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ひよこ豆を茹でて、フムスを作って食べました

宮本輝さんの『草花たちの静かな誓い』(集英社文庫)を読んだ。
中江有里さんが解説の中で「よい小説は自然に非日常へ誘ってくれる」と書いていたが、読後数日たってもロサンゼルス郊外の高級住宅街の庭で風に吹かれている気分が続いている。

ストーリーとしては、本当につらい出来事が語られている。でも、登場人物たちの強さや、太陽と海風を感じさせる土地、生い茂る庭の草花たちが小説を重くつらいものにしていない。海風をまともに受けながら、ゆったりと立っている主人公を想像させる読後感だ。

宮本輝さんの小説ではいつもきめ細やかな人物描写がなされていて、その人物が今も生きていると思わせてくれるけれど、今回もそうだった。そして、その人物が食べているものを食べたくなる。

たとえば、昨日私はスープストックで冷凍のスープを3種類、買ってきた。「東京ボルシチ」と「東京参鶏湯」と「オマールエビのビスク」。東京ボルシチは昨日食べてしまったので、今日は参鶏湯にしようかと思う。

スープは食事用として、ビールのおともに食べたくなったのが「フムス」。カルディで「タコスチップス」を買ってきたので、あとはフムスを作るだけ。ということで、富澤商店に行ったときに思わず購入した「ひよこ豆」、ガルバンゾーともいうらしい、を昨夜水につけておいたので、片手鍋でゆで、ネット上のレシピどおりにつぶしてまぜてみた。

本小説を読むと、ステーキも食べたくなるけど、私の一番はフムス

まぜたのは、エクストラバージンオイルとチューブのにんにく、瓶に入ったレモン汁、塩。白ねりごまを入れるといいらしいけど、忘れてしまった。けれど、とても美味しくいただきました。

近いうちに、スープも手作りしてみたいし、ステーキも焼いて食べたい。

●『草花たちの静かな誓い』文庫本のカバー(裏)に書かれていた文章
アメリカに住んでいた叔母が修善寺で亡くなり、突如、4200万ドルもの莫大な遺産を相続することになった弦矢。遺骨を抱え、弁護士とロサンゼルス郊外にある叔母の家に向かった。そこで白血病で死んだはずの叔母の娘・レイラが行方不明だと知らされる。27年もの間、叔母はなぜそのことを秘密にしていたのか、レイラはどこにいるのか。弦矢はその謎を追い始めるーー。運命の軌跡を巡る長編小説。

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