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【和風TRPGリプレイ】デモンパラサイト異聞 鬼御魂2章「古墳超星ドグウダー」2話

https://www.nicovideo.jp/watch/sm35860265
https://youtu.be/hl5kC6mObAQ
動画はこちら。

GM:5分もかからず到着します。住宅街の道だけど、一部灯りの調子が悪いらしく暗がりになっている部分がある。そこは芹香と、道に伸びた男が3人ほど。あ、後ボコボコになったハイエースも。
シロ:はっ? え? これ、芹香が?
GM:「違うの! 土偶が……」
サスケ:にゃ!? また土偶にゃ!? あれ、埴輪だったっけ?
ゴリ:娘よ、落ち着いて状況を報告するのだ。
GM:「キャ! ……あ、前にあった退魔師のおじさん……。ええと、いつも通りこの道を歩いてたら、またたちの悪い男たちにナンパされて、断って逃げようとしたら、車に押し込まれそうになったんだけど……」
シロ:それって、この伸びてる男たち?
GM:「うん」
シロ:喉笛を噛みちぎります。
サスケ:気持ちはわかるけどちょっと止めます。……で、誰かに助けてもらったってことにゃ?
GM:サスケがそういうと、「……おかしなこと言ってるって思わないでね!?」って前置きしてから、「助けを求めようと思ったその時、……人間サイズの土偶が現れて」
シロ:人のサイズの土偶。
GM:「おかしなこと言ってるってわかってるの! で、その土偶が「俺はこの町の平和を守る戦士・ドグウダー! 弱い女性を襲う悪党め! ドグウダーが相手だ!」って言って、その人たちを倒して助けてくれたの」
シロ:ドグウダー。
ゴリ:娘よ、そのネーミングセンスはどうかと思うぞ。
シロ:どうしよ。勉強のしすぎでノイローゼになったのかな……
GM:「私じゃないの! その土偶が喋ったの!」
黒鉄:現に男どもは伸びてるわけだしな。ハイエースだって、芹香がどうにかできるわけはなし。
GM:「そして……「この町に俺と言うヒーローがいるってこと、みんなに宣伝しておいてくれよな! 特に凛に!」って言って去っていった」
サスケ:にゃっはっは! じゃあ早速スマホで凛に「潮が正義のヒーローになって芹香のピンチを救ったにゃ〜♪」って報告してやるにゃ! 潮くんは腕に覚えがある男の子なのかにゃ?
GM:「はぁ!? 何言ってるの。虫も殺せない……ってのは言い過ぎだけど、十人並みよ」
黒鉄:これは鬼御霊案件では?
サスケ:でしょうなぁ。凛、潮が鬼御霊に取り憑かれてる可能性があるにゃ。潮に連絡してみてくれないかにゃ?
GM:「イヤよ」
シロ:即答。
GM:「今日の今日振った相手に連絡するとか嫌すぎるでしょ!」
サスケ:乙女心は面倒臭いにゃー。
GM:「乙女心以前の問題でしょ! ……ひとまずお母さんに相談して八武衆の本家には連絡を入れておいてもらうけども! あいつが問題事を起こす前に」
サスケ:問題を起こす前提なんだにゃ。潮くんふびん。
GM:凛にとっての潮くんの評価は概ねそんな感じなので。
シロ:ぼく、芹香と一緒に警察に行くよ。ついでに何か情報ないかな?
GM:うん、「土偶が悪党をボコボコにして去って行きました」という信じがたい内容ですが、あっさり信じてもらえます。「実は最近同様の事件が多発していてね……」
シロ:同様の事件? 土偶が助けてくれるの?
GM:というのと、埴輪に襲われたというのと。どうも情報が錯綜していて、警察も全貌はつかめきれていないようですが。
サスケ:詳しいことは自分たちで調べろというGMからの圧を感じるにゃ。一旦集まって情報を整理しようにゃ。
シロ:まず時系列が知りたい。銀行を襲ったのは埴輪? それから芹香の事件が起こったの? こっちは埴輪じゃなかったんだよね?
GM:芹香ちゃんは本好きだし真面目に授業受けるタイプなので、埴輪と土偶の区別はつくタイプ。埴輪は古墳時代。土偶は縄文時代。「私を助けてくれのは間違いなく土偶だった」
サスケ:そのセリフ、一生に一度使うか使わないかといったらまず使わないセリフだにゃ(笑)。
黒鉄:一体何人いるんだ?
サスケ:銀行を襲った埴輪は1体? それともハニワーズ?
