：やれやれ、とことん歪んで認識してるにゃ……
GM:「そうはさせないぞ！　悪の軍団め！」
ゴリ：はっはっはっは！
サスケ：お前は黙ってるにゃー！
シロ：シロは人形を作って殴らせてます。いけ、ポチ！
サスケ：名前……ポチなの！？　シロがポチを使役！？　いいと思います！
シロ：攻撃は当たって……ダメージ１５！
GM：ビキビキ！　土偶の表面にヒビが入って霊力が漏れ出す。が、「まだまだぁ！」
ゴリ：最後は我だが……フハハハハ！笑ってターン終了。そしてターン開始時に「かかって来なさい」
GM：「なるほど、お前はなめてかかって倒せる相手ではなさそうだ！　キャストオフ！」バシュッ！　シュウウ……
シロ：お、今度はかっこいい！
サスケ：いや、カブトの丸パクリなので要再考って赤入れられるやつ。
GM：「う、うるさい！」一部の機能をオフにして失った霊力を補います。仲間を庇うカバーポジション技能とかいらん。これで２０点回復。
黒鉄：一人だからな。
サスケ：と、いうことは、長引けばターンごとに回復されるのか。厄介だにゃ……
GM：説明しよう！　最新兵器アサルトスーツの最大の特徴。それはこの埴輪兵装から受け継がれたものだったのだ！
サスケ：いま、天の声が響いたにゃ！
GM：もちろんオフにできる機能がなくなったら回復できなくなるけどね。というわけでターン開始時に何か使う？
ゴリ：こちらも本気を出そう。《身体変異》と《鉄壁》をダブルで使う。もちろん肉弾攻撃を対象だ。
サスケ：え、二重に防御できんの？
GM：できます。イツオノハバリはそこが強い！
ゴリ：ネーミングセンスは悪いが、そのスーツの性能は本物のようだからな！
GM：ネーミングセンスは本人の資質だが、スーツ自体は優秀な技術者の成果なのでね！　ではまず……空中から！　このターンで黒鉄さんが埴輪に追いつきました。埴輪とカラスのドッグファイトが展開されています！
サスケ：か、カッコいいんだかカッコよくないんだか……
GM：こちらの行動値は１６……ですが、飛行状態のものは先制に＋１dできます。黒鉄さん、振り合いましょう。
黒鉄：あ、低い！　１。
GM：じゃあこっちが先です。埴輪の指先から光の弾がバババババ……！と放たれます。射撃攻撃。『幸運』で２０出してください。
黒鉄：衝動使って回避！　《太刀風》で反撃。衝動使って命中させて、16点ダメージ。
GM：痛いな……。次は潮くんの攻撃。高笑いしてるデカブツに「エックス電撃キック！」と、Xの形を作ってからキックをかまします。
サスケ：エックスの形ってそれ……
シロ：ただの……土偶やん？
GM：そうやなー。どう見てもXに見えへんのよなー。土偶体型やからな。
ゴリ：受けます。諸々引いて４点通った。
GM：跳ね返されて地面に転がる。「ば、バカな……巨大な岩の塊を蹴ったような気分だ！」
ゴリ：ふ……蚊でも触ったかな？
シロ：煽ってくる〜（笑）。
GM：「まだだ、俺は諦めない。諦めないのがヒーローだ！」
ゴリ：その希望を打ち砕いてやろう。
GM：やだなこの人（笑）。
サスケ：こっちだって嫌にゃ。こんなのと仲間だと思われたらいい迷惑にゃ。……でも諦めないんだよね？
GM：諦めませんねぇ。
サスケ：ではさっきと同じ内容で攻撃。２１点ダメージ。
GM：サスケに睨まれて、土偶の手足にニチアサでよく見るあの弾着の火花が散ります。ドチュン！　ドチュン！「うわああ！！」あなたねぇ、凛ちゃん口説いてる相手だからってちょっと容赦なさすぎ。
サスケ：特殊攻撃だから実体のない攻撃にゃのに……お前、特撮にハマりすぎにゃ！
シロ：次は僕の攻撃。ポチ……の前に《英霊一閃》で２１点。ポチは……あ、外れ。振り直しはしません。
GM：もうこいつの攻撃は見切ったぞ！
サスケ：調子乗ってるけどいいにゃ？
ゴリ：最後は我がとどめを刺してやろう。覚えておけ、必殺技とは……必ず殺すと書くのだ！　その辺の電柱を引っぺがして、一撃を食らわせます。
シロ：殺　る　気　だ　！
GM：電柱は５d振れるからねえ。その代わり【剛力】の判定で成功する必要がありますが。目標値は20。
ゴリ：振り直して成功。では攻撃（ジャラジャラ）３０点。
GM：最終奥義並みじゃねーか。ボゴッッ！　流石に防御点入れても防げません。土偶が砕け散って、中から潮くんが……ばたり。「くそう……こんなはずでは！」
ゴリ：では歩み寄って声をかけよう。小童……
GM：「う、うう……」
ゴリ：名前を決めるのはあとだ！　研鑽を積み、見識を広めてようやく授けられるもの。そうでなければ技が名に引っ張られるぞ」
GM：「く、くそう！」
ゴリ：ふっと笑って……だがいい目をしている、と起こします。お前の電撃キック、いいものを持っていたぞ。
GM：「！」
ゴリ：我は退魔師協会のゴリ。正義の名の下にこの町の秩序を守る者だ。我の下で働かないか。
GM：「し……師匠！」
サスケ：こいつ、詐欺にあっさり騙されるタイプにゃ。
GM：さて、地上戦は終了しましたが空中戦はまだ続いております。射程５０mあれば参戦できるけど……誰も持ってないよね？
シロ：うちのポチ、範囲：１００mあるんだけど……
GM：ですよね！？
サスケ：そ、それ空中でも可能なのかにゃ！？
GM：先ずは行動値（コロコロ）またこっちが先。オールレンジアタック、フラッシュボム！　閃光で一瞬目をくらまし、そこにミサイルをたたき込むという特殊攻撃。１５で当たる。
黒鉄：『精神』で回避……（コロコロ）衝動貯めて回避！　《太刀風》で……（コロコロ）今日ダイス目悪いなぁ。また衝動貯めて当てます。ダメージ１９点。
GM：射撃ダメージには強いのだ。では次……ポチの攻撃？
サスケ：ポチもビーム？
GM：いや？　体当たり。ポチGO! って言ったらギューン！！！って。
サスケ：体当たり！？　おかしくね！？　それ射撃じゃね！？
GM：特殊攻撃です。
シロ：命中７！
GM：それは当たらない。２０くらいは欲しいね。
シロ：衝動溜めたいから振り直す。諸々足して、２２！　ダメージ１５！
GM：やばい。霊力が。なので次のターン、火器管制とオートバランサーをキャストオフして回復します。
サスケ：これは……黒鉄とポチの攻撃だけでは倒しきれない？
GM：さらに次のターンでは、ポチも届かない距離になりますね。
黒鉄：支援無しだとちょっと辛いな……みんなのもとに引き返します。
サスケ：いいんじゃないかにゃ？　最終戦闘はまたあるだろうし。
シロ：とりま、ここを離れて神社に移動しない？　人払いサイレンの効果が切れたら厄介なことになるんじゃない？
GM：銀行は襲撃されてるし、電柱は引っこ抜かれてるしね。ではここを離れる前に、何かに気がつくか……【直感】か『感覚』で振ってみて。
サスケ：（コロコロ）私以外みんな成功にゃ。みんな感がいいにゃ〜。
GM：車が走り去っていく音がした。
黒鉄：車……ん？　今この空間に普通の人は入ってこれないのでは？
GM：ということですねぇ。
黒鉄：その車は追えますか？
GM：流石にもう遅い。
サスケ：他にも怪しい奴がいるってことにゃ？
シロ：土偶、埴輪……今度はなんだろ？
ゴリ：敵か味方か！
サスケ：普通の荒御魂という可能性もあるけどにゃ。
GM：では、一行は潮くんを連れて神社に向かった。