米国特許の経過情報を監視したい

THE調査力では日本特許については図のように経過監視する仕掛けが用意されています。

しかし外国特許ではこのフィールドが灰色で表示され、経過監視させることができません。

審査状況に変化があったら知らせてほしいところですが、THE調査力側で外国特許の監視機能がサポートされていない限り、望むべくもありません。

画面左側の「Espace」ボタンをクリックし、開かれたESPACENET画面から「INPADOC legal status」を表示させることで、1件ずつの最新情報を見られるところまでが限界です。

完全な「自動処理」はTHE調査力の機能向上を待つしかありませんが、少々の手間と引き換えに、こんな情報を米国特許商標庁(USPTO)から取得してTHE調査力にインポートする仕掛けを考えてみました。

ツールをダウンロード

まずは次のnote文書からファイル「THE調査力US経過情報取得ツール.xlsm」をダウンロードしてください。

THE調査力の環境を設定

経過情報を保存し表示するためのフィールドを準備します。対象タイトルのMENUボタンをクリックし、サブメニューから「保存タイトル管理」を選択します。

フリー項目に「USPTOLS要監視」・「USPTOLS全イベント」・「USPTOLS最新イベント」の3つのフィールドを、日付フリー項目に「USPTOLS取得日」フィールドを定義します。すでにフリー項目・日付フリー項目に他の名称を登録している場合には、どの項目番号のフィールドを使っても構いません。

続いて抄録一覧画面で、USPTOから取得した経過情報が表示されるように画面レイアウトを整えます。まずはウインドウ右上の「レイアウト」をクリックして「変更する」を選びます。

「USPTOLS要監視」・「USPTOLS全イベント」・「USPTOLS最新イベント」・「USPTOLS取得日」の4個のフィールドをお好きな形に配置します。配置が決定したら「プレビューを表示する」をクリックし、書式名を定義して「保存」ボタンをクリックしてください。

レイアウト設定の詳細手順は、THE調査力のHELPページにも記されています。併せて参照ください。

監視対象案件にフラグ設定

抄録一覧画面で、経過情報を監視する案件を表示させ、図の鉛筆ボタンをクリックします。

「抄録一覧編集」画面に切り替わったら、「USPTOLS要監視」フィールドに1(半角数字)を入力し、「保存」ボタンをクリックします。

USPTOから経過情報を取得したい全ての案件について、「USPTOLS要監視」フィールドを設定します。件数が多い場合には、Excelファイルに情報出力し、THE調査力の外部でフィールドを設定し、Excelファイルを再取り込みする方法も可能です。

監視対象案件群のダウンロード

全ての監視対象案件の「USPTOLS要監視」フィールドへの設定が終了したら、「マトリクス」画面から「特許の検索」をクリックします。「タイトル一覧」画面のMENUボタンをクリックしてサブメニューから「特許の検索」を選んでも構いません。

「特許の検索」画面が表示されたら、
検索方法:条件を入力して検索
検索項目:USPTOLS要監視
検索条件:1
と入力して「設定」ボタンをクリックし、
検索式:S1
と入力して「件数チェック」をクリック。監視対象の件数が表示されたら「出力」ボタンをクリックします。

出力する項目を図のように設定して「出力する」ボタンをクリック。

USPTOから経過情報の取得

前の手順でダウンロードしたTHE調査力出力ファイルと、「THE調査力US経過情報取得ツール.xlsm」を開き、経過情報を取得する案件の出願番号セルを選択してAlt+F8を入力。マクロダイアログボックス上で「THE調査力US経過情報取得ツール!US経過情報取得」を選んで「実行」ボタンをクリック。

USPTOから経過情報が取得されると図のように、ExcelファイルのF列~H列に値が入ります。このとき経過情報が更新された案件の出願番号セルが薄緑に色付けされます。この例では最初に経過情報を取得したため全件の出願番号セルが色付けされていますが、2回目以降には経過情報が更新されたセルだけに色付けされます。Excelの色フィルタ機能を使用することで、状態が変化した案件を知ることができます。経過情報の取得が終わったらファイルを上書き保存します。

THE調査力の経過情報フィールドの更新

タイトル一覧画面で、該当タイトルのMENUボタンをクリックし、サブメニュー画面から「特許データの保存」を起動します。

「特許データの保存」画面が表示されたら、取り込み書式として「THE調査力出力データ」を選択して「ファイルを選択」ボタンをクリック。開かれたダイアログボックスから前項で保存したファイルを選択して「ファイル読込み」ボタンをクリック。最後に「保存実行」ボタンをクリックすると、USPTOから取得した情報がTHE調査力にインポートされます。

経過情報が変更されたら自動的にメールで連絡される仕掛けはありませんが、経過情報を取得したExcelファイルのセルの色フィルタにより、経過情報が変更されたことを知ることができます。THE調査力で米国特許の監視機能がサポートされるまでは、このツールを使用して、USPTOLS要監視フラグが設定された案件について、定期的に手動での経過情報取得と調査力へのインポートを行う方法で凌いでください。

うまく動かないだとか、こんなこともできないか等のご希望がございましたら、ページ下部の「クリエータへのお問合せ」から連絡してください。

2024/04/09 誤記訂正
2024/04/02 作成

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