GM:少なくとも君達が目撃したのは1体だけだね。去っていったのも1体だし。
黒鉄:まずは潮くんに話を聞いてみるべきでしょう。潮くんの家は?
GM:行ってみます? 芹香が知ってるので案内してくれますが、もう夜だからか潮くんの部屋は明かりが消えている模様。
黒鉄:ふーむ。明日出直しますか。朝イチなら学校に出るところを抑えられるでしょう。
GM:では、一旦みんなねぐらに帰りますか? では……黒鉄さん、君は確か神社の裏山に住んでましたね? 君がねぐらに戻ると、何やら騒がしい。「黒鉄の旦那おせーなー」「落ち着きなよおコンちゃん、旦那ならきっとなんとかしてくれるさ」
黒鉄:む? なんだ?
GM:この山に住む動物たちです。「あ、旦那、おかえりなさいまし!」
黒鉄:なんかすごい懐かれてる(笑)。
GM:そりゃ、黒鉄さんやシロさんくらい長生きしてるのは妖怪でもそうそういませんから。1000年くらい前から妖怪退治してきてるお二人なので、この辺の動物や妖怪たちは大体慕ってますよ。もしくは調伏されてきたか。
黒鉄:で、何があったんだい?
GM:では、一人の可憐な女性が前に躍り出る。見た目は美しい女性ですが、おコンという狐の妖怪です。「旦那、うちの亭主が……あのバカ亭主が、またぞろ何かやらかしたっぽいんですよ!」
黒鉄:バカ亭主。
GM:「はい。以前可愛がっていただいたあのバカ亭主です」
シロ:可愛がりだ〜!
黒鉄:何をしたのかな〜(笑)。
GM:人間をだまくらかしたりして悪さして、捕まって酷い目に遭わされそうになったところを助けてもらったんです。「あれ以来、もうバカなことはしない、真面目に働くって旦那とも約束したっていうのに……」
黒鉄:今度は何をしたんだい。
GM:「まだわからないんですけど、嫌な予感がするんです。実はうちの子、今度医学部に進学することになったんですけど……」
シロ:医学部! 狐界も学力社会に。
GM:お紺さんのところはお子さんが5人くらいいて、全員人間に化けて生活しています。子供達はむしろ自分たちのことを人間だと思っているくらい、人間社会に溶け込んでいます。
サスケ:逆に「ちょっと狐に化けられるくらいの変わった能力」を持ってると思ってるんだ(笑)。
GM:そんな認識(笑)。で、長女の学費を捻出しようと、お紺の旦那……円之上が「山で拾ったこの道具、売ったら金になるんじゃね?」と出かけて行ったきり、もう3日も帰ってこない……と。
黒鉄:山で拾った?
GM:「……“発掘した”です、すいません」
黒鉄:それは何だい? お前さんも見たのかい?
GM:「埴輪っぽい人形でした。確かに怪しげな力を持っているようには感じましたね。ただ、そんな目利きがいるとは思ってなかったので私も最初はハイハイって聞き流してたんですが……これがえらく高値で売れたみたいで」
黒鉄:ほう。
GM:「味をしめちまって、もう2、3体掘り起こして売りに行くって言い出したから、一度黒鉄の旦那に見てもらった方が良いよと言ったんです。だけど「そんなもん言うたら止められるに決まっとるやんけボケ」って言われて……」
黒鉄:そら止めるわな。それからもう三日かぁ。最初のやつを売ったのは、どれくらい前だい?
GM:「10日も前でしょうか」
黒鉄:どこで見つけたとか、どこに売ったとかは?
GM:「「お前は余計なこと知らん方がええ」て、話してくれなかったんです。だから悪い人に売ったんじゃないかと……そしてそのまま拉致られたんじゃないかと心配で心配で……」尻尾がしんなりしてます。
黒鉄:わかった。ちょっと心当たりがあるから、気にかけておくぜ。
シロ:つまり……潮くんが円之上から土偶を買ったってことかな?
サスケ:でも高値で売れたって言ってたにゃ。悪いけど潮くんにそんな甲斐性があるとは思えないにゃ。誰かバイヤーがいるんじゃないかにゃ?
黒鉄:バイヤーが潮くんに売った? なんのために?
サスケ:うーん……
ゴリ:こういう時はわかってるところから潰していくのが一番だ。
シロ:じゃあやっぱり潮くんに話を聞きに行こう! 明日登校前に待ち伏せして、拉致る。
黒鉄:円之上のことを言えない腹黒さ。
GM:じゃあ誰かこの……7面サイコロ振ってみて。
シロ:何それ! そんなのあるんですか!?
サスケ:(コロコロ)5。
GM:では、明日は金曜日。学校はありますね。
シロ:あ、その前に、神主さんにも話聞けませんか? この街で埴輪が暴れたことって今まであった?って。
GM:もちろん神主さんも最近の町の騒ぎは知っているので埴輪の噂も聞いてます。が、「埴輪の伝説は聞いたことがないなぁ。資料を漁れば何か出てくる可能性はあるが……
シロ:漁ってください!
GM:シロも手伝うんだよ? 【情報技術】で振ってね。
シロ:持ってねぇ!
GM:うん、普通動物に【情報技術】はないと思うよ。なかったら『知力』でどうぞ。わからんかったら衝動貯めて振り直したらええんや。
シロ:大和政権の時は埴輪なかったんだっけ……(コロコロ)あ、6ゾロ!
GM:お、6ゾロはわかりますよ。古文書が積まれた部屋の中でやれやれ腰を据えて探すかーとペラペラ開いたページに「埴輪兵装」という文字が。
シロ:これかあああ!
サスケ:つまり……はに丸か!
GM:それを言うとさらにコミカルになるので言わなかったのに。でもまぁそれです。「超古代、埴輪兵装に自分の魂を移して思うがままに操る、あるいは霊力を込めた泥を体に塗って鎧とするのみならず、自らの膂力を増すという呪術が存在した。魏志倭人伝に書かれた倭人は全て刺青をしていると書かれていた。あれはこの装備を身につけるための呪い的な装いであった」……そこまで読んだおじさんが、「しかしこの本、随分最近に書かれたものだな」と。
シロ:へ? 偽物ってこと?
GM:いや、最近といっても今から100年ほど前の書物。表紙には『陸軍兵器考察録』の文字が。
サスケ:陸軍がドグウダーの研究をしていた!
GM:あいやドグウダーとは限りませんが(笑)。
シロ:その本の著者は?
GM:神宮寺敬三。
シロ:あ、その人黒幕。
GM:早い早い! 結論が早い!
シロ:だって神宮寺って名前で研究者って、もうマッドサイエンティストでしかありえない!(断言)
ゴリ:大体フィクションに出てくる神宮寺は胡散臭い。
GM:「しかしこの本が書かれたのも古いし、生きていたとしたら今年120歳とかだ。そこそこ高い地位についていたようだし、今更そんな、銀行強盗とかケチな犯罪を犯すかね?」
シロ:それもそうか。まぁでもこのことは、潮の家に行く道すがら、みんなに共有しとくよ。
GM:ではその話を聞いたゴリさん。『知力』で振ってみて。何か思い出すかもしれない。
ゴリ:(コロコロ)振り直して成功。
GM:退魔師協会で聞いたことがありますが、普通の人間でも悪魔憑きと戦える「アーマードアサルトスーツ」というのを自衛隊と警察が密かに開発していて、極秘裏に運用もされていると聞いたことがある。それには通常の科学技術以外の何か、古代技術が使われているという噂も。
ゴリ:ピンときました! それがあれば……仲間を増やせる!
黒鉄:そっちの方向か。
サスケ:神宮寺さんの埴輪兵装がグレードアップして、アーマードアサルトスーツに転用されているって感じかにゃ?
ゴリ:では潮くんのお宅をピンポンします。「我は退魔師協会の者なのだが、ぜひ君の力を借りたい!」
サスケ:こいつスカウトしてるにゃ! 「君、いい身体してるね」ってやつにゃ!
GM:じゃあゴリさんがピンポンすると、突然ドアがバンと開き「あんた連絡もしないで一晩中どこに言ってたの!」ってすごい剣幕のお母さんが出てこようかと思ったんだけど、目の前にいるのがゴリなので固まる(一同笑)。
ゴリ:こう言うものです。名刺を差し出す。
サスケ:ゴリを押しのけて言います。「その口ぶり、もしかして潮帰ってきてないにゃ?」
GM:喋るの? 喋っちゃうの? 「ね、猫が喋っ……」
サスケ:そんなことより潮の話の方が先にゃ! 帰ってきてないのかどうなのかにゃ!
GM:「か、帰ってきてないです。昨日、学校から帰ってきてすぐに家を飛び出した後、夕飯にも帰らないで……」
サスケ:去り際に《魅了の妖眼》。みょんみょん。
GM:「はっ、私は何を」
サスケ:これ便利〜♪

